メールマーケティングを行っていると、今まで問題なく送れていたメールが、ある日突然、何の前触れもなく、大量のエラーメールとして返って来たという経験をしたことはありませんか? これは、迷惑メール・フィルタによってフラグを立てられてしまったことが原因だと推測されます。
『悪質な内容のメールは送っていないのに何故?』と思うかもしれませんが、時として、誠実な内容のメールでも、迷惑メール・フィルタによって、エラーメールで戻って来たり、迷惑メールフォルダに振り分けられたりすることは、珍しいことではありません。
Return Path社の調査によると、メールマーケティング担当者が送信したメールのうち、約24%が受信フォルダに届かなかったという統計データも出ています。
引用元:returnpath.com 2016-Deliverability-Benchmark.pdf
本記事では、もし皆さんの送ったメールが迷惑メール扱いを受けている疑いがある場合に、確認しておくべき9個の迷惑メール対策をご紹介します。一通でも多くのメールを読者の受信フォルダに届けることは、メールマーケティングのROIを向上させることにつながります。ぜひ参考にしてみてください。
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【目次】
迷惑メール・フィルタは、送信されたメールが読者の受信フォルダに届く前に、メールが迷惑メールであるかどうかを判定するプログラムです。これらのプログラムは、主に以下のような側面に着目して、メールをブロックするかどうかを判定しています。
メールヘッダー | メールが送信された経路や時間、経由サーバーなどが記録されたメールヘッダーに虚偽の内容がないか監視しています。 |
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コンテンツフィルタ | 迷惑メールによく利用される単語や表現などが含まれていないかを監視しています。 |
ブラックリスト | ブラックリストに登録されたIPアドレスを持つ送信者でないかを監視しています。 |
ユーザーパーミッション | メールの読者がメールクライアント上で迷惑メール・フィルタを定義して、不要なメールをブロックします。 |
上記以外にも、迷惑メールとして判定される要因は多岐に渡ります。最近では、Gmail、Yahoo、Outlookなどのメールプロバイダーの迷惑メール・フィルタは格段に進歩しており、さらに更新され続けています。
ブラックリスト登録されていないか確認する方法 メールを送信しているドメインやIPアドレスがブラックリストに登録されていないかをチェックできるサイトがあります。 Spamhausなどの有名なブラックリストに登録されてしまうと、メールがほぼ届かなくなってしまうと言われています。 ブラックリスト登録チェックサイト一例 |
それではここからは、皆さんが送ったメールが迷惑メール扱いを受けている可能性がある場合に、確認すべき9個の迷惑メール対策を見て行きましょう。
家族や友人に、@gmail.comや@yahoo.co.jpのフリーメールのドメインから、メールを送っても全く問題はありませんが、企業やブランドから送る一斉送信メールがフリーメールのドメインだと、読者は迷惑メールだと疑うかもしれません。一斉送信メールは、皆さんの企業やブランドのドメイン名と一致する独自ドメインを使ったメールアドレスから送るべきです。
迷惑メール・フィルタの視点から見ても、ISPのホワイトリストに登録されているドメインやIPアドレスから送信されるメールは、信頼性の高いメールだと判定されるはずです。逆に、身元を判定できないフリーメールのドメインや、他のドメインからメールを送信し続けると、迷惑メールとして判定されたり、ブラックリストに登録される可能性があります。
送信ドメイン認証とは、送信元IPアドレスの認証や、電子証明の技術を利用して、送ったメールが正しい送信元から送信されたものであることを証明する仕組みです。
主な認証方法は、SPF(Sender Policy Framework)、DKIM(Domain Keys Identified Mail)、DMARC(Domain-based Message Authentication Reporting and Conformance)の3つです。
メール配信システムを利用して、独自ドメインからメールを送信している場合、送信ドメインとメールサーバーのドメインが異なるため、送信ドメイン認証をしないと、迷惑メール・フィルタになりすましメールだと判定される可能性があります。信頼のおけるメール配信システムであれば、送信ドメイン認証に対応しているはずです。
送信ドメイン認証は、なりすましメールではないことを証明し、迷惑メール・フィルタを回避するための最も確実な方法のひとつです。
メールを受信するISPは、迷惑メール対策として、IPアドレスの評価をスコア化しています。評価の低いIPアドレスから送信されたメールは、読者に届き難くなります。
例えば、新しく作成したばかりの評価の低いIPアドレスから、急に大量のメールを送信した場合、ISPは迷惑メールだと判定し、メール受信をブロックする可能性が高くなります。初めはメール配信リストをセグメントして、IPアドレスのウォームアップを行いながら、少しずつメールの配信数を増やしていくと良いでしょう。
IPアドレスの評価は、過去のメール配信履歴、送信メールのエラー率、迷惑メールを送った形跡、読者からの通報履歴、ブラックリストへの掲載履歴など、あらゆる要因が影響しています。IPアドレスの評価を下げる可能性が疑われるメールは決して送信しないことです。一度下がったIPアドレスの評価を元に戻すのは非常に大変なことです。
多くの皆さんが利用しているメール配信システムでは、メール送信用のIPアドレスを複数のユーザーで共有している場合がほとんどです。もし、あるユーザーが迷惑メールを送ってしまった場合、IPアドレスの評価が下がり、同じIPアドレスを共有しているユーザーのメール配信にも影響を及ぼすことになります。
そのため、メール配信システムでは、常にIPアドレスの評価を高く保つための対策や監視、ユーザーへの利用規約の徹底などを行っています。信頼の高いメール配信システムを選ぶことも非常に重要なポイントだと言えます。
熱心な読者からなるクリーンなメール配信リストを維持することは、最も有効な迷惑メール対策のひとつです。エラー率が高いようなメール配信リストは、ISPからの送信者評価を下げ、迷惑メール・フィルタに引っ掛かるリスクが高まります。
皆さんがすべきことは、メールアドレスのリストを購入しない、問題のあるアドレスはリストから削除するなど、一定の基準を守ってメール配信リストを管理することです。
休眠状態のアドレス、存在しないアドレスや、スパムトラップ用のアドレスなどに何度もメールを送信していると、最終的には迷惑メール・フィルタにフラグを立てられてしまいます。ISPやメール配信システムの送信エラー通知などに注意を払い、メール配信リストを常にクリーンに保ち続ける努力が必要です。
メール配信システムでは、送信エラーになったアドレスをどのように処理しているかが重要なポイントです。問題のあるアドレスへのメール配信を自動的に停止するなど、メール配信リストをクリーンに保つ機能を実装したメール配信システムを選ぶと良いでしょう。
WiLL Mailは、エラー種別毎に自動処理を行っています |
https://willcloud.jp/knowhow/エラーメール処理の仕組み次世代メール配信システム WiLL Mailwillcloud.jp
前章の内容にも付随しますが、メールマーケティングでは、「許可を得ている人にのみメールを送ることができる」ということを忘れてはいけません。
許可した覚えがないのに、ある日から突然、毎週のようにキャンペーンメールが届き始めたら、メールを受け取った人はどう思うでしょうか?エラーメール、迷惑メールの苦情、配信停止になる確率は高くなるはずです。
こういった問題を解決するためには、あらかじめ新規顧客にメールを送ることを許可してもらうための仕組みを作っておくことです。Webサイトにメールの登録フォームを設置して案内したり、店舗で商品を購入した顧客にメルマガ登録の特典を提供したりすることを検討してみましょう。
迷惑メールの多くは、セグメントやパーソナライズされていない、同じ内容の大量送信メールです。迷惑メール・フィルタはこの点にも注目しています。
メール配信リストをセグメントして、それぞれのメールに少しのパーソナライズ(名前、会社名など)を加えることで、迷惑メール・フィルタに迷惑メールだと判定されるリスクを軽減することができます。
また、セグメントしたメール配信リスト毎に、興味を持ってくれそうなキャンペーンメールを送れば、メールの内容と読者のエンゲージメントが高まります。必然的にメール開封が増え、配信停止が減りますので、ISPに対して送ったメールの有効性を示すポジティブな信号を送ることできます。
「4.メール配信リストを常にクリーンに保つ」でも解説しましたが、休眠状態のアドレスにメールを送り続けてはいけません。何度メールを送っても何も反応が得られない読者にメールを送り続ければ、迷惑メール・フィルタにメールと読者のエンゲージメントが低いと判定される可能性が高まります。
休眠状態の読者かどうかを判定する条件(Webサイトへの訪問、メールのクリックなど)を設定し、休眠状態の読者には、再エンゲージメントのキャンペーンメールを送るようにすると良いでしょう。具体的には、限定SALEや割引クーポンを送ったり、簡単なアンケートを送信して、読者が何を求めているのかを直接聞くこともできます。
休眠状態の読者には、3ヶ月や6ヶ月という期間を決めて、再エンゲージメントのキャンペーンメールを送ります。それでもエンゲージメントが得られない場合には、メール配信を停止するなどのルールを作っておきましょう。
メールマーケティング担当者にとって、文法間違いや、誤字脱字のチェックは常識的なことですが、これらの間違いは、読者の信頼を低下させ、プロフェッショナルではないと思われてしまいます。小さなミスが積み重なれば、メールを配信停止にされてしまうほどの失望や怒りを引き起こす可能性もあります。
また、悪質な迷惑メールの特徴の1つとして、文法間違いや誤字脱字が多いことから、迷惑メール・フィルタはこの点にも注目しています。時間をかけて原稿の編集・校正を行うことは、迷惑メール対策の欠かせない要素のひとつです。
メールマーケティング担当者であれば、メール送信に関する法律、ISPの動向、迷惑メール・フィルタの技術について、定期的に確認しておくことが求められます。
例えば、メールには配信停止リンクを掲載し、読者が配信停止を希望した場合、メール配信リストから該当アドレスを外さなければなりません。これは特定メール電子法で決まっています。もしそのことを知らずに、配信停止ができないメールを送り続けたらどうなるでしょう。読者に迷惑メールとして通報される可能性が高くなり、迷惑メール・フィルタにフラグを立てられるリスクも高まるでしょう。
迷惑メールの種類や手口は日々変化しています。それに伴って、国やISPが行う迷惑メール対策も変化して行くでしょう。常に最新情報に気を配り、メールマーケティングの関係者間で情報を共有するようにしましょう。
以下の記事でも、メールマガジンが届かない場合に確認すべき、迷惑メール対策をご紹介しています。
本記事では取り上げていない、重要なポイントも多く解説していますので、あわせてチェックしてみてください。
いかがでしたでしょうか。ご紹介した迷惑メール対策は、迷惑メールにならないことを保証するものではありませんが、そのリスクを軽減できる可能性は高くなります。
現状問題なくメールが届いているという方も、一度問題のある部分がないか全体的にチェックしてみることををお勧めします。
迷惑メール・フィルタを回避する9個の方法
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