ECサイトなどで商品が売れた後に送る、顧客へのフォローアップメール(以降:購入後メール)は、メールマーケティングにおいて極めて重要な戦略のひとつです。
購入後メールを上手く活用すれば、より多くのリピート注文を獲得して、長期的にビジネスを成長させることができるでしょう。逆に購入後メールの内容が不十分だと、顧客はリピーターにはなってくれず、売上を安定させることが難しくなります。
そこで本記事では、購入後メールとはどのようなものなのか、そしてどのように活用すればリピーターを増やして、売上をアップさせることができるのかについてご紹介していきます。
WiLL Mailで購入後メールを送ろう! |
【目次】
購入後メールとは、ECサイトなどからお客様が商品を購入した後に送る、あらゆるメールのことを指します。通常は、購入直後、商品発送時に送る、購入に関する重要な情報を含むトランザクションメールが挙げられますが、それだけが購入後メールではありません。
購入後メールには、他にも様々なアイデアがあります。詳しくは後述しますが、お客様が商品を受け取った後に送るレビュー依頼メールや、セールや新商品のお知らせメールなど、メールを介した顧客とのコミュニケーションは、すべて購入後メールだと考えることができます。
購入後メールは、以下のような目的で使用することができます。
それぞれの目的に対応したメールの内容と送信日時のタイミングを綿密に検討し、可能なものはメール送信を自動化することによって、効果的な購入後メールのフローを作成することができます。これはメールアドレスリストに登録されているすべての連絡先に一斉送信メールを送るのとは、全く異なるアプローチです。
ビジネスにおいて、「新規顧客の獲得には、既存顧客の維持よりも5倍以上のコストが掛かる」「売上の8割は全顧客の2割のリピーターが生み出している」などと言われています。つまり、新規顧客を獲得するよりも、既存顧客を維持することの方が、簡単で収益性が高いと言うことです。
売上はゴールではなく、顧客との関係構築の始まりに過ぎません。適切な購入後メールのフローを構築して、顧客に安心感、信頼感、価値、情報といったものを提供し続けることが重要になります。購入後の継続的なエンゲージメントがリピート注文を促進し、顧客維持率を高めることにつながります。
ここからは、売上をアップさせるために顧客に送るべき、7つの購入後メールについてご紹介していきます。
注文確認メールは、お客様が注文した直後に送信する、最初の購入後メールです。通常、注文確認メールには、注文番号、注文者情報、支払い方法、配送情報、商品詳細、注文金額など、注文に関する重要な情報が記載されています。
注文確認メールの目的は、お客様に安心感を与えることです。購入直後のお客様が気になることを迅速に伝える必要があります。メールを送信するタイミングは、購入完了と同時に、あらかじめ用意しておいたメールテンプレートに沿って、メールが自動送信されるように設定しておきます。
注文確認メールは、統計的に開封率が高い傾向にあります。これを上手く利用して、次回購入の動機付けを行うことができないか一度検討する価値があります。メールテンプレートに少し手を加えるだけで、大きな差が生まれます。テンプレートそのままでは少しもったえないかもしれません。
例えば、次回利用できるクーポンコードの記載や、現在利用可能な保有ポイント、ソーシャルメディアの共有リンク、お客様紹介特典なども含めることができるでしょう。特典を提供しない場合でも、おすすめのブログ記事、注文に関するよくある質問、サポート問い合わせ方法など、お客様にとって有益な情報や価値を提供できないか検討してみましょう。
ただし、開封率が高いからと言って、注文確認メールに、アップセルやクロセルのおすすめ商品を含める場合には注意が必要です。急な売り込みは、お客様の信頼を失う可能性があります。商材によっては有効な場合もあるかもしれませんが、注文確認メールの目的は、あくまでも「安心感」と言う点から外れないことが重要です。
注文直後に自動送信される注文確認メールとは別に、店舗スタッフが手動で送信するお礼メールも、お客様に安心感を与えるための有効な購入後メールです。お客様に対して感謝の気持ちを伝えるとともに、注文が確定し、発送準備に入ることなどを伝えましょう。
インターネットでのショッピングは、実店舗でのショッピングよりも高い信頼を必要とします。機械的に自動送信される注文確定メールとは別に、お礼メールを送ることで、お客様は自分の注文が受理され、商品発送に向けて、誰かがきちんと動いてくれていると言う安心感を得ることができます。
店舗規模やスタッフ人数、注文件数などによって、1件ずつお礼メールを送信できない場合については、注文確認メールの内容を綿密に設計し、お客様に不安を抱かせることのないようにしましょう。当たり前のことですが、カスタマーサポートへの連絡先や問い合わせ時間帯をしっかり記載しておくことも重要です。
商品発送メールの目的は、お客様に注文した商品がやっと届くと言う期待感や、いつ誰が届けてくれるのかと言う安心感を与えるためのものです。商品が発送されたこと、配送先、お届け予定日時、配送業者、荷物の追跡番号・追跡用URL、注文内容、返品条件などをお知らせします。
商品発送メールには、上記のような基本的な要素を盛り込みつつ、顧客エンゲージメントを高めるための工夫を少し凝らしてみましょう。例えば、商品の活用方法を紹介した動画のURLや、ソーシャルメディアの関連画像を掲載することによって、お客様の期待や商品到着後の体験を向上させることができます。
また、このタイミングで、次回利用できるクーポンコードなど、顧客定着率やリピート購入率を向上させるための施策を盛り込んでも良いでしょう。
お届け確認メールとは、商品が到着後のスケジュール(例えば発送から1週間後など)で自動送信される、商品が到着したことを確認するためのメールです。
お届け確認メールの目的は、お客様との間に信頼関係を築くことと、もし本当に何か問題があった場合に、迅速な対応が取れるようにすることです。例えば以下のような質問を入れると良いでしょう。
商品の発送ミスや、お届けの遅延は、どれだけ気をつけていても起こってしまう場合があります。こういった問題にいち早く気が付き、対応できるようにしておくことで、信頼できる会社であると言う印象を持ってもらうことができます。
メールの内容は複雑である必要はありません。「お客様のことを大切に思っているので、問題が無かったか確認したかった」と言うことをシンプルに伝えられれば十分です。このタイミングで売り込みを入れる必要はありません。
レビュー依頼メールとは、商品お届け後に、購入した商品やお店の対応が適切だったかについて、フィードバックを求める購入後メールです。レビューの入力は、採点形式、アンケート形式、自由記述形式などで行われます。
レビュー依頼メールの目的は、商品やサービスの改善に役立つ情報を収集することと、商品やサービスの問題をいち早く発見し、同じ問題でさらに顧客を失うことが無いように対策をすることです。
メールを送るタイミングとしては、商品お届け直後ではなく、お客様が実際に商品を十分に試したであろう期間を考慮して、メール送信のスケジュールを設定します。扱う商材によって期間は異なりますので、それぞれ最適なスケジュールを検討しましょう。
レビュー依頼メールには、以下のような内容を伝えると良いでしょう。
レビュー依頼メールを送ってもなかなかレビューが集まらない場合は、レビューと引き換えに特典を提供する方法も検討してみましょう。過度な特典を付ける必要はありません。
ハウツーメールとは、商品お届け後に送る、お客様が購入した商品の使い方のコツ、活用方法、メンテナンス方法などのヒントをお知らせする購入後メールです。商品購入後の体験は、リピート購入や顧客維持率を高めるために非常に重要です。売りっぱなしではいけないと言うことです。
お届けした商品をきちんと使えているかを確認し、問題があればそれを解決するための方法を、よくある質問や活用方法のコンテンツをメールで案内します。商品を販売した専門家としてのアドバイスをすることで、お客様の信頼を獲得することができます。
このタイミングで、購入商品に関連するオプション商品などをさりげなくお勧めするのも良いでしょう。お客様ごとにパーソナライズされたメールを送ることで、顧客エンゲージメントを高めることができます。
レコメンドメールとは、お客様の購入した商品情報やWebサイトの閲覧履歴、また他の顧客の購入・閲覧履歴を基に、お客様ごとにパーソナライズされたおすすめ商品情報を送る購入後メールです。リピート注文を促すために効果的なレコメンドメールには、以下のようなものがあります。
新入荷や再入荷メールは、ECサイトで最も利用されるメールのひとつですが、ただ闇雲にメールを送っても、なかなかコンバージョンは上がりません。購入履歴やユーザー趣向データから、お客様ごとに興味の高い商品カテゴリーや商品ブランドの新入荷・再入荷情報を届けることができれば、お客様にとって価値の高いメールとなり、コンバージョン率の改善が期待できます。
既存顧客が過去に購入した商品に関連する商品(例えば、オプションのアクセサリー商品など)を、おすすめ商品として提案することは、顧客エンゲージメントを高めるための有効な方法です。クロスセル商品の提案を成功させるポイントは、購入商品と提案商品の関連性の高さです。あらかじめ商品や商品カテゴリーごとにクロスセル商品を設定しておく方法や、レコメンドエンジンを利用する方法、手動でおすすめ商品を選ぶ方法などがあります。
主に化粧品などの消耗品を購入したお客様に、商品を使い切りそうなタイミングで、商品の買い足しを促すメールを送信します。補充メールはタイミング重要です。適切なタイミングで提案することができれば、押し付けがましくなく、お客様にとって利便性の高いメールとなり、リピート注文の獲得につながります。期間限定の割引クーポンなどを添付して緊急性を持たせたり、高価格帯のアップセル商品を提案するのも効果的です。
割引セールなどのキャンペーンをお知らせするメールは、訴求力が高いため、既存顧客を購買サイクルに戻すための有効な購入後メールです。ただし、顧客は、他でもセール情報や割引クーポンなどを見慣れているため、適切なパーソナライズを施すことが重要です。例えば、セール開催のお知らせと共に、顧客の興味ある商品写真と割引価格をHTMLメールで提案すれば、顧客から良い反応が得られる可能性は高くなるでしょう。
誕生日メールとは、顧客の誕生日に送るパーソナライズメールです。通常、誕生日月に入る直前、または入った直後のタイミングで、お祝いのプレゼントとして、割引クーポンなどの特典を添えて送ります。誕生日メールの目的は、顧客エンゲージメントを高めることと、リピート注文を促すことにあります。
誕生日メールは、通常のキャンペーンメールに比べて、顧客の注意を引きやすく、高い開封率、クリック率、コンバージョン率が期待できます。提供するプレゼント特典は、メールを開いて行動を移すのに十分な魅力を持たせる必要があります。
また、他店からも誕生日メールが多数届いている可能性が高いことも想定して、誕生日メールがその他多数に埋もれてしまわないように、メールの件名、プレゼントの内容、送信のタイミングなど、パーソナライズできる余地がないか検討してみましょう。
ただし、誕生日メールを受け取った人が、本当に嬉しくなるような内容であることが一番大切です。売りたい商品を一方的に掲載したり、使用期限が極端に短いプレゼント特典だったりすると、逆にお客様をガッカリさせる誕生日メールになってしまう可能性がありますので注意してください。
ウィンバックメールとは、メールを送っても反応が無かったり、ある一定期間、購入がない顧客に対して送る購入後メールです。ウィンバックメールの目的は、顧客が完全に離反してしまう前に、再び購入サイクルに戻すことです。
ウィンバックメールは、離反しかけている顧客の特定と、メールを送るタイミングが重要です。非アクティブな状態が1年も2年も経過してしまった休眠顧客にメールを送ったとしても、既に手遅れの場合も多く、顧客が戻って来てくれる可能性は低くなります。
まずは、既存顧客全体のデータ(購入頻度、アクセス頻度、メールのクリック率など)から、顧客が離反する兆候をデータとして集計・分析し、ウィンバックメールを送る適切なタイミングを検討しましょう。
また、ウィンバックメールには、顧客がメールを開いて、再びお店との関係を維持したくなるような、魅力的な購入特典を提供するのが一般的です。ポイントサービスを導入している場合は、保有ポイントや有効期限をお知らせするのも効果的です。
いかがでしたでしょうか。購入後メールを上手く活用することで、既存顧客との関係を維持し、リピート注文を獲得して、安定して売上をアップさせることができます。
重要なポイントは、それぞれの購入後メールの目的をきちんと理解し、適切なタイミングでメールを送ることです。オートメールやステップメールでメール送信を自動化して、メールマーケティング全体を効率化することも忘れないでください。
また、どのような内容の購入後メールが効果的なのか、いろいろなパターンを試してみてください。あらかじめ用意されたテンプレートのままだったり、最初に作ったきりメールの内容を変更していない場合は、ぜひこの機会に、メールキャンペーン全体を見直してみてください。
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