マーケティングファネルとは? 初心者にもわかりやすく徹底解説

マーケティングファネルとは? 初心者にもわかりやすく徹底解説

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こんにちは、WiLL Cloudマーケティング事業部です。見込み客の状況に応じて最適なコンテンツを案内することは、顧客獲得には欠かせませんよね。コンテンツ作成の前にマーケティングファネルの仕組みを理解すれば、より効果的な施策を行うことができます。今回はマーケティングファネルの基本的な考え方とどういったコンテンツが最適かをご紹介します。

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マーケティングファネルとは?

マーケティングファネル

 マーケティングファネルとは、見込み顧客を引き付けて、自社の顧客に変えるように設計されたモデルを指します。以下のように漏斗(ファネル)の形をしているため、マーケティングファネルと呼ばれています。

 なぜこうしたファネル型のモデルが用いられるかというと、ファネルの各段階に進むたびに見込み客が「脱落」する傾向があるためです。

 例えば、みなさんがワイヤレス・イヤホンを販売するEC事業者だとします。そして、有線のイヤホンによって断線で使用できなくなったり、コードのもつれに苛立っているユーザーが100人いるとします。彼らは、こうした問題に対する解決策を探すためにグーグルで検索するでしょう。

 一つ目の段階でECサイトがGoogleで「ワイヤレス・イヤホン」で上位に掲載されていたため、そのうち40人がクリックして自社サイトに訪問。そして2つ目の段階で自社のウェブサイト上で、訪問者からメールアドレスに登録してもらう代わりに20%の割引クーポンを提供し、訪問者のうち20人がメール登録。3つ目の段階としてその中の10人がクーポンを使用してECサイトでワイヤレス・イヤホンを購入。

 このように、100人 – > 40人 – > 20人 – > 10人と、見込み客は各ファネルの段階で脱落していくため、上部(問題の気づきの段階)の人数は下部(購入決定の段階)の人数よりも多いのです。

ファネルの考えを取り入れるメリット

 上述の例はシンプル過ぎるように思われるかもしれませんが、こうしたファネルの考え方に沿って初めて施策を始める場合、複雑過ぎる設定は避けるべきです。この場合、もしこうなったらといった条件の掛け合わせを行えば行うほど、その分の準備が必要になり、その業務量に圧倒されてしまうためです。

 基本的なマーケティングファネルをきちんと作ることで、テレアポもグロースハックも必要とせず売上に貢献した事例はいくつもあります。したがって、ファネルは基本的でシンプルなものから設定すべきといえます。

 ただし、ファネル定義の前に最も重要なことがあります。それは、優れた商品やサービスがない、もしくは購入する消費者がいない市場の場合、マーケティングファネルで効果の最大化は望めないということ。先ず市場のニーズに合う製品を見つけることにリソースを集中させるべきです。

マーケティングファネルが重要な理由

 それでは、なぜマーケティングファネルの考え方が重要なのでしょうか?その大きな理由の一つは、ファネル内のどのステージに問題があるかを特定して、適切な対応策を講じる必要があるためです。

 もしあるステージに問題があった場合、ステージを通過せずにファネルの外へ漏れ出てしまう見込み客や顧客の数が異常に大きくなってしまう可能性があります。そうなれば、成約率や顧客定着率も大幅に減少する結果になるでしょう。

 ウェブサイトのアクセス解析や、CRMに蓄積されたデータを基に、各ステージで重要となるファネル指標(訪問数、クリック率、CV率など)を分析することによって、見込み客や顧客がどこで離脱しているのか、その原因や課題を発見しやすくなります。

B2BとB2Cのマーケティングファネルの違い

 マーケティングファネルは、B2BとB2Cのビジネス形式の違いによっても違いが生じます。

提供コンテンツの違い

 BtoBのマーケティングファネルでは、製品・サービスの機能や費用対効果を比較検討するためのコンテンツが求められ、営業担当者による専門的な説明や資料提供に重点が置かれます。B2Cのマーケティングファネルでは、キャンペーン、広告、口コミなど、消費者の感情、評価、エンターテインメントに重点が置かれる傾向にあります。

購入決定の複雑さ

 BtoBのマーケティングファネルでは、一般的に購入までに複数の人間が関与し、購入決定までのプロセスが複雑になります。一方、BtoCのマーケティングファネルでは、1人またはその家族や友人など少人数の人間が関与し、購入決定までのプロセスは比較的単純になります。

購入サイクルの長さ

 BtoBのマーケティングファネルでは、新規購入からの買い替えや乗り換えまでのサイクルが長くなる傾向にあるのに対し、BtoCのマーケティングファネルでは、そのサイクルが比較的短くなる傾向があります。

 上記のような違いを意識しながら、B2BとB2Cのマーケティングファネルを最適化し、必要なコンテンツやアプローチ方法などを検討することが重要になります。

マーケティングファネルの詳細

 上記で説明した基本的なファネルの形は、昔から変わらず今もマーケティングにおいて活用されています。企業と消費者は、オンラインとオフラインの両方でとても多くのやりとりを行いますが、消費者が経由するステージは基本的に同じです。改めて図をご紹介します。

マーケティングファネル

 ファネルの各ステージはいずれも重要な役割を果たします。企業や書籍などによって各ステージの名称は若干異なりますが、いずれにせよ購入まで至るカスタマージャーニーにおいて、消費者は最初の3つのステージを必ず通過します。残りの2つステージ、ロイヤルティとアドボカシーに関しては、あらゆる可能な顧客が購買サイクルのこれらの段階に到達することを望みます。

当社が提供するWiLL Mailには、こうしたファネルに応じたコンテンツを条件をもとに自動配信できるステップメール機能を搭載しています。WiLL Mailのステップメール機能の詳細はこちら»

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段階1:課題/ニーズの認識

 当然のことながら、解決しないといけない課題があることを自認していない場合、解決策になるものを購入しようとは思いません。とはいえ世の中にはあらゆるニーズがあることは明白で、世の中には簡単に解決できる問題から、明確な解決策のない問題まで多岐にわたります。

 エアコンが真夏に完全に故障したら、課題は明白です。皆さんは新しいエアコンが必要になります。この場合解決策も簡単で、家電量販店に行って最適なエアコンを見つければ良いだけです。しかし、もし新しい車が必要だと感じた場合、少し複雑になります。中古か新車か、国産か外国車か、SUVかセダンか。消費者によって家族構成や用途も多岐にわたり、さらに自身の指向性も踏まえて選ばなければなりません。

 当社が提供するようなクラウドサービスにおいては、より複雑な選択肢や検討事項が存在します。どういったことを実現したいか、部署全体で優先すべきニーズは何かなど、組織としての意思決定が関わってきます。

 このように、扱う製品やサービスの種類が異なると、当然問題/ニーズの認識段階で、消費者のニーズも異なりますが、いずれの場合においても、課題を発見した時の感情はとても重要です。こうした感情を抱くことで、自社サービスや製品の検討の入り口に参加してくれる状態になるためです。

段階2:情報検索/比較検討

 課題や自身のニーズを認識することは、より多くの情報検索を引き起こすステップになります。必要に応じて、検索とは以下を含む多くの異なる形式をとることができます。

  • オンラインで関連商品のレビューを読む
  • 友達におすすめを尋ねる
  • 実物や実演を見るために店を訪問する
  • オンラインで別の選択肢を検索する

 Pardotによると、 購入者の70%が検索中に少なくとも2〜3回Googleにアクセスして、ビジネス、問題、解決策などについて調べています。たとえば、この段階における見込み客は、商品そのものの情報だけでなく、自身の課題を解決する本質的なコンテンツに最も関心を持っています。

 コンテンツを用意する側は、先ずはどのような種類のコンテンツを作成する必要があるのか​​を特定するためにキーワード調査を行います。そして大量のトラフィックを獲得しているニッチな検索ワードを見つけ、それらのキーワードのバリエーションに基づいてコンテンツを作成することが第一歩となります。

 また、自社でマーケティングに関するサービス・製品を提供している場合、SEO、Facebook広告など、顧客が欲しているあらゆる戦略に関するコンテンツを用意しておくことで、より多くの見込み客に接触する機会を増やせます。

 情報検索によって自社サイトにたどり着いた見込み客は、同時に別の選択肢も比較し始めるでしょう。この段階で費やされる時間は、購入するサービス・製品の種類によって異なります。当然、意思決定を下す人が別にいる場合、多数の合意を得る必要がある場合、より多くの時間が必要となります。

段階3:購入決定(コンバージョン)

 購入の意思決定へは、前の2つステージから導き出された結論として進みます。解決すべき問題を抱えていると判断し、どうやって解決するかを調査し、どれがあなたにとって最適であるかを比較し、そして購入を決定します。

 このステージでは、作成する必要があるコンテンツは、購入する決定が正しい決定であることを購入者が自信を持って感じるのに役立つ内容のものです。たとえば、以前の顧客が成功した事例や、新規顧客が期待できることを紹介するケーススタディ的なコンテンツです。この際に、顧客のプロフィールや属性を反映した、様々なケーススタディを用意しておくことも重要です。

段階4:ロイヤリティ

 目標:購読者に役立つコンテンツと素晴らしいサービスを喜ばせることで、顧客を長期的に維持し、ロイヤルティを持ってもらうためのステージです。顧客が有益だと感じられる情報を提供して、ファン化を促します。つまり、購入決定後に顧客とのやりとりを停めてはなりません。

 見込み客が顧客になると、次の見込み客への対応に移行したくなるかもしれませんが、新規顧客を放置することは避けるべきです。顧客ロイヤルティを高めるための計画を持っていないと、結果的にファネルの上部のステージ行ったマーケティング活動の多くを無駄にして、多くの顧客を失うことに繋がります。リピーターや、長年の顧客はとても高い価値があるです。

段階5:アドボカシー

 このステージにおける目標は、自社サービスや製品、会社について友人や家族に話したり、紹介してくれるようなファンに既存顧客を変えることです。そのために皆さんは、全ステージにおいてロイヤルティを高めて顧客と長期的に繋がっている必要があり、素晴らしいコンテンツとサービスであなたの顧客を喜ばせ続け、フィードバックを集める必要があります。

 顧客が顧客以上の存在になったとき、アドボカシー(擁護)のステージに到達したことを意味します。顧客と良い関係性を築き続ければ、彼らは皆さんのファンになります。ロイヤルティが高まった顧客は以前に自社サービスを購入しただけでなく、再度購入するか、購入を継続し続けるでしょう。そして、皆さんのサービスや皆さん自身に愛着をもってくれます。彼らは皆さんのことを友達や家族に話し、ソーシャルメディアで自慢してくれます。

 マーケティングファネルのこのステージに顧客を連れてくることは非常に貴重です。なぜなら、最も効果的なマーケティングはバイラル・マーケティングだからです。皆さんの周りの友達が特定の製品をお勧めした場合、皆さんは友人を信頼しているので、その製品を購入する可能性がかなり高まります。

ファネルに必要なコンテンツ

 消費者がどのような流れで意思決定を下していくかを説明しました。こうしたマーケティングファネルの各ステージでは、次の問いに応える必要があります。

  • このステージの顧客はどのように自分たちを見つけるか
  • あるステージから次のステージへ移行するためには、どのような情報/コンテンツを提供する必要があるだろうか
  • 見込み客があるステージから別のステージに移動したかどうかをどうやって判断すれば良いか

 ここからは、こうした問いに対し具体的な解決策となるコンテンツを各ステージごとにご紹介します。

段階1:気づき

 仮にフィットネスクラブを運営しており、ウェブで顧客を獲得しようとしているとします。潜在層にリーチするため、そしてそこからメルマガ登録をさせて、購読者の興味喚起を育むことができるコンテンツのアイデアをいくつか示します。

  • 健康、体質改善に関するブログ記事
  • 健康であることの利点を説明するEブック(ホワイトペーパー)
  • 30分のトレーニング・ウェブセミナー

 フィットネスの第一人者Betty Rockerは、メルマガ購読へ誘導して関係性を構築し、専門知識を示し、購読者に30日間の無料エクササイズプログラムを提供することでサービスの価値を実証しています。

段階2:情報検索/比較検討

 この段階では、見込み客は認識ステージよりも皆さんのことを知っている状態なので、彼らの特定の問題点に対処する点に絞ったコンテンツや具体的なソリューションを届けるべきです。

 検討段階で購読者に届けるコンテンツの種類は利用者の事例も最適といえるでしょう。フィットネスクラブへの加入を検討している場合は、フィットネスクラブのプログラムを体験済みの顧客の体験談(成功体験)などのコンテンツを紹介すべきでしょう。こうしたケーススタディは、購読者の興味(フィットネス)に関連し、そのサービスの価値を示しながら購読者にサービス自体を自然に紹介できるため、検討段階に適切なコンテンツです。

段階3:購入決定(コンバージョン)

 見込み客にとって決断のタイミングです。ケーススタディ、ウェビナー、ブログ投稿などのコンテンツを通じて、皆さんのサービスの価値を理解できるように育成したら、彼らは購入するかどうかを決める準備ができています。

 マーケティングファネルのこの時点で、自社の製品やサービスが他の競合他社より優れている理由、そしてそれがなぜ見込み客に最適であるかについても説明します。つまり単に機能を説明するのではなく、製品/サービスの利点に焦点を当てます。

 購読者に購入を説得するために使用できるいくつかの戦略があります。

  • 見込み客が、実際に自分の課題を解決できるかをためすために、無料トライアルを提供する
  • 見込み客に、一定期間内の購入・利用に対して割引を適用する旨を案内する

 メールなどを用いて、割引やお得な情報を提供することで、加入者に緊急性をもたらします。購読者が購入に興味を持っていても、まだ最後の一歩を踏み出していない場合、こうした案内は、いま行動を起こすのに最適な時期であると彼らに納得させることができます。

段階4:ロイヤリティ

 晴れて顧客となった方々とは、どういった種類のコンテンツによって、ロイヤルティと保持力を高めることができるでしょうか。

 今月フィットネスクラブに加入してくれた顧客が興味を失って、継続利用のキャンセルを防ぐためのコンテンツを用意する必要があります。こうした継続期間を延ばすためにメールマガジンを用いて貴重なコンテンツのアイデアをいくつか紹介します。

  • 健康維持の重要性を説明する毎月15分のウェビナー
  • プログラムにどれだけ満足しているか、他にどのような種類のプログラムに参加したいかを尋ねる調査
  • 年間契約による20パーセント割引価格の提示

段階5:アドボカシー

 ロイヤルティの高い顧客や継続利用をしてくれる顧客を自社のファンに変えるために、以下のようなコンテンツが利用される場合があります。

  • ファンになってくれている顧客を特定し、彼らの知人・友人に自社サービスを紹介するように依頼する
  • 自社製品/サービスをどのように改善することができるかについて学ぶためのアンケートを実施する
  • 自社サービスを紹介することで、顧客がインセンティブを得られるアフィリエイト・プログラムまたはロイヤルティ・プログラムを実施する

 こうした機会を通じて自社の顧客の声に耳を傾ければ傾けるほど、多くのことを学べます。そこで得た声によって、コンテンツやサービス全般を改善することができます。

 チョコレート・メーカーの最大手ゴディバの場合は、自身が展開する『チョコレート・リワード・クラブ』の会員に対して特別感を与えるために、メルマガを通じて割引価格を提示します。

 このゴディバのメールのマーケティングには2つの価値があります。まず会員限定の提示によって、顧客を喜ばせることができる価値。そしてもうひとつは、一日限定のオファーを提供することによって、直ちに購入するように強いる緊急性の感覚を作り出す価値です。

 このように、マーケティングファネルを念頭に置いたコンテンツはメールでの案内が効果的で事例もいくつも存在します。気づきのステージでメールマガジンの読者に導き、より多くの見込み客を顧客に、より多くの顧客をファンに変えることができます。

マーケティングファネルの指標

 マーケティングファネルの各ステージでは、次の問いに応える必要があります。

  • このステージの顧客はどのように自分たちを見つけるか
  • あるステージから次のステージへ移行するためには、どのような情報/コンテンツを提供する必要があるだろうか
  • 見込み客があるステージから別のステージに移動したかどうかをどうやって判断すれば良いか

 すべてのマーケティングファネルのステージにおいては、すべてのユーザーが次のステージに進むわけではありません。興味のない人もいますし、決して買わない人もいます。したがって、ある程度の「漏れ」は正常ですが、それが異常に大きい場合は注意が必要です。

 正常かどうかを測定するためには、以下のように各ステージで指標を決めておく必要があります。

  • 気づき:サイトにアクセスした訪問者数
  • 興味/検討:メーリングリストに登録している人の数/メールのクリック率
  • 購入決定:自社製品サービスを購入した人数

 こうした数値を月ごとに比較し、急激な数字の減少がないかなどをチェックしましょう。

まとめ

 この記事では、マーケティングファネルとは何か、またそれらがどのように機能するのかをおおまかに説明しました。

 まだマーケティングファネルをお持ちでない場合は、ぜひお試しください。基本的な例から初めて、簡単な目標到達プロセスを作成し、見込み客の課題解決のヒントを提示し、成長の機会を見極めることに集中します。

 その後は、ロイヤルティやアドボカシーのようなステージを経て、従来の目標到達プロセスを超えて拡大することを検討します。新しい顧客の獲得だけでなく、既存顧客にファンになってもらい継続利用を促し、既存顧客の友達・知人へも紹介してもらえるような施策も実施していきましょう。

 私たちもこうしたブログや自社のメルマガを用いて試行錯誤を続けています。当社が提供するWiLL Mailも、各ステージのコンテンツを見込み客や既存客に案内するのにお役立ちいただけます。無料トライアルもご用意していますので、ぜひご検討ください。

 最後までお読みいただきありがとうございました。

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