デジタルマーケティングとは?8つの基本的手法とともに解説

デジタルマーケティングとは?8つの基本的手法とともに解説

Photo by ROBIN WORRALL on Unsplash

 マーケティング施策について考慮する場合、もはやデジタル領域を無視することはできなくなりました。この記事では、進歩するテクノロジーによって新たな手法が日々登場する中、デジタルマーケティングとは何か、基本的なデジタルマーケティングの手法とは何かをご紹介します。これからご実施される方、現在ご実施されている方にとって新たな気づきがあれば幸いです。

デジタルマーケティングとは

 デジタルマーケティングとは、様々な形態のデジタルメディアを通じて自社のサービスを宣伝・訴求することを指します。デジタルマーケティングは、インターネットを必要としないチャネルを含めるため、オンライン・マーケティングよりも幅広い定義になります。 そのため、ディスプレイ広告、検索エンジン関連のマーケティングなどに限らず、モバイル端末におけるSMSやMMS、ソーシャルメディア・マーケティング、その他のデジタルメディアなどが含まれます。

 よって効果測定においては、モバイル端末アプリのダウンロード、Twitterでのツイート、Facebookでのお気に入りなどの数値や価値を分析し、定量化することが企業に求められます。

基本的なデジタルマーケティングの手法

 デジタルマーケティングが多様なチャネルを包括しているとはいえ、基本をおさえるところから始めるべきでしょう。ここからは、基本的なデジタルマーケティングの手法をいくつかご紹介します。

1.Webサイト

 様々なデジタルマーケティングの手法が生まれていますが、企業の場合はWebサイトを持つことがまずは基本です。Vocus社が中小企業向けに実施した調査によると、Webサイトはデジタルマーケティングの最も効果的な方法の1つと認識されています。Webサイトを効果的なデジタルマーケティングチャネルとして利用するためには、洗練されたデザインと使いやすさ、わかりやすさが重要になります。

 Webサイトの作成には、HTMLとCSSを駆使してワードプレスを利用したり、Wixなどのドラッグ・アンド・ドロップ操作でつくることができるサービスを利用するなどの選択肢があります。当然ワードプレスを用いて作成する方がコストがかかりますが、SEO対策やSNSでのシェアを行いやすくできる様々なプラグインを利用できたりデザインを細かく設定できます。

9割以上がデザインのみでwebサイトを評価している

 Webサイト、特にデザイン面におけるROI(投資対効果)を正確に測ることは難しいですが、それでもWebデザインは皆さんのビジネスにおいてとても重要な役割を果たします。

 世界有数のプロバイダホストゲーターがまとめたインフォグラフィックによると、医療系webサイトの評価を行った結果、回答者の94%がデザインのみに基づいてWebサイトを低く評価したことがわかりました。コンテンツこそが最も重要であるべき医療のWebサイトにも関わらずです。一方で実際のコンテンツに基づいて医療系webサイトを高く評価したのは、調査対象者のわずか6%のみでした。

 Webサイトデザインの重要性をおわかりいただけたでしょうか。デザインにも配慮したWebサイトの開発から運用開始までには、少なくとも14週間を見積もるべきだと、ワードプレスの開発者ビル・エリクソンは語っています。

 一般的なwebサイトは、作成開始からローンチまでに最低14週間は必要だ。企画に3週間、設計に6週間の設計、初期開発に3週間、そして修正用に2週間という内訳になる。コンテンツ作成開始まで踏まえると、さらに時間がかかる場合もある。

引用元:How long does it take to build a website?

2.ブログ(コンテンツ・マーケティング)

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 SEO(検索エンジン最適化)のため、そして皆さんのビジネスのターゲットとなる顧客を引き付けるために、ブログは重要な役割を果たします。前述したワードプレスやWixなどのサイト構築サービスにもブログ投稿機能は標準搭載されています。

 日本では”ブログ=日記”というイメージが未だに根強いですが、コンテンツ・マーケティングの手法としても大きな役割を担っています。コンテンツ・マーケティングとしてのブログにおいて大事なことは主に以下の6つとなります。

  1. ターゲットのニーズを満たすこと
  2. 定期的に更新すること
  3. 人間味を出すこと
  4. 独自の視点を持つこと
  5. 売り込みを避けること
  6. その分野の第一人者として振る舞うこと

 ブログの運用は、自社でコンテンツを作成し更新する他に、ライターに外注して執筆を依頼したり、もしくはSEOのコンサルティング企業に一括で請け負ってもらうという選択肢もあります。

 ブログの投資対効果、ROIを測定することはそれほど難しくありません。グーグルアナリティクスなどの解析ツール上の指標ですぐに計測できるためです。ブログの効果を計るための指標は以下のようなものになるます。

  • SNSにおけるシェアの数
  • セッション数
  • ブログ購読者数
  • リードの数
  • 売上高

 このように、効果測定自体は簡単に行えるものの、ブログの本当の価値を判断するのは慎重になるべきといえます。なぜならブログの記事内容ごとに目標が異なることもあるためです。具体的には、長期的な価値創造、既存客への満足度向上、短期的な収益増加といった具合です。

 そしてこれらの指標を用いて目標達成具合を測れるもののあれば、そうでないものもあるということを認識しておくべきでしょう。さらにブログ運用は広告のようにコストの支出である一方、資産の構築という側面も持っているため、短期的な効率性や効果のみで計測すると、その役割を見失ってしまいます。

 いずれにせよ、すぐに結果が出るものではないのがブログです。まずは自社サービスや自社のステートメントと一貫性があるブログを半年以上は続けるべきです。古い投稿が検索上位に表示されたり、SNSでシェアされ始めるまでに6か月以上かかることがあるためです。ブログは一度運用を始めたら諦めてはいけません。

3.SEO(検索エンジン最適化)

 素晴らしいデザインのWebサイトを構築し、自社サービスを説明するページを作成したら、潜在顧客、見込み客が勝手に訪問してくれるわけではありません。潜在顧客がみなさんのビジネスに関連するキーワードをグーグルなどの検索エンジンで調べたときに、自社サイトが一番目立つ場所、つまり最上位に来るように最適化する -それが、SEO(検索エンジン最適化)の役割です。

 検索エンジン最適化は、Webサイトへのトラフィックを増やすだけでなく、信頼を築く役割があります。つまり、見込み客、潜在顧客が皆さんのサービスに関連するキーワードを検索したときに、皆さんのWebサイトが検索結果で上位にランクされている場合、信頼できる会社だと認識されます。

 検索エンジン最適化はあらゆるビジネスにおいて重要な施策です。市場において後発である場合は特にです。どうすれば上位に表示できるか、競合はどんなページが上位にいるのかなど知識の獲得と調査にはそれなりの時間が必要です。検索エンジンのルールに従いつつSEOの手助けをしてくれるコンサルティング会社に依頼することで、一連の業務を短縮することも可能です。

4.有料検索広告

 有料検索広告(ペイドサーチ広告)の大きなメリットは、投資対効果が計測しやすいこととと、費用を掛ければすぐにでも始められることです。最も代表的な有料検索広告はグーグル広告です。グーグル広告は基本的にオークションシステムに基づいており、うまく運用することでコストの削減と広告掲載機会や場所の向上が見込めます。つまり質の高いキャンペーンを行っている広告主が有利なキャンペーンといえます。

 グーグル広告などの有料検索広告のROIは算出が容易です。また、自身で設定した予算内でキーワードに即した広告を適切なタイミングで掲載することで、効率的にターゲット層にリーチでき、クリックしたときにだけ支払いが発生するクリック課金型(PPC)広告であるため、効率的な運用が行えます。

 ただし、当然クリックさせることが目的ではなくコンバージョン数を増やさなければ、キャンペーンを成功させたとはいえません。ROIの算出や運用開始は簡単ですが、より効果的な広告運用を継続するには、専門知識が必要になってきます。近年では機械学習を用いたアルゴリズムによる自動運用サービスも登場し始めています。

5.動画

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 ここ10年間で、デジタル領域に大量の動画コンテンツが誕生しました。消費者が他のどのビジュアル・メディアよりも動画が好む世界になったともいえるでしょう。最近の調査によると、オンライン・マーケティング担当者のうち、87%が何らかの動画コンテンツを使用していることがわかっています。

 多くのユーザーを要するユーチューブのようなプラットフォームに、説得力のあるコンテンツを投稿することで、自社サービスの深い理解を視聴者に促します。動画マーケティングにおいては、ストーリーテリングも大きなトレンドになりつつあります。自社サービスや製品についての説得力のあるストーリーを動画で作成し、顧客の課題をどうやって解決できるかをうまく表現すれば、顧客の心を掴めるでしょう。

 ポイントは、動画の尺をできるだけ短くすること。顧客は自分のことだけに興味があり、皆さんに興味があるわけではありません。注意を惹ける時間も当然短いため、説得力のあるフックを用いてストーリーをコンパクトに伝える必要があります。また、ブログのようなコンテンツ・マーケティングと同じく一貫性を保つことも重要です。動画コンテンツの運用は難しく、こうした質の側面において一貫性を保てなくなるケースがよく見受けられます。

 動画コンテンツは、インプレッション数、ビュー数、SNSへのシェア数、クリック数などによってROIを測定できます。動画コンテンツに関する各種統計数値は。こちらのサイトでもご覧いただけます。

6.メールマーケティング

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 メールマーケティングはデジタル・マーケティングの中で最も顧客に近い手法の1つといえます。個人のアドレスに対してメッセージを送るということは見込み客、潜在顧客が皆さんとコミュニケーションを取ることを同意している状態を意味するためです。

 顧客の許可を得ている限り、自身のサービスや製品に関してあらゆる情報をメールで送ることができます。デジタル・マーケティングにおいて顧客に許可を得るという高いハードルを越えるからこそとてつもない効果を発揮するのが、メールマーケティングといえます。

 近年実施されたDemand Metric and the Dataの調査によると、メールマーケティングのROIの中央値は122%で、この数値はソーシャルメディア、ダイレクトメール、有料検索などの調査対象のマーケティング手法の4倍以上の値になることがわかりました。

 メール経由の売上も年々増加しており、Relevancy Groupの調査によると2015年12月には米国のマーケティング担当者の24%が、メールマーケティング経由の売上げが全体の4分の1を占めていると述べており、2年前の2013年よりも13%上昇していることがわかっています。

 ダイレクトマーケティング協会(DMA)によると、メールマーケティングの平均ROIは1ドルの支出につき44ドルとなります。平均値ということは、それなりのメールマーケティングを行えばそれなりの収益を獲得できることを意味します。

 つまりメールマーケティングは投資であり、広告費用ではないということです。費用は支出で、投資とはお金を稼ぐもので、メールマーケティングは後者にあたります。メールマーケティングを成功させるTIPSは無数にあります。詳しくは当ブログのメールマーケティングカテゴリの記事をご覧ください。

7.リターゲティング広告

 リターゲティングとは、過去に皆さんのWebサイトを訪問したことのあるユーザーに対して関連性の高い広告を表示するマーケティング手段です。これは、Cookieを介して訪問者を追跡し、対象ユーザーが他のWebサイトにアクセスすると、リターゲティングプラットフォームに通知され、顧客にはWebサイトで訪問したページに基づいて関連広告が配信されます。

 効果的なリターゲティング広告を使用すれば、以前に商品やサービスに関心を示していた訪問者をコンバージョンまで導き、全体のコンバージョン率の向上が見込めます。リマーケティングは、コンバージョン数を増やすことがもちろん最重要な役割ですが、見込み客との関わりを深めたり、ブランドの認知度を高めることにも役立ちます。

8.マーケティング・オートメーション

 マーケティング・オートメーションは、多くのデジタル・マーケティング手法の重要な要素になりつつあります。世界中のビジネスのスタンダートになるので、一般的にそれについてもっと知ることが最優先事項になるはずです。

 とある調査によると、成功を収めている企業の91%がビジネスの成功のためには自動化がとても重要であると回答している点からも、今後ますますマーケティングオートメーションの浸透が進んでいくことが伺えます。

 マーケティングオートメーションを正しく活用するには、CRMプラットフォームが要になるでしょう。CRMのプラットフォームには既に顧客の連絡先情報があるため、それらに対してマーケティングコンテンツを自動化させることで、マーケティングチャネルを1か所に統合​​できます。自動化で最も重要なのは、訪問者や顧客の混乱を避けるためにすべてのチャネルで一貫性のあるコンテンツを作ることです。

まとめ

 デジタル・マーケティングにおける一般的な手法をご紹介しました。もしこれからマーケティング業務に携わる場合、今回ご紹介したすべての方法を一度に採用する必要はありません。こちらに記載した情報を参考に、どの方法がご自身のビジネスに最適かを先ずご判断ください。

 ただし、考えすぎて何もしないことは避けるべきで、最も重要なのは何でも良いので行動を起こすことです。周りにゼロから始めて運用をしている人がいらっしゃれば、そういった方とお話されるのことも良いでしょう。本記事が皆さんの行動の後押しになれば幸いです。

 最後までお読みいただきありがとうございました。

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