ランディングページとは?キホンをおさえて効果を高めよう

ランディングページとは?キホンをおさえて効果を高めよう

 皆さんは『キャンペーンにおける ランディングページとは何か』をご存知でしょうか。単に「広告のリンク先」と認識してしまうと一般的なウェブページやお問い合わせページも含まれてしまいますが、少し違います。そこで今回はランディングページの定義や必須要素を説明し、効果的なページを作成する第一歩をご紹介します。

ランディングページの定義

 ランディングページとは、広告をクリックした後に表示される1ページ型のウェブページのことを指します。ランディングページは、ひとつの訴求にフォーカスした目的でデザインされるため、一般的なウェブサイトとはその構成や役割が大きく異なります。

 ここでいう「目的」とは、「メルマガ登録者の獲得」、「ホワイトペーパーのダウンロード」、「サンプル申し込み」「商品購入」など多岐にわたります。目的達成のために、ランディングページはマーケティング担当者にとってなくてはならないものです。2004年からのグーグルトレンドのグラフを見ればその需要は引き続き高いことが伺えます。

landing_page

 上述の通り、ランディングページは一般的なウェブサイトではありませんし、ウェブサイトの一部というわけでもありません。そのためランディングページはグローバルナビゲーションや複数のリンクなど、一般的なホームページと同じ要素を持つべきではありません。こういった要素を省くことで訪問者はひとつの訴求・目的のみに集中でき、コンバージョンの邪魔がなくなるのです(詳しくは第2章で説明します)。

 運用中のランディングページがその役割を担えているかどうか混乱したときは、先ず以下の2つの事を自問してみましょう。

1.そのページは、目的が絞られているか
2.そのページは、ひとつのコンバージョン経路(登録ボタン)のみか

ランディングページに欠かせない条件

 では、この「ランディングページの定義」を満たすための条件とは何になるのでしょうか。大きく2つ存在します。

条件1.リンク元の広告と合致したメッセージがあること

 ランディングページに来た見込み客は、ある期待を抱いた状態です。その「期待」とは、リンク元に記載されていた訴求内容です。たとえば広告やリンク元で『40% OFF』であることを訴求していた場合、ランディングページ上でも『40% OFF』をきちんと記載する必要があります。もし『40% OFF』の表記がなかったら訪問者は広告の訴求内容が正しいのかを質問してしまうかもしれません。

 こうしたランディングページのコピーが広告やリンク元の表現とどれくらいよく似ているかを示す際に『メッセージ・マッチ』といわれる指標があります。強力な『メッセージ・マッチ』は、訪問者を安心させるので、コンバージョンを増加させます。具体的には、以下の3つのようなポイントに気を配って広告とランディングページのメッセージを揃えましょう。

・ブランド・ロゴをランディングページ上に設置する
・広告と同じイメージをランディングページにも使う
・LPのヘッドラインとコピーは広告のヘッドラインと合致させる

 『メッセージ・マッチ』がしっかりと行われていれば、訪問者がランディングページに辿り着いたとき、彼らの期待は満たされます。なぜなら「何をすれば良いか」、「気になった広告の訴求内容があるか」が明確だからです。このような力強い『メッセージ・マッチ』なしでは、訪問者の信頼を得ることは難しくなります。そしてもし信頼を得られなければ、コンバージョンする前に離脱してしまうでしょう。

条件2.訴求ポイントとコンバージョンが一対一であること

 訪問者が行ってほしいアクションはコンバージョンです。もしホワイトペーパー訴求のランディングページ作る場合、ゴールは資料ダウンロードです。無料トライアル訴求のランディングページを作る場合、ゴールはアカウント発行です。このようにランディングページは、ひとつの訴求に対してひとつのゴールを持つべきです。もし無料トライアル発行が目的の場合、同じランディングページ上で資料ダウンロードを促してはいけません。ダウンロードとサインアップの2つの訴求は、お互いのコンバージョンを奪い合ってしまいます。それぞれ別ページを用意すべきでしょう。

多くの選択肢は消費者に悪影響を与える

 「大は小を兼ねる」ということわざは、世の中の全ての事柄に当てはまるわけではありません。マーケティング活動においても同様です。心理学者のSheena Iyengar博士とMark Lepper博士が2000年に行った調査を含め、複数の調査で、消費者にたくさんの選択肢を提示した場合、そうでない場合と比べて以下のような悪影響が見られました。

たくさんの選択肢を提示された消費者は…

  • 購入率が「限られた選択肢を与えた場合」の10分の1になってしまった。
  • 自身にとって価値のないものを選んでしまった。
  • 購入後、実際に品質が良くても、自分の選択に対してあまり満足できなかった。

 これはランディングページ運用においても同様です。同一ページ内で2つ以上の訴求をしたり、別ページへの複数リンクが設置されていると、本来期待される満足度を減少させ、コンバージョン率を潜在的に低めてしまうといわれています。これは主に『ヒックス・ロー現象』という名で知られています。

【ヒックス・ロー現象とは】
 「選択肢の数が増加すると、決定に要する時間も増加する」という法則。この法則を考慮して、緊急時の制御システムは一般的にシンプルな(選択肢が少ない)設計になっています。ウェブの分野では、Amazon社の1クリック注文機能がこれを考慮したインターフェイスになっているといわれています。

ヒック教授のオリジナル論文(PDF)はこちら

余計なリンク先は外そう

 ホームページ上部に位置する「会社概要」や「事業内容」などのリンクは人によっては有益な情報ですが、ランディングページには不要です。

 米国のマーケティングツール提供企業であるHubspot社は、2パターンのLPをテストを行いそれを実証しています。ひとつはナビゲーションリンクつき、もうひとつはナビゲーションリンクなしです。すべての統計的に有意なテストで、ナビゲーションのないランディングページはナビゲーションを持つランディングページより多くの訪問者をコンバージョンさせました。 あるケースでは、ナビゲーション・リンクを削除するとコンバージョン率が30%近く上昇したという記載もあります。

ランディングページの構成と要素

  上述の定義と必須条件を踏まえればランディングページ完成、というわけにはいきません。いかに効率的にゴール(コンバージョン獲得)へ到達するかも重要なポイントになります。コンバージョン率を左右するのは、ランディングページを構成する以下のような要素になります。

ランディングページを構成する主な要素って?

  • 読みやすくわかりやすい文章
  • 画像や動画などのリッチメディア
  • 必要最低限で信頼できる入力フォーム
  • 押したくなる送信ボタン

 この要素それぞれに「こうあるべき」という様々なポイントやTIPSがありますので、それはまた別の機会に説明したいと思います。

 更にこうした要素に加えて、目的(訴求内容)によって最適なページの長さがあるといわれています。以下におおまかにまとめました。

長いランディングページは、訪問者に信頼を与える

 長いランディングページは、訴求内容を詳細に伝えられるため、訪問者に信頼感を与えることが出来ます。ABテスト・ヒートマップツール提供で知られるCrazy Egg社は商品購入が目的の場合、ランディングページは長い方が適していると述べています。特にフォームから何かを直接購入する場合や、長期的な関係を構築する場合は理想的です。日本においても健康食品やコスメティックなどの「リピート通販」業種のランディングページが長いことも頷けますね。

短いランディングページは、数を稼げる

 一方ランディングページが短い場合、訪問者の気をそらす要素が少なくなるため、コンバージョンしやすくなると言われています。特に無料のホワイトペーパーのダウンロードやメルマガ登録など、訪問者にとってリスクの低いものであれば、ランディングページは短い方が理想的です。そういった目的で活用するユーザーを要するHubspot社のようなマーケティングクラウド提供企業が「ランディングページは簡潔にすべき」と啓蒙ケースが多い背景にはこの点にあるのかもしれません。

まとめ

 いかがでしたでしょうか。ランディングページの歴史は古く、ウェブマーケティングを行っている場合、個人・団体問わず必ず運用している重要なツールです。今回は定義と大まかなルールをご説明しましたが、もちろん細かいTIPSやトレンドも数えきれないほど存在します。

 そして私たちは『WiLL Form』というランディングページ作成ツールを提供する一方で、当然ランディングページを運用する身でもあり、日々ABテストと効果検証を繰り返しています。こちらも随時紹介していきますね。皆さんのお役に立てばうれしく思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。

著者
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