メール・メルマガ配信は今もマーケティングに欠かせない施策です。2016年の調査では、およそ8割以上の企業がメルマガ予算を増やすと回答しています。その予算の内訳の大部分をしめるのがメール配信システムの利用料です。今回はメール配信システムを使うメリットを、選定ポイントとともにご紹介します。
【目次】
メール配信システムとは、メールマガジンなどのEメールを用いたマーケティング・販促活動を効率化させるツール・システムを指します。一度に大量に送信することで読者に個別に送るよりも業務時間を短縮させたり、法やメールサーバのルールに乗っ取って適切な処理を行えたりできるのが大きな特徴です。
メール配信システムが果たす役割をさらに具体的にご紹介します。
|
上述の役割を果たすメール配信システムを選定する際、最初の判断は『クラウド』タイプか『オンプレミス』タイプのどちらにするかになります。それぞれどういった意味か、どういったメリットがあるかをご説明します。
『オンプレミス』は、利用する企業の環境にインストールするタイプです。つまり自社のサーバ、コンピュータ環境で利用できるシステムともいえます。
『オンプレミス』タイプのメール配信システムは、自分たちが実現したいシステムを導入できるケースが多いです。これは自社の要件を元にカスタマイズして導入するからです。これが何よりもメリットといえるでしょう。
『オンプレミス』タイプを導入することは、自社用のシステムを購入するようなものですので、初期費用が大きいがデメリットといえるでしょう。また導入時の要件に依存するため、導入後のサービス拡張などは高い頻度では行えません。従って、スマートフォンの浸透などの大きな市場の変化に対応できない可能性もあります。
『クラウド』タイプのメール配信システムの場合、利用者は配信システムを提供する会社の環境にログインして利用できます。
『クラウド』タイプのメール配信システムは、月単位や年単位などの一定期間の契約に基づいて設定された価格を支払って利用します。導入時に多額の費用がかかる『オンプレミス』タイプと比べると、この手軽さと低コストが何よりのメリットといえるでしょう。
またアップデートの頻度が高い為、市場の変化を反映した機能が実装されやすいといえます。
『クラウド』タイプは、自社の要望を全て叶えることが出来ない場合もあります。なぜなら予め決まった仕様に従って利用する必要があるためです。ただし、もちろん将来アップデートによって、欲しい機能が実装されるケースもあります。
メール配信システムは世界的に『クラウド』タイプのものが圧倒的に多いのが現状です。近年”サブスク”という言葉も浸透しつつありますが、メール配信システムも同様で、月額利用のシステムが主流になりつつあるといえるでしょう。
柔軟な料金体系・手軽なクラウド型メール配信システムで選ぶなら |
メール配信システムを活用するメリットをもう少し具体的に説明しましょう。メリットは大きく以下の3つに分けられます。
それぞれについて細かく説明していきます。
効果的なメール配信を行うには、事前にいくつかの準備が必要です。それらを効率化することもメール配信システムの役割です。
メルマガを送るには、読者リストが必要です。読者リストを募る方法として最も効果的で代表的な方法が、メルマガ希望者を募る専用のウェブフォームを用意することです。
フォーム作成ができれば良いだけではありません。メルマガ運用を行うにあたって、いくつか大事なポイントが存在します。中でも、アドレス入力間違いを防ぐ『ダブル・オプトイン方式』を使えるフォームを使用すること、スマホに対応していることはもはや必須といえるでしょう。
登録フォームで募ったメールアドレスの正しい管理もメルマガ運用において欠かせません。まずは高いセキュリティ環境で管理すること。個人情報の漏洩は絶対に避けなければなりません。
また、名前や性別、住所などの情報を、メール配信を前提とした管理が行える点もメール配信システムを利用するメリットといえます。
続いてメール配信を行う際のメリットです。メール配信システムの効果はこの場面で最も発揮されます。
アウトルックなどの一般的なメールクライアントの送信サーバは、複数への一斉配信を想定した仕様ではないため、メルマガ配信に利用するには限界があります。当然CCやBCCで送ることも個人情報管理の観点から避けるべきです。
一方でメール配信システムは、一斉配信を前提としたメールサーバを搭載しています。よって最も大きなメリットを享受できるのがこの一斉配信ができる点といえます。
前項とも重複しますが、メール配信システムは一斉配信を前提とした作りであるため、多くのサービスにおいて大量のメール配信を速やかに処理できるスペックを持っています。これにより一斉に送ったものの、読者によって届くタイミングが1〜2時間異なってしまうといった事象が発生しなくなります。この配信速度は、期間限定のキャンペーンや緊急告知のようなシーンで特に欠かせない要素になるでしょう。
スマートフォンが広く普及し、誰もがリッチなコンテンツを受け取れる環境となった2014年以降、HTMLメールでのメルマガ配信は、その効果を左右する重要な要素になりました。
よって、一般的なウェブのHTMLと異なる仕様のHTMLメールをノーコードで簡単に作成できる点も、メール配信システム利用の大きなメリットとして近年重視されています。
ノーコードで高品質なHTMLメールを作成可能! |
配信したメールは、絶対に読者に届くわけではありません。受取側のサーバやISP(インターネット・サービス・プロバイダ)のルールに準拠してなければ、はじかれてしまいます。読者にきちんと届けるためには、メール本文を暗号化したり、送信元アドレス(ドメイン)が実在することを証明したり、適切なサイズで作成したりと、細かい点をクリアしなければなりません。これらのポイントをきちんとチェックしてくれるメール配信システムを利用すれば、高い到達率や受信率を実現できます。
近年、多くの調査においてマーケティング担当者がメール配信において「セグメント配信」を最も重視していると回答しています。メール配信システムを用いることで、性別や住所はもちろん、行動履歴や興味関心ごと別にコンテンツを分けて配信が可能になります。
情報が大量に溢れた現代において、無関係なコンテンツを送ることはブランド力やエンゲージメントの低下をもたらします。読者とコンテンツの関連性は今後より重要な要素となるでしょう。
HTMLメールは効果の面において重要ですが、それらを全ての読者が受け取れるわけではありません。特にガラケーの長い歴史を持つ日本では携帯キャリアアドレスへの配慮もしばらく重視しなければならないでしょう。
メール配信システムによっては、テキスト形式のみしか受信できない環境の読者にはテキストメールを送る『マルチパート配信』や、携帯キャリアアドレスへも最適なコンテンツを出し分ける機能を搭載しているため、こうした問題をシンプルに解決してくれます。
最後のメリットです。配信して終わりではないのがメール配信です。運用をし続けるという観点で考えると、メール配信後もメール配信システムは大きな効果を発揮します。
前述のとおり、メルマガは全員に必ず届くわけではありません。様々な理由で不達の状態が発生します。中でも「存在しないアドレスへの送信」は、必ず把握して適切な処理を行わなければなりません。この行為を続けるとスパム配信とみなされてしまうケースがあるからです。
メール配信システムを利用すると、こうした存在しないアドレスを自動的に排除し、常に読者リストをクリーンな状態に保つことができます。もちろんその他様々な要因によるエラーも把握できます。
他のキャンペーン同様に、メルマガも実施後の効果検証は欠かせません。他の施策と比較して費用対効果に見合っているか、より高い効果を出すにはどうすべきか。メール配信シスッテムによっては、これらを可視化する分析機能を搭載しています。
開封率、文中のリンクのクリック率、商品購入などの目的に至ったかを図るコンバージョン率をはじめ、関連性のあるコンテンツを送信できたかを図る配信停止率などメルマガ独自の指標も存在します。過去の推移と比較して、より良いキャンペーンを展開するためにメール配信システムの分析機能はしっかりと活用しましょう。
他のキャンペーンとメルマガ施策の最も大きな違いは、読者ごとにアクション履歴を保持できる点といえます。これが他の施策よりも費用対効果が高いと言われる所以です。
誰が、いつ、何回開封・クリックしたのか。こうした情報を蓄積することで『◯回以上開封・クリックしたことのある東京都の20歳以下』といったターゲティング配信を次回行えるようになります。配信履歴はメールマーケティングにおける大事な資産です。うまく活用できるメール配信システムを採用しましょう。
メルマガ配信におけるブラックリストとは「配信してはいけないアドレスリスト」を指します。主に、配信停止(オプトアウト)を自ら希望したアドレス、企業が配信すべきでないと判断したアドレス、そして存在しないアドレスの3パターンが存在します。
この情報は極めてセンシティブなものなので、正確かつシンプルに、そして高いセキュリティ下で管理しなければなりません。メール配信システムを用いれば、容易に管理できるようになります。
メール配信システムのメリットや役割はご理解いただけたでしょうか。続いて、実際にメール配信システムを選定する前に確認しておいた方が良いポイントをご紹介します。
どのメール配信システムが自社に最適かを決める前に、以下のような点をまとめておくと良いでしょう。
|
メールマガジンの送付対象となるメールアドレスの数が将来的にどのくらい増えるか。余裕があればこの点も確認しておきましょう。なぜならメールアドレスの数は、月額利用料に大きく関わるからです。
送り放題で安価に利用できる定額制のメール配信システムも、実は大規模なアドレス数に対しては制限をかけているケースもあります。その場合に従量制課金が利用できるかなども長期的には大事な視点となります。
自社の現状ややりたいことを整理できたら、メール配信システムの選定に進みます。これまでご紹介した内容を踏まえて、自社の利用に最適なものを選びましょう。
Gmailやアウトルックなどのメールクライアントが、皆さんが送ったメールマガジンを迷惑メール扱いしてしまうと、機会損失につながりますし、ブランドの印象も損なってしまいます。メール配信システムは、こうした事象を防ぐようなシステムを構築しています。具体的には以下のような点を確認してみましょう。
|
メール配信システムに限らずクラウドサービスの導入は業務効率化が大きな目的のひとつですが、メールから得られる売上に着目しすぎるあまり、より安価なものを優先してしまうケースをよく見ます。特に決裁者の判断はコストパフォーマンスに着目しがちですが、安価なシステムであっても日々の作業にとてつもない時間が掛かってしまっては、人的リソースを損なってしまいます。選定時には必ず現場スタッフの使用感も重視すべきといえます。
具体的には以下のような点を確認してみましょう。
|
皆さんが保有するデータベースなどとメール配信システムを連携させることで、メール配信業務はより一層効率化します。API(アプリケーション・プログラミング・インターフェイス)を用いればこうしたことも容易に行えるため、膨大なデータを持っている場合はこの点も選定の要素として考えておきましょう。
|
オートメールやステップメールは、読者の状況に応じて自動的に送信されるメールです。これらはルーティン業務を自動化してくれるだけでなく、読者の状況に最適なコンテンツを送ることができるため、一斉配信よりも高い開封率やクリック率が見込めます。
効果的なメール配信を行うためには、ターゲティングは欠かせません。顧客リストに対してこうした機能が使えるかは大きなポイントとなるでしょう。
そして、顧客リストそのものも常に最新の状態にしておきたいところ。API連携をせずとも簡単にリストのメンテナンスが行えるかもチェックしましょう。
|
ある米国の調査によると、2010年から2015年にかけてモバイル端末(スマートフォン)でのメール開封の割合は30%増加したことがわかっており、もはや現在においてスマートフォンへの対応は必須といえます。
そして複数のデバイスをまたいでメールを閲覧する読者は40%に及ぶという結果もでています。つまりモバイルのみ最適化するのではなく、あらゆるデバイスで閲覧することを想定したメールマガジンを作り、そして配信する必要があります。
|
メール配信は送っておしまいではありません。一度配信したら続けなければなりませんし、効果も改善し続ける必要があります。
メール配信システムにおける分析機能は、次のメルマガを改善する重要な機能といえます。分析機能は豊富か、見やすいか、理解しやすいかどうかを確認しましょう。
|
やりたいことによって、配信システムを使う人数は増えるでしょうし、それぞれ役割も異なるはずです。また、充実した機能や安価であっても「配信速度が遅い」などの問題を抱えるケースもよく見受けられます。自社の要望と合わせてインフラ周りのスペックも確認しましょう。
|
ソフトウェアは実際に運用してみないとわからない点が多いものです。そうしたときに専任のサポートセンターなどがあれば心強いですよね。特に社内で専門的な知識を有する方がいないのであればサポートの有無は、運用に大きく響くポイントになるでしょう。
|
メール配信システム選定には、高いセキュリティ性は欠かせません。堅牢なインフラ、第三者の認証などによってそのレベルを見極めましょう。
|
メール配信システムは、コストパフォーマンスのみで判断するだけでなく「業務効率化に貢献するか」の観点も忘れてはいけません。前述の通り実務担当者の使用感と要件とのマッチング、将来性も加味してそれぞれのメール配信システムの価格を総合的に判断しましょう。
|
メール配信システムの選定ポイントをおおまかに説明しました。ここからは、これらのポイントの優先順位をご説明します。
上述の選定のポイントは大きく5つに分けて考えられます。この区分はクラウド・SaaS型サービスに共通する構成要素です。
|
こうしたクラウド・SaaS型サービスを構成する要素を、マズローの欲求5段階説になぞらえて説明されるケースがあります。
マズローの欲求5段階説とは 人間の欲求は、5段階のピラミッドのような階層的なレベルとして構成されているとする心理学における動機づけの理論です。より高い欲求を満たすには、下位階層の欲求を先に満たす必要があるとされ、 階層は下から、生理的、安全、愛と帰属、尊敬、自己実現に分けられます。 ![]() |
つまりクラウドサービスの需要5段階とは、この理論をクラウドサービスに当てはめ、下位の階層の要件を満たしていないと、上位の階層は実現できないという考え方です。もちろん提唱者ごとにそれぞれのパターンが存在しますが、選定という視点では下記の区分けが理にかなっていると感じました。
一段階ずつ、メール配信システムを前提に、チェックすべきポイントを説明します。
そのメール配信システムが採用しているデータセンターやネットワークのセキュリティ性は高いでしょうか。自社のセキュリティ担当者にご確認いただくのも良いでしょう。
操作における権限の棲み分け、操作ログや管理画面の操作制限など、安全に運用できる環境や機能があるかを確認しましょう。メール配信システムにおいては厳格な利用規約で運用されているかも重要です。
また当社のようなサービス提供元が、プライバシーマークやISMSといった規格を保有しているかも大きなポイントです。
どういった企業が利用しているか、継続率はどのくらいか、第三者機関からの表彰実績はあるかなどが該当します。例えば当社であれば、継続率99%、ASPICクラウドアワード4年連続受賞、成長率1位などが該当します。
知人、もしくは比較サイトやサービスサイトで実際のユーザーの声を調査する、またグーグルでサービス名・社名+”評判”と検索すれば、どういった評価をされているかを判断できます。
これまでの四段階を問題ないとご判断されれば、必要な機能があるかを確認します。無料トライアルやデモンストレーションで、実際にご自身やオペレーションご担当者様が操作しながらチェックされることをお勧めします。
メール配信システムを正しく活用すれば多くのメリットを得ることができ、高い費用対効果を実感できます。そのためには「何がしたいか」を定義するとともに、セキュリティ性や実績とともに選定されることをお勧めします。
当社のメール配信システム『WiLL Mail』は、今回ご紹介した要素を全て網羅しています。無料で試せるトライアルアカウントもご用意していますので、ご興味があれば是非ご相談ください。
柔軟な料金体系・手軽なクラウド型メール配信システムで選ぶなら |
最後までお読みいただきありがとうございました。