「お客様に重要なメールで送ったのに届かない…」「なぜ?」「原因は?」しかしながら、メールが届かない原因は多岐に渡り、原因を特定するためには技術的な知識や経験が必要になる場合があります。
そこで本記事では、メールが届かない場合に考えられる原因と解決方法について、詳しくご紹介します。メールを使った顧客との円滑なコミュニケーションを実現するために、ぜひチェックしてみてください。
今すぐメールマーケティングを始めたい方は、 |
送信したメールが相手に届かない原因は様々ですが、考えられる原因を一つずつ慎重に確認することで、問題を解決への手掛かりを発見し、解決へと導くことができます。
まずはどのような仕組みでメールの送受信が行われているのか全体像を確認しておきましょう。
実際にメールを送信し、受信者にメールが届くまでには、送信者側のメールサーバーと、受信者側のメールサーバーが連携する必要があります。また、メールサーバーとは異なりますが、宛先となるメールアドレス(ドメイン)とIPアドレスの照合を行うDNSサーバーも必要になります。
以下、メール送信からメール受信までの、簡易的なイメージ図となります。
❶:送信者側のメールサーバーへメールを送信する
❷:DNSサーバーに問い合わせ、宛先のIPアドレスを照合する
❸:受信者側のメールサーバーへメールを送信する
❹:受信者側のメールサーバーからメールを受信する
メールが届かなくる原因となる箇所は、大きく「メール受信者側」と「メール送信者側」の問題に分けられます。
メールが届かない場合、どこに原因があるのかを推測し、疑わしい箇所を一つずつ確認する必要があります。原因を推測する手掛かりとしては、まずはエラーメールの内容を確認しましょう。
エラーメールには、エラーコードや、送信できなかった具体的な理由など、メールが正常に配信できなかった理由に関する情報が含まれているため、原因特定の大きな手掛かりとなります。
もしもエラーメールが返って来ていない場合については、原因の特定が難しくなります。手掛かりが何も無い場合には、メールの送信ログを確認することができるメールサーバー管理者や、ご利用のメール配信サービスに問い合わせをすることも検討しましょう。
次章から、「メール受信者側の問題」と「メール送信者側の問題」に分けて、考えられる原因を一つずつ見ていきます。
受信者がメール受信に関するフィルタ設定を行なっている場合、メールが受信サーバー側で削除されたり、迷惑メールフォルダに自動的に振り分けられてしまう場合があります。
メール受信者は、受信フォルダに迷惑メールが届かないようにするために、複雑なフィルタ条件を設定している場合があり、意図せず必要なメールまで削除してしまう可能性があります。
また、携帯キャリアが提供している迷惑メールフィルタには、「高」「中」「低」などのレベル設定があり、受信者が高いレベルのフィルタ設定をしている場合、必要なメールまで迷惑メールとして認識される場合があります。
受信者側のフィルタ設定が原因の場合、メールソフトに設定しているフィルタ設定を見直してもらうか、受信許可リストに該当ドメインやメールアドレスを登録してもらう必要があります。
受信者のメールボックス容量が上限を超えている場合、メールが届かない場合があります。この場合、メールサーバーはエラーメールを送信者に返します。通常エラーメールには、メールボックス容量の上限を超えていることを示す情報が含まれています。
この問題を解決するためには、受信者にメールボックスの容量を解放してもらう必要があります。具体的には、不要なメールや添付ファイルの削除、メールボックス容量の拡張などが考えられます。
一般的に、ISPやメールクライアント上の設定で、受信したメールをサーバーに残すか、一定期間後に削除するかの設定を行うことができますが、サーバーのメールを削除せずに蓄積し続けている場合、メールボックス容量が上限に達してしまうことがあります。
受信者側のメールサーバーに何らかの障害が発生している場合、メールが届かなくなる場合があります。通常、メールサーバーで障害が起きている場合、送信したメールは一時的に受信メールサーバーの送信キューに溜まり、一定の間隔で再試行されるため、障害が解消された時点で、メールが届けられる仕組みになっています。
但し、一定の期間や再試行回数を超えてもメール送信が成功しない場合は、エラーメールが返されることがあります。エラーメールには、受信者側のメールサーバーに障害が起きていることを示す情報が含まれています。
いつまで経っても問題が解決しない場合については、受信者側のISPの障害情報を確認したり、可能な場合は他の方法で受信者と連絡を取り、障害有無や復旧目処などを確認することも検討しましょう。
受信者のデバイスにインストールされているセキュリティソフトが原因でメールが届かない場合があります。多くのセキュリティソフトは、悪意のあるメールをブロックする機能を持っているため、時として正当なメールまでブロックしてしまう可能性があります。
一般的に、セキュリティソフトが原因でメールが届かない場合、エラーメールが返されることはありません。そのため、エラーメールは返ってこないが、メールも届いていないという場合は、セキュリティソフトが原因になっている可能性を疑ってみるのも一つの方法です。
具体的な対処方法としては、受信者にセキュリティソフトの設定やソフトウェアアップデートの有無などを確認してもらう必要があります。
今すぐメールマーケティングを始めたい方は、 |
宛先として設定したメールアドレスが間違っている場合、存在しないメールアドレスとなるためメールは届きません。エラーメールには、 宛先メールアドレスが存在しないか、無効であることを示す情報が含まれています。但し、間違ったメールアドレスが別に存在する場合は、エラーメールは返されず、間違った相手にメールが届くことになります。
メールアドレス間違いが発生する原因としては、メール受信者から伝えられたメールアドレスが間違っている場合や、メールアドレスの途中変更や削除、送信者側のメールアドレスの入力ミスなどが考えれます。
どのような方法でメールアドレスを取得したかによっても異なりますが、間違ったメールアドレスが登録されないような対策が必要になります。例えば、メルマガ購読のメールアドレスであれば、登録フォームをダブルオプトインにすることで、メールアドレスの登録間違いを防止することができます。
メールの件名やコンテンツの内容に不適切な表現や使用方法ある場合、ISPの迷惑フィルタに検知されメールが届かない場合があります。迷惑メールフィルタでメールがブロックされた場合、一般的にエラーメールが返されることはありません。
不適切な件名や本文の例としては、以下のようなものが挙げられます。
メールが誤って迷惑メール判定を受けないようにするには、適切な言葉遣いを使用し、画像やリンクの設置は慎重に行うことが大切です。
送信したメールの容量が大き過ぎる場合、メールが届かない場合があります。一般的にISPや企業のメールサーバーは、メール1通あたりの容量制限を設けており、その制限を超えるメールの受信を拒否します。
メール容量の超過に関するエラーメールは、ISPによって返される場合と返されない場合があります。そのためエラーメールが返って来ない場合でも、受信者にメールが届いていない可能性があることに注意が必要です。
メールの容量制限については、ISPやメールサーバーによって異なるため、明確な基準は存在しません。一般的なメールマナーとしては、メール容量の合計が2〜3MBを超えるような場合は、使用する画像や添付ファイルを見直したり、クラウドストレージサービスなどの利用を別途検討することが重要です。
前述した添付ファイル容量の問題と同様に、添付ファイルの種類に問題がある場合も、メールが届かないことがあります。ISPが制限しているファイルを添付した場合、メールがブロックされたり、添付ファイルは削除されます。エラーメールについては、返される場合と返されない場合があります。
添付ファイルの種類に関する具体的な制限については、ISPによって異なりますが、一般的には、実行可能ファイル(.exe、.bat、.msiなど)や、スクリプトファイル(.js、.vbs、.ps1など)が添付されたメールの受信は制限されます。
近年、メールへの添付ファイルは、マルウェアなど悪意を持った攻撃や詐欺に使用されるケースが多いため、ISPやウィルスソフトは、添付ファイルを慎重に監視するようになっています。今後、より厳しい制限が掛かる可能性もありますので、メールに添付ファイルを追加する際は、慎重を期す必要があります。
送信ドメイン認証が設定されていない場合、メールが届かない場合があります。送信ドメイン認証は、メール送信者が該当ドメインを所有していることを確認するための仕組みです。メール認証に失敗した場合、エラーメールが返されます。
近年ISPは、迷惑メール対策として、送信ドメイン認証の有無を特に重要視しています。送信ドメイン認証が何も設定されていない場合、迷惑メール判定を受けて、メールが届かない可能性が高くなります。
主な送信ドメイン認証は以下の3つです。
SPF
メール送信を許可するIPアドレスをDNSレコードに登録しておき、メール送信時に送信元ドメインの正当性を検証します。
DKIM
メール送信時にメールにデジタル署名を付与し、受信者はドメインのDNSに登録された公開鍵を取得してデジタル署名を検証します。
DMARC
送信したメールがSPFとDKIM認証に失敗した場合に、メールをどのように処理するかのポリシーをDNSに登録します。送信元ドメインの、なりすましがあった場合は、正規の送信元ドメインのDMARCポリシーに基づいてメールは処理されます。
メールの送信元ドメインのIPレピュテーション(IPアドレスの信頼性)が低い場合、ISPの迷惑メールフィルタで検知されメールが届かない場合があります。
通常、IPレピュテーションが低いことを示す情報が含まれたエラーメールが返されることはありません。代わりに送信サーバー側のエラーログや、DMARCレポートなどを参照することで、問題を特定できる可能性があります。
低下してしまったIPレピュテーションを元に戻すためには、原因になっている要因を特定し、対策を施す必要があります。例えば、送信ドメイン認証の設定や、メール配信リストのメンテナンス、メールの内容や配信頻度の見直しなどの対策が挙げられます。
メール送信ドメインやIPアドレスがブラックリストに登録されている場合、メールが届かない場合があります。ブラックリストとは、迷惑メールの送信を防止するために使用されるリストであり、Spamhausなどの迷惑メールの撲滅を目指す団体や、ISPが独自に作成しています。
ブラックリストに登録されると、全てのメール、または一部のメールが届かなくなります。エラーメールの有無については、受信メールサーバーがブラックリストに登録されたドメインやIPアドレスからのメールを拒否する設定になっていれば、エラーメールは返される可能性があります。
ブラックリストに登録される主な原因は、大量の迷惑メール送信、受信者からの迷惑メール報告、不正なリンクや添付ファイルを含むメール送信履歴などが考えられます。
もしもブラックリスト登録されてしまった場合には、リスト運営団体のWebサイトから解除申請を行うことができます。但し、状況によっては解除に時間が掛かる場合があります。
送信者側のメールサーバーに何らかの障害が発生している場合、メールが届かない場合があります。障害時の挙動については、障害の原因やメールサーバーの設定によって異なります。
一時的な障害であれば、障害が解消された時点で、送信キューに溜まったメールは順次送信されることが期待されます。その場合はエラーメールは返されません。但し、一定の期間や再試行回数を超えてもメール送信が成功しない場合は、エラーメールが返されることがあります。
また、メールサーバーがダウンしている場合については、サーバーへの接続が確立できないため、すぐにエラーメッセージが返されることがあります。エラーメールには、送信者側のメールサーバーに障害が起きていることを示す情報が含まれています。
送信者側のメールサーバー障害が起きている場合については、サーバー管理者や、ご利用のメール配信サービスに確認をして、適切な対処策を取るようにしましょう。焦ってメールを連続送信したり、管理画面への連続的なアクセスなどを行うと、サーバー負荷が増加し、復旧を妨げる可能性があります。
ここまでメールが届かない様々な原因をご紹介してきましたが、メールが届かない状態をそのまま放っておくと、顧客や取引先との円滑なコミュニケーションを取ることができず、信頼関係の低下や業務の遅延が発生する恐れがあります。
また、メール配信の技術的な側面においても、メールが正常に送信されずにエラーメールが返ってくる状態を放置してしまうと、メール配信リストの品質低下、IPレピュテーションの低下、ブラックリスト登録などのリスクが発生し、ますますメールが届かない悪循環へと陥る危険性があります。
これらの問題を避けるためには、エラーメールに注意を払い、メールが届いていない状況を確認した際には、迅速に原因を特定し、適切な対策を取ることが重要です。特に、一斉配信メールは、迷惑メールフィルタの影響を受けやすいため、より慎重な対策が必要です。
いかがでしたでしょうか。メールが届かない原因は多岐に渡り、原因の特定には技術的な知識や経験も必要になります。問題発生時には、まずは手掛かりとなるエラーメールや送信ログの内容を確認し、どこに原因があるのかを的確に把握することがポイントになります。
メール配信システムを利用している場合については、エラーメール分析や、メール配信リストのメンテナンス、送信ドメイン認証、セキュリティ機能など、メール到達率を高めるための機能が実装されたサービスを選ぶことがとても重要になります。
今すぐメールマーケティングを始めたい方は、 |