多くのマーケティング担当者が、ランディングページの直帰率の高さに悩んでいます。なぜならランディングページの直帰率が高いということは、訪問者がコンバージョンしなかったことを意味し、ビジネスの目標を達成することが難しくなるからです。
多くの広告費を費やしてランディングページに誘導しても、訪問者の多くはほんの数秒でページから立ち去ってしまいます。直帰率が高い原因を突き止めることは簡単なことではありませんが、予め対策を講じておくことは可能です。
本記事では、ランディングページの直帰率を下げて、コンバージョンを高めるための具体的な7つの方法をご紹介します。
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【目次】
まずはじめに、「ランディングページ」と「直帰率」の言葉の定義をしておきます。
ここでいうランディングページとは、広告をクリックした後に表示される、コンバージョンを目的とした1ページ完結のWebページのことを指します。そして直帰率とは、Webサイト訪問者のうち、2ページ目を訪れることなく離脱した人の割合のことです。
よって「ランディングページの直帰率」と言うと、広告をクリックしてランディングページに辿り着いた人が、フォーム入力やCTAボタンなどをクリックすることなく即座に離脱した割合のことを指します。「ランディングページでコンバージョンしなかった人の割合」と言い換えることもできます。
ランディングページの直帰率は、以下の計算式で求めることができます。
Googleアナリティクスを使えば、様々な条件を掛け合わせならが、直帰率に関する重要なレポートを測定することができます。ランディングページを改善する前に、まずは現状の直帰率を確認してみましょう。
Googleアナリティクスで、ランディングページの直帰率を確認するには、左のメニューから「行動」>「サイトコンテンツ」>「ランディングページ」をクリックします。入口になったページが一覧表示されるので、測定したいページの直帰率を確認します。
上記は、ユニバーサルアナリティクス(UA)の測定方法になります。続いて、Googleアナリティクス4(GA4)の測定方法についても触れておきます。
Googleアナリティクス4(GA4)で直帰率を確認する方法【重要】GA4では、直帰率の考え方が従来の「1ページのみのセッションの割合」 から、「エンゲージメントのなかったセッションの割合」に変更されている点に注意が必要です。 エンゲージメントのなかったセッションとは、「10秒以内に終了したセッション、コンバージョンイベントが発生しなかったセッション、ページビュー数またはスクリーンビュー数が2回に満たないセッション」と定義されています。UAとGA4の直帰率の違いについては、こちらのアナリティクスヘルプも参考にしてみてください。 このGA4の仕様変更は、「ページを読んだ時間」「ページスクロール」「動画再生などのアクションイベント」など、ユーザーとのエンゲージメントの有無を評価の対象に入れるためです。例えば、ランディングページでコンバージョンはしなかったものの、ページを最後までじっくり読んだ場合は、エンゲージメントの高い訪問者だと評価し、直帰とは見なさないという判断が可能になったということです。 GA4で、ランディングページの直帰率を確認するには、データ探索から指標を追加して確認する必要があります。デフォルトでは、直帰率という指標は表示されません。(2022年8月調査時点) ただし、前述した通り、GA4の直帰率とUAの直帰率は同じ指標として扱うことはできないことに留意してください。UAで測定した直帰率に比べて、GA4で測定した直帰率は、エンゲージメント率を引いた分、数値が低くなります。 GA4における直帰率は、エンゲージメントのなかったセッションの割合のことであるため、GA4では直帰率の代わりに、デフォルトで表示されるエンゲージメント率をランディングページの評価指標として用いる方がシンプルで分かりやすいかもしれません。 エンゲージメントのルールの一つである「10秒以内に終了したセッション」の時間変更も可能です。[管理] > [プロパティ設定] > [データストリーム] > [タグ設定を行う] > [セッションのタイムアウトを調整する] から設定することができます。 【補足】2023年7月1日をもって、ユニバーサルアナリティクス(UA)のプロパティにおける新しいデータの収集は停止される予定です。 |
では、いったい何パーセントぐらいの直帰率が適正なのでしょうか?通常のWebページでは直帰率が80%を超えていると、直帰率が高くページの改善が必要だと言われています。しかしながら、それがランディングページの直帰率であった場合は、必ずしも悪い直帰率だと言うことはできません。その理由は次の通りです。
ランディングページの直帰率の適正値は、CTAを何に設定したかによって異なります。例えば、資料ダウンロードなど手軽なものであれば、直帰率は低くなりますが、逆に高価格帯の商品購入であれば、直帰率は高くなるでしょう。
ランディングページごとにコンバージョンの目標値を設定し、直帰率とコンバージョン率のデータ推移を継続的に追跡することによって、自ずと直帰率の適正値は見えてくるはずです。
また、デスクトップとモバイルで直帰率に差がある場合もありますので、それぞれの適正値を把握しておくことも大切です。
極端に直帰率が低い場合の注意点 もしも直帰率が10%や50%など、想定していた数値よりも極端に低い場合には注意が必要です。 アナリティクスのトラッキングエラーで正しく直帰率を測定できていない可能性や、LP内に複数の不要なリンクが設定されていることによって、サンキューページ以外のページに訪問者を逃してしまっている可能性が考えれれます。 コンバージョン率と照らし合わせながら、正しい直帰率が測定できているかを確認してください。直帰率が低いからと言って決して安心してはいけません。 |
皆さんもうお分かりのことだと思いますが、ランディングページの直帰率を改善すべき理由は、訪問者とのエンゲージメントを高めて、多くのコンバージョンを獲得するためです。
ランディングページの直帰率が適正値より高いということは、訪問者が間違ってページを訪れているか、コンバージョンするのに十分な満足度が得られていないことを意味します。
直帰率を改善するための対策を講じることによって、ランディングページから獲得できるリードや顧客の数を向上させ、その数を維持することができるようになります。
それでは、ここからはランディングページの直帰率を改善するための具体的な方法をご紹介していきます。
まず初めに確認すべきなのが、広告とランディングページのターゲット設定です。
広告が適切なキーワードやユーザーをターゲットにしていない場合、ランディングページの直帰率は高くなります。事前に作成したペルソナや、カスタマージャーニーマップを基に、広告とランディングページのターゲットをしっかり確認してください。
ターゲットに合わない人がランディングページにたどり着いてもコンバージョンには至らい可能性が高いのは明白です。いくらランディングページを最適化しても、期待した成果を得ることは難しいでしょう。
ターゲッティングの次に重要なのが、広告とランディングページの内容が一致していることです。
広告とLPで、同じまたは類似した見出し、色、デザイン、画像、オファー内容などを使用すると効果的です。広告とLPの内容を一致させることで、訪問者に正しいページにたどり着いたことを確信してもらうことができます。
逆に、もし広告とLPの間に内容のズレがあった場合、訪問者はガッカリしたり、騙されたと感じてしまう可能性もあります。訪問者は即座にページから離脱してしまうでしょう。
また、広告とランディングページを何度も更新しているうちに、意図せず内容にズレが生じていることもありますので、定期的に確認を行うことも重要です。
ファーストビューとは、ランディングページの最初に目に入る領域のことです。ランディングページ訪問者のうち、平均70%以上の人がスクロールダウンすることなくページから直帰してしまうと言われています。
ファーストビューでの直帰率を下げるためには、訪問者に「ページをスクロールして続きを読みたい」と思わせることです。そのためには、ページの第一印象を大きく左右する「見出し」と「画像」の要素を改善することが効果的です。
ここで言う見出しとは、ファーストビューに表示するメインキャッチコピーのことを指します。ランディングページの中で一番読まれるテキストです。広告の見出しと内容を一致させた上で、訪問者の注目を瞬時に集めることができる魅力的な見出しを付けてください。
ランディングページの効果的な見出しの作成方法については、以下の記事で詳しく解説しています。
ファーストビューに使用するアイキャッチ画像は、一目見ただけで商品やサービスの価値が伝わるような、シンプルでインパクトのある画像を使用しましょう。
例えば、以下のアイキャッチ画像は、ターゲットのベネフィットをシンプルに表したイメージに、それを補足する見出しを組み合わせています。
また、バナー広告で使用したイメージと、アイキャッチ画像のイメージを合わせることも効果的です。広告からLPに遷移した際のイメージの乖離が小さくなるため、直帰率を下げることができます。
ファーストビューでの直帰率を調べる方法では、ファーストビューでの直帰率はどのぐらいでしょうか?直帰率の数値からは、ファーストビューで直帰したかどうかは分かりません。ファーストビューでの直帰を調べるには、Googleタグマネージャーを使用します。スクロール率を調べるためのタグを発行し、Googleアナリティクスのイベントで測定ができるように設定します。 Googleタグマネージャーでのスクロール率の設定方法については、検索をすれば多くの情報が出てきますので、そちらを参考にしてください。 スクロール率が0%であれば、ファーストビューでの直帰ということになります。逆に100%近ければ、ページを最後まで読んだと判断することができます。ページのどこで離脱したかがわかれば、改善すべき場所の仮説が立てやすくなります。 その他、ヒートマップツールでもスクロール率を測定することができますが、導入には費用が掛かる場合が多いため、無料で測定したい場合は、Googleタグマネージャーの使用がおすすめです。 |
ランディングページの直帰率が高い原因のひとつに、ページが読みにくいということがあります。訪問者の多くはページをじっくり読むというよりは、重要なポイントを探しながら、流し読みでざっと目を通す程度です。
スムーズに目を通すことができないページは、読者にストレスを与え、集中力も奪うため、途中離脱につながる可能性が高くなります。以下のポイントを抑えながら、ページを読みやすく整理してみてください。
これらのポイントをひとつひとつ丁寧に最適化することによって、ランディングページの読みやすさが向上するだけでなく、読者の心を掴んで離さない、粘着度の高いページを作成することができます。
ランディングページがスマートフォン表示に最適化されていない場合、多くの訪問者をページから逃がしている可能性があります。アナリティクスで分析した結果、モバイルユーザーの直帰率が高いのであれば、早急にランディングページのモバイル対策を行う必要があります。
具体的には、以下のようなポイントを抑えることで、スマートフォン端末からも見やすランディングページを作成することができます。
ランディングページのスマートフォン最適化については、以下の記事で詳しく解説しています。
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ランディングページの直帰率が高くなる原因として、フォームの入力の手間が大き過ぎることも考えられます。もしも大量の入力項目が表示されていたり、入力ミスが起こりやすいフォームデザインであった場合、訪問者は途中でフォーム入力を止めて離脱してしまう可能性が高くなります。
訪問者が入力しなければならない項目の数は、必要最小限に留めるようにしてください。特にモバイル端末からのフォーム入力は、難易度が高く入力ミスも起こりやすいこと考慮しておく必要があります。
フォームの最適化については、以下の記事で詳しく解説しています。
ラディングページ訪問者がリードや顧客になるためには、CTAを経由しなければならないため、CTAはランディングページ上で最も重要な要素だと言えます。設定したCTAの内容が適切でない場合、訪問者はCTAボタンをクリックすることなく、ページから離脱してしまいます。
CTAを設定する際に注意すべきポイントは以下の通りです。
ランディングページに設定したCTAの内容が適切であるかどうか再度確認をしてください。もしも訪問者にとってハードルの高い要求をCTAとして設定している場合、コンバージョンに至る可能性は低くなります。
例えば、高額の商品やサービスを販売している場合、ランディングページでいきなり契約させようとするより、資料請求やトライアルなどをCTAとして設定し、リードの獲得を目的とする方が適切だと言えるでしょう。
CTAボタンは、目立つ大きさと色を使って、ページ内で埋もれてしまわないようにデザインしてください。ボタン上のラベルは、ボタンをクリックした先に何が起こるのかが具体的に想像できる、シンプルなラベルを使うと自然な印象になります。過剰な表現は逆効果になる恐れがあるため注意しましょう。
また、CTAボタン周辺には、マイクロコピーを表示することも効果的です。例えば、「60秒かんたん登録」「期間限定●月●日●時まで」「登録後いつでも退会可能」「今なら1000円クーポン進呈中」など、CTAボタンのクリックを後押しするようなコピーを表示することで、クリック率を向上させることができます。
ランディングページのCTAの内容はひとつに絞るべきですが、CTAボタンは複数あっても問題ありません。ランディングページに複数のCTAボタンを配置することで、訪問者は好きなタイミングでCTAを行えるようになります。
CTAボタンを配置する位置は、ファーストビュー内、ページ中段、ページの最後、フッター固定などが考えられます。ただし、無闇にCTAボタンの数を増やせば良いというわけではなく、ページ内で訪問者の興味や欲求が高まるポイントに上手くCTAボタンを配置すると効果的です。
1ページ完結のランディングページでコンバージョンまで持っていくためには、訪問者が安心して個人情報やクレジット情報を提供しても良いと思える、専門性や信頼性の高さを示す必要があります。訪問者が「いまいち信用できない…なんとなく心配だ…」と感じれば、コンバージョンに至る可能性は低くなるでしょう。
専門性や信頼性の示すには、ランディングページ内に、会社情報、導入企業例、導入社数、お客様の声、専門者による推薦、受賞歴、認定資格、第三者による認証マーク(品質、性能、安全性、セキュリティ、決済方法など)、具体的な数字を使った実績、メディアへの掲載歴など、権威付けとなる情報を掲載すると良いでしょう。
どの情報を掲載すべきかについては、ターゲットの信用を獲得するのに最も有効だと思うものを選ぶようにしましょう。
本記事でご紹介した直帰率を改善するための方法は、ほとんど簡単に試すことができます。まずは現状のランディングページの直帰率やターゲティングを再確認するところから始めてみてください。
ランディングページの直帰率を下げる7つの方法
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