インバウンドマーケティングとは?役割と成功のコツを徹底解説

INBOUND MARKETING(Vectors by Vecteezy)

 近年、注目を集めているインバウンドマーケティングとは、従来までのアウトバウンドマーケティングとは一線を画し、自社のWebサイト、ブログ、SNSなどのコンテンツを通じて、自然な形で顧客を集めるマーケティング手法です。

 本記事では、インバウンドマーケティングの概要から、基本的な戦略、成功させるための重要ポイントなどを徹底解説します。

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インバウンドマーケティングの概要

 インバウンドマーケティングとは、見込み客が自発的に企業のWebサイトにアクセスし、興味や関心を示すように導くマーケティング手法です。企業側から商品を売り込むのではなく、まずは見込み客にとって価値のあるコンテンツを提供し、後々顧客になってもらおうとする長期的なアプローチを取るのが特徴です。

 例えば、Web制作会社が、見込み客を引き寄せたい場合、Web制作に関する、デザインやプログラミングのハウツー、無料テンプレートなどを、ブログ、メールマガジン、YouTube動画などのチャネルを通じて提供することが考えられます。このような施策を継続的に実施することで、Webサイト制作に関する専門家としての地位が徐々に確立されます。

 上記の例ように、見込み客からの高い信頼を得ることによって、見込み客の企業で導入需要が高まった際に、導入候補の一つとして挙げてもらえる可能性が高くなります。見込み客の方からアプローチがあれば、その後の営業活動がスムーズに進むことは言うまでもありません。

4つのステージ

 インバウンドマーケティングには、以下の4つのステージがあります。

1. ATTRACT(惹きつける)

 最初のステージは、ターゲットとなる見込み客の注意を惹きつけることです。WebサイトのSEO、ブログ投稿、SNS投稿、動画投稿、ポッドキャストなど、様々な施策とチャネルを活用して、多くの見込み客を集めることを目標にします。

2. CONVERT(変換する)

 次に、惹きつけた見込み客をリードへと変換する必要があります。ランディングページや、リードマグネットを活用して、見込み客の名前、メールアドレス、電話番号などの連絡先情報を取得し、自社のリードとしてCRMなどに登録することを目標にします。

3. CLOSE(成約する)

 リードから顧客へと変換するためのステージです。CRMなどに蓄積されたリードの情報をもとに、メールマーケティングや営業アプローチなどを継続的に実施し、成約へと導くことを目標にします。

4. DELIGHT(満足させる)

 成約後も顧客との継続的な関係を構築するための、継続的なフォローアップや有益な情報提供を実施し、顧客満足度の向上させ、再購入や契約の継続を目標にします。

インバウンドマーケティングとアウトバウンドマーケティングとの比較

 インバウンドマーケティングとアウトバウンドマーケティングは、目指すべきゴールは同じですが、見込み客へのアプローチ方法が異なります。

 インバウンドマーケティングが、質の高いコンテンツを作成して、見込み客側からのアプローチを待つのに対して、アウトバウンドマーケティングは、テレビCM、ラジオCM、新聞広告、看板広告、DM、SNS広告、テレアポなどの手法を使って、見込み客に積極的にアプローチを行います。

 どちらのマーケティング手法にもニーズやメリット・デメリットがあるため、状況に合わせて2つの手法を使い分けることが重要です。

インバウンドマーケティングが有効な場合

  • ターゲットが明確になっている場合
  • 質の高いリードを獲得したい場合
  • 成約までの期間が長期化傾向にある場合
  • マーケティング予算が少ない場合
  • ROIを高める必要がある場合 など

アウトバウンドマーケティングが有効な場合

  • 企業・サービス・ブランドの認知を高めたい場合
  • 新商品、新サービス、新キャンペーンを発表する場合
  • 結果を早く出したい場合
  • ターゲットユーザーの年齢層が高い場合
  • マーケティング予算が十分に確保できる場合 など

インバウンドマーケティングの基本戦略

 インバウンドマーケティングを実施する上で、欠かすことのできない基本的な戦略についてご紹介します。

コンテンツマーケティング

 自社の製品やサービスの価値を伝えるための、質の高いコンテンツを継続的に作成することが最も重要になります。コンテンツの内容は、Webサイトのアクセス解析、見込み客のニーズ調査、既存顧客からの質問事項、競合他社調査などを行い、どんなコンテンツが求められているのかをしっかり検討する必要があります。

SEO(検索エンジン最適化)

 作成したコンテンツを検索エンジン経由で見込み客に見つけてもらうためには、WebページにSEO(検索エンジン最適化)対策を行い、該当のWebページが検索結果上位に表示されるようにすることが重要になります。見込み客が検索しそうな検索キーワードの選定や、ページタイトルの付け方は特に重要になります。

ソーシャルメディアマーケティング

 Facebook、Instagram、LINE、YouTube、Twitterなどの中から、自社の見込み客とつながれる可能性の高いSNSを利用して、企業からの情報発信とフォロワーの獲得を行います。SNSに投稿する内容についても、ターゲットとなる見込み客を意識し、どんな内容が求めているのかをしっかり検討することで、質の高いフォロワー(見込み客)と繋がることができます。

メールマーケティング

 メールマーケティングは、すでに製品やサービスについて興味のある見込み客に対して実施します。メールを送るためにはメールアドレスを取得する必要があるため、リードマグネットを活用して連絡先情報を取得します。メール配信を実施することで、見込み客にとって価値のあるキャンペーン情報や、ナーチャリングコンテンツを継続的に提供することができます。

顧客管理システム

 インバウンドマーケティングの全てステージで非常に重要な役割を果たすのが顧客管理システムです。見込み客や顧客のデータ、やり取りの履歴を一元管理し、必要な情報へのアクセス性能を向上させることができます。これらの情報は、顧客に対する理解を深め、精度の高いマーケティング活動の実施を可能にします。

インバウンドマーケティング成功のポイント

 インバウンドマーケティングを成功させるためのポイントをいくつかご紹介します。

ターゲット層の明確化

 インバウンドマーケティングを成功させるためには、まずはターゲット層を明確する必要があります。ターゲットペルソナやカスタマージャーニーマップを確認し、ターゲット層のニーズや、抱えている問題点を理解した上で、適切なコンテンツを作成することが重要です。

コンテンツを充実させる

 検索エンジンなどを経由して、見込み客側からのアプローチを得るためには、提供するコンテンツを充実させる必要があります。ターゲット層が抱えているニーズや問題点を洗い出し、それに対応する専門的なコンテンツを作成しましょう。コンテンツを充実させることは、見込み客の入口を増やすことに繋がるため非常に重要です。

 コンテンツの提供は、Webサイト、ブログ記事、SNS投稿、動画投稿、ポットキャスト、ホワイトペーパー、eBookなど、様々なものが含まれます。

効果測定と最適化

 インバウンドマーケティングが効果的に機能しているかどうかは、定期的に効果測定を実施し、何か効果的で何が効果的でないかをしっかり把握することが重要です。

 設定したキーワードでターゲット層がWebページに辿り着き、作成したコンテンツとのエンゲージメント(滞在時間やCVなど)が発生したのか、それともすぐに離脱してしまったのかを分析しましょう。効果測定の結果をもとに、キーワードやページの最適化を実施します。

適切なツールへの投資

 インバウンドマーケティングへの取り組みをより強化したいのであれば、適切なツールに投資をすることが重要です。適切なツールを利用することで、業務の効率化や自動化を可能にし、マーケティング活動のスピードアップに役立ちます。

 代表的なものとしては、キーワード調査ツール、アクセス解析ツール、競合調査ツール、CRMツール、マーケティングオートメーションツール、メール配信システム、LP制作ツールなどが挙げられます。

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インバウンドマーケティングについてよくある質問

 最後に、インバウンドマーケティングに関する、よくある質問と回答をご紹介します。

どのような企業に向いていますか?

 インバウンドマーケティングは、Webサイト、メール、SNSなどの一般的なネット施策を活用している企業であれば、業界・業種・商材、BtoB、BtoCビジネスを問わず、あらゆる企業で活用することができます。

 低コストで高いROIを実現することができるため、多くのマーケティング費用を掛けられない中小企業にも向いています。

成果が出るまでどれくらいの期間が必要ですか?

 他のマーケティング戦略と同様に、業界、業種、商材などによって、成果が出るまでの期間は異なります。

 インバウンドマーケティングは、すぐに結果が出るものでは無い事は、あらかじめ理解しておく必要があります。しかし、良質なコンテンツを継続的に作成することによって、確実にアクセス数やリード数の増加という成果が期待できます。

質の高いコンテンツとは何ですか?

 インバウンドマーケティングにおける質の高いコンテンツとは、見込み客が抱くであろうニーズや問題点の答えを、自社の製品やサービスと関連付けながら示すことのできるコンテンツのことを指します。

 ただし、製品やサービスの特徴ばかりを宣伝するようなコンテンツでは、見込み客が離れて行ってしまいます。見込み客側の立場になって、価値を感じてもらえるようなコンテンツを作成する必要があります。また、検索エンジンからの高い評価(検索結果上位表示)を得ていることも求められます。

自分達に質の高いコンテンツが作れるでしょうか?

 コンテンツの作成は、最も時間が掛かり、困難な作業の一つですが、適切にターゲットを選定し、入念な調査を実施することで、もちろん自社で作成することは可能です。まずは、自社に蓄積されたノウハウや、既存のコンテンツで使えるものが無いか調査してみましょう。その他にも、既存顧客からの質問やフィードバック、競合他社のコンテンツ調査などを行うことで、良いアイデアを得られる可能性があります。

 もしも、コンテンツの作成を外注する場合は、コンテンツの目的を明確にして、外注先とのコミュニケーションを密に取りながら、コンテンツの品質を上手くコントロールする必要があります。

インバウンドマーケティングとアウトバウンドマーケティングどちらを使うべきですか?

 見込み客のフェーズや製品・サービスの特性によっても異なりますが、状況に合わせて2つのマーケティング手法を組み合わせるのが効果的です。

 例えば、見込み客が情報収集を行っている初期段階においては、インバウンドマーケティングで質の高いコンテンツを見せることが有効ですし、本格的に導入を検討している段階においては、アウトバウンドマーケティングで積極的にテレアポなどでアプローチを掛けた方が有効だと言えます。

1人でも実施できますか?

 企業規模にも寄りますが、1人でも実施は可能です。ただし、インバウンドマーケティングで成功している企業の多くは、インバウンドマーケティングの責任者やプロジェクトチームを中心として、営業やカスタマーサポートなど他部署の複数の人間が係わっています。

 もし少人数で実施する場合は、適切なツールを導入して、業務の効率化を徹底すると良いでしょう。

まとめ

 いかがでしたでしょうか。近年のインターネット技術の進歩や、ユーザーのインターネットの利用方法の変化によって、従来のアウトバウンドマーケティングから、インバウンドマーケティングがより重要視される時代になりつつあります。

 インバウンドマーケティングは、見込み客、リード、顧客を増やすための最も効果的なマーケティング手法の一つだと言えます。今回ご紹介した内容を参考に、見込み客のニーズや問題点に焦点を当てた、質の高いコンテンツの作成に取り組んでみてください。

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