メルマガの到達率とは? 改善するための6つのポイント

 メルマガ配信にとって最も大事なことは、きちんと相手に届くことですよね。この「メルマガが相手に届く」という言葉には『到達率』と『配信成功率』という2つの定義が含まれます。今回はそれぞれの定義の違いと、どうすれば『到達率』が向上するかをご紹介します。皆さんのメルマガ運用の参考になれば幸いです。

メルマガ配信の『到達率』とは

deliverability

『到達率』は受信ボックスに届いた率

 『到達率』とは、送信したメルマガがどのくらい受信ボックスに届いたかを表す指標です。Googleなどのインターネット・サービス・プロバイダ(以下ISP)にブロックされたり、迷惑メールフォルダに入ったりした場合、この数値が下がります。

『配信成功率』は配信失敗しなかった率

 『配信成功率』とは、送信したメルマガがどのくらい配信に成功したかを表す指標です。「ドメイン拒否をしている」「受信ボックスがいっぱい」といった原因によって、メールを受け取れなかった場合、この数値が下がる要因になります。

 『配信成功率』と『到達率』の違いは次のように考えれば理解しやすいでしょう。

  • 配信成功率:読者がメルマガを受信できるかどうか
  • 到達率  :メルマガが受診ボックスに届くかどうか

 メール配信システムのサービスを説明しているウェブサイトでも『到達率』と『配信成功率』と混同しているケースがあるので、何を指しているかを理解しておく必要があります。

メルマガ配信の『到達率』は何によって決まる?

 前項で述べた通り『到達率』とは、ISPやメールクライアントによるブロックや、迷惑メールへフィルタリングされずに受信ボックスに届いた率を指します。具体的にこのフィルタリング・ブロックの判断基準は、主に以下の3つがあります。

1. メール認証をしているか

 『メール認証』とは『センダー・ポリシー・フレームワーク(SPF)』や『ドメインキーメール(DKIM)』、その両者を利用した『DMARC』など、メルマガを配信する際に差出人を証明する一連のプロトコルを指します。これらの各認証プロトコルは、差出人が誰であるかを示すパスポートや証明書のようなものです。

2. コンテンツは最適か

 みなさんの配信しているメルマガは、読者に適した内容でしょうか? 関連性が高い内容でしょうか? 第三者から読者リストを購入したり、配信停止の方法が明記されていない状態だったりしないでしょうか? 「手早くお金を稼ぐ」といった件名や、過度の!マークや短縮URLを使用されていないでしょうか? ISPによっては、こうしたコンテンツの内容がメルマガの到達率に影響を与える可能性があると言われています(※)。メルマガのコンテンツは、「その情報が欲しい」と思っている読者に適切に届けるように心がけましょう。

 ※「どういった言葉がどのプロバイダでスパム判定されやすい」という詳細は公開されておらず、可能性のみしかお伝えできないのが現状です。

3.レピュテーション

 日本語で「評判・評価」を意味するこの『レピュテーション』とは、みなさんのメルマガがどれくらい信頼できるかを示すスコアです。『IP・レピュテーション』と『ドメイン・レピュテーション』の2種類を組み合わせて、スコアリングしているといわれています。上述した『メール認証』『コンテンツ』も包括してスコアリングしているともいえます。

 この『レピュテーション』は、各ISPや第三者機関によって評価されます。各社によってスコアが異なりますし、どういった基準かの詳細は公開されていません。とはいえ、共通している評価ポイントもあり、それを徹底することが到達率改善の第一歩と言えます。

メルマガ配信の『到達率』を改善するには

 では、ここからは具体的に何をすれば到達率が改善されるかを詳しく記載していきます。

1.IPアドレスをクリーンに保つ

 送信元IPアドレスがクリーンな状態かどうかは、ISPのレピュテーション・スコアに関わる大きなポイントです。「クリーンな状態」とは、主に「スパムメール配信に使われていないこと」、「存在しないアドレスに配信し続けていないこと」などを指します。当社のようなクラウド型のメール配信システムを利用する際も、健全なユーザー(送信者)のみでIPアドレスが共有されているか、エラーメールの処理が適切に行われているかが、まずは重要なポイントになります。

2.同意を得た宛先のみに送る

 みなさんがメルマガ配信に使っているリストは、どのように集められたものでしょうか? もしも同意を得ていない宛先が含まれていた場合、ただちに排除する必要があります。同意を得ていない宛先にメルマガ配信をすると、該当の読者があなたを迷惑メール業者として報告する可能性があります。

 その結果ISPが、あなたからの全てのメールをスパム扱いしてしまう可能性があるのです。こういった事象を防ぐためには、メルマガ登録フォームで収集したリスト、メール配信の同意を得た既存顧客・会員等のみで構成されたリストを運用しなければなりません。

3.送信ドメインの認証を行う

 『メール認証』を行ってなりすましを防ぐことも一般的な改善方法です。なりすましとは、誰かがみなさんのドメインを勝手に利用してメールを送る行為を指します。

 前述の「SPF」や「DKIM」を設定し送信ドメイン認証を行うことで、メールの送信者がそのドメインを所有していることや、信頼できるメール送信者であることを、プロバイダに証明できます。これらを設定しない場合、なりすましの被害にあうリスクが高くなり、スパムと判断されて、結果として到達率の低下を招くことになります。

SPFとは? メール配信システム利用の基本をおさらい

4.エラーメールを送り続けない

 存在しないメールアドレスにメルマガ配信を続けることは絶対に避けなければなりません。もし毎回存在しないメールアドレスに送り続けていたら、宛先サーバがスパムと判定することがあります。また、ISPによっても、特定の期間内に複数回存在しないアドレスに送り続けた場合、最終的にそのIPアドレスからのメールをブロックする可能性があると言われています

5.退会しやすくする

 配信停止の方法は、読者に分かりやすいようにきちんと明記しましょう。不要と思っている読者にメルマガ配信を続けることは、開封率の悪化にも繋がり、関連性のないメルマガを送っているとISPに判断されてしまう可能性があります。もしくは読者がみなさんのメルマガをスパムとして報告してしまう可能性も考えられます。

 リストを常に整理することは、メルマガ配信において最も大事なことです。配信停止ボタンや配信停止方法は必ずわかりやすい場所に配置しましょう。

【重要】特定電子メール法について

 「同意を得た宛先のみに送る」ことと「退会しやすくする」ことは『到達率』だけではなくメルマガ運用にとって最も大事なポイントです。日本では『特定電子メール法』という法律によって送信先や送信内容のルールが厳格に定められています。このルールを無視することは法律違反を意味しますので、きちんと順守した運用を行いましょう。

特定電子メール法とは 特定電子メール法は「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」の通称です。「特電法」「迷惑メール防止法」とも呼ばれます。この法律は、スパムメールなどの迷惑メールを規制し、電子メールを適切に利用するために2002年に施行されました。送信者は「送信者の情報」「配信解除のための情報」を必ず明記する必要があります。また、メール送信の同意を得ていない相手(何処かから購入したメールアドレスのリストなど)、受信を拒否した相手、架空のメールアドレスに送ることも禁止されます。 当社が提供する『WiLL Mail』の利用規約も特電法に則った内容となりますので、上記のような目的での配信は禁止しています。 特定電子メール法の詳細はこちらをご参照ください。

6.関連性のあるメルマガを送る

 メルマガ配信元と読者の間では、スパムメールの認識が異なるケースがあります。つまり読者は、今まで説明したような迷惑メールフィルタやアルゴリズムに関しては知識はありませんが「届いたメルマガが自分と関係あるかどうか」は判断できます。ここまで説明したフィルタリングをクリアしても、読者がいらないと感じれば迷惑メールフォルダに入れてしまうでしょう。

 みなさんは読者にとって有益なコンテンツを送っているでしょうか? この問いかけは「送信」ボタンを押す前に毎回必ず行うべきとても重要な質問です。

まとめ

 いかがでしたでしょうか。Return Path社の2015年の調査によると、世界ではおよそ21%のメールが受信ボックスに入らないことがわかっています。こうした到達率の正しい数値計測は、ISPやメールクライアントによって指標が異なっており、またそのルールも日々更新されているため、送信元自身やメール配信サービス単体での計測が難しいのが現状です。

 先ずは今回ご紹介したような最低限のポイントをおさえて、伝えたい情報が読者にきちんと届く、知りたい情報が企業からきちんと届く、そういった環境が構築できるように日々努めましょう。

 最後に、当社のメール配信システム『WiLL Mail』が提供している内容をご紹介します。

『WiLL Mail』の機能や取り組み

・健全な企業・団体のみと契約する厳格な利用規約 ・存在しないメールアドレスの自動排除システム ・SPFやDKIM設定への対応・チェック機能 ・配信停止希望ページの提供 ・簡単に作成できるダブルオプトインのメルマガ登録フォーム

 また、当社は『迷惑メール対策推進協議会』のメンバーとして国内の最新情報や知見の蓄積を行い、情報交換に参加しています。こうした機能や取り組みを通じて、ユーザーが快適に配信できる環境を用意しています。

 当社のWiLL Mailにご興味があればぜひお声がけください。

 最後までお読みいただきありがとうございました。

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