Eメールは、最も古いデジタルメディアです。2010年代後半以降のソーシャルメディアの興隆によって、Eメールは役割を終えるのではないかという見方もありましたが、まだまだ利用者数は増えており、マーケティングにおいても引き続き欠かせない役割を担っています。むしろ、他のテクノロジーやメディアと共に常に進化を遂げているともいえます。そこで今回は、メルマガ配信のメリットのおさらいも踏まえつつ、近年のトレンドを抑えることが出来る10個の調査結果をまとめてみました。皆さまのマーケティング活動にぜひお役立てください。
【目次】
メルマガ配信経由での自社ウェブサイト訪問者は、ソーシャルメディア経由の訪問者の3倍コンテンツを共有する可能性が高いことが、QuickSproutの調査結果から分かっています。ただし、この数値の背景には「読者が一番関心のあるコンテンツをメルマガ配信する」という手法があることを忘れてはいけません。きちんとセグメント化して配信すれば、メルマガ読者は皆さんが直接語り掛けているように感じられ、開封率、クリック率、売上だけでなく、自分のSNSにコンテンツを共有しやすくもなるのです。
マーケティング・ソフトウェア会社Monetate社は「メルマガ配信経由の商品購入率は4.24%で、他のチャネルよりも多い」ことを2012年に確認しています。検索エンジンの訪問者の場合は2.49%、ソーシャルメディアの場合は0.59%ですから、メルマガ効果の大きさを実感できます。オンライン広告や印刷と比べて簡単で安価に行えるうえに効果も他よりも高いのが、メルマガ配信を行うべき一番の理由と言えるでしょう。さらに同調査では「見込み客と繋がる方法としてもメルマガに注目すべき」とも示唆しています。
米国のマーケティング企業ASCEND2社は2017年に『メルマガ配信において最も効果的な戦略は何か』と題して、企業のマーケティング担当者にアンケートを募りました。その調査の結果、最も多かった回答率は『セグメント配信(51%)』、『個別のメッセージ(50%)』、『行動をトリガーにしたメルマガ(45%)』の順となりました。 同じ目的で行われた他の調査で多かった回答も『読者に関連性の高い魅力的なコンテンツを作成する(80%)』、『メルマガをパーソナライズする(72%)』、『メルマガリストのセグメント化(61%)』となっています。 これまでもリストのセグメンテーションは行われていましたが、これらの最近の調査から「より優れたセグメント化」と「ターゲティング」が担当者にとって高い優先事項になっていることが伺えます。
消費者の70%は、自分に無関係なコンテンツが届いたときに不満を感じるという結果が、2014年に実施したHubSpotの調査によってわかっています。インターネットの普及により、私たちはたくさんの情報にアクセスできるようになり、「購入前に自分で調べる」というアクションを覚えました。メーカーからただ提供されるだけではなく、価値のあるものを能動的に探すようになったのです。 そして現在、SNS/ブログ/広告などに蓄積・可視化されるようになった自分たちの興味関心のデータをきちんと理解して欲しいと思うようになったと推測されます。
2011年から2014年にかけての3年間で、携帯端末での開封率は180%も増加しています(キャンペーンモニター社調査)。そして2016年2月には、携帯端末で開かれたメルマガは全体の55%を占め、過去最高の割合になりました(Litmus社調査)。 既にお伝えしたメルマガが他チャネルよりも売上に貢献していることや、日本と英国ではEコマース売上の大部分をモバイルデバイスが占めていること(Criteo社調査)を考慮すると、モバイルに最適化したメルマガ配信は必須対応であると言えるでしょう。
新規顧客を獲得を行う際、メルマガ配信はソーシャルメディアよりもはるかに効果的な方法です。FacebookとTwitterの合計の約40倍にもなるというマッキンゼーが2012年に実施した調査結果があります。もちろんこれは「SNSは無視してもよい」ということではなく「他のチャネルの価値が高まってもメルマガ配信の価値は衰えてはいない」ということを示唆していると捉えるべきでしょう。
売り込みメールを送ってしまうとメルマガ読者を怒らせてしまうと考える方もいらっしゃるかもしれませんが、ExactTargetの調査では、消費者は宣伝用のメッセージをメルマガで受け取ることを完全に容認してくれることがわかります。66%の消費者は、受信したメルマガのメッセージを経由して商品やサービスを購入したと述べています。 一方で、Facebookのプロモーションの場合は、わずか20%のユーザーしか購入に至っていません。Twitterに関してはわずか6%のユーザーのみという結果になりました。ソーシャルメディアを通じて宣伝メッセージを送信することは、消費者に受け入れられていないように見受けられます。
DMA社の2015年に実施した調査(※)によると、メルマガ担当者の26%が、メルマガ配信の目的は「売上を加速させること」と回答しています。次いで22%が「エンゲージメント」、16%が「新規顧客の獲得」と回答しました。
メルマガ配信目的の回答数ランキング(DMA社調査 2015年) |
メルマガ配信における「エンゲージメント」とは「開封」「クリック」「配信停止」「エラー率」などのメール独自の数値によって、顧客との関係性を可視化することを指します。 (※ 詳しい内容がPDFとしてこちらにアップされています。)
「パーソナライズされたメルマガ経由の収益はそうでないものと比べると760%も増加する」とDMA社の調査結果は示しています。「パーソナライズ」とは、メルマガが自分自身のために届いたと実感できるようなコンテンツを送ることを指します。「名前を件名に差し込む」というのが先ず第一歩になります。
このパーソナライズをより効果的に行うためには、①購入履歴・活動履歴、属性情報によるリストをセグメント化する。②セグメントごとに最適化されたコンテンツを配信する。③それらを自動配信することが推奨されています。
最後にCampaing Monior社の2014年の調査結果のご紹介です。メルマガ文中のリンクをテキストリンクからボタンに変えることで、コンバージョンが28%増えることが分かっています。これはすぐに適用できますね。
『パーミッション・マーケティング』という言葉をご存知でしょうか。これはマーケティングに関するいくつもの書籍の著者として知られるセス・ゴーディンが提唱した概念で、「何かを入手したい人に対して、個人的かつ関連性のあるメッセージを伝えるマーケティング手法のこと」を指します。『パーミッション・マーケティング』の一番の強みは、マーケティングであることを無視してもらえる点にあります。敬意を持って顧客・見込み客をおもてなしすることで、より彼らの注意を惹くことが出来るのです。 メルマガ配信は古くからこの『パーミッション・マーケティング』の代表的ツールとして知られており、だからこそ他のチャネルよりも売り込みを受け入れられ、売上に貢献し、シェアしてもらえるのです。そしてスマートフォンとSNS(の中で利用されるアドテク、ビッグ・データによるレコメンデーション)が台頭した10年代以降は、きちんとセグメンテーションを行うことも重要になりつつあると言えます。こういった特性をきちんと把握してうまく活用したいですね。 最後までお読みいただきありがとうございました。
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