こんにちは。WiLL Cloud運営事務局です。人が手動で行う繰り返しのマーケティング業務を自動化・効率化する『マーケティング・オートメーション(MA)』が少しずつ浸透しています。このMAの登場によって近年改めて注目を集めているのが、ウェブ・マーケティング業務自動化の元祖ともいえる『ステップメール』です。今回は、その定義や効果的な作成方法などを細かく具体的にご紹介します。
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『ステップメール』とは、シンプルにいうとあなたが定めた順番と配信頻度に基づいて特定の購読者に自動的に送信される一連の複数のメルマガのことです。
以下のようなかたちで送られるメルマガを受信されたことはないでしょうか?
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これらが『ステップメール』です。いずれも購読者に対して、ひとつの行動を促すために一連のメール(シナリオ)を作成し配信します。
こうした複数のステップではなく、ひとつのメールを自動で送信するケースもあります。例えば新規登録したユーザーに対して自動でお礼メールを送るときや、登録から1年後に感謝のメールを送るとき、誕生日にバースデーメールを送る場合などです。こうした自動的に送る1つのメールは『オートメール』とも言われます。ユーザーへの感謝や、登録したサービスによってどういったメリットがあるかが簡潔に書いてあります。
バースデーメールはさておき、可能であれば『オートメール』を用いたお礼メールのみだけではなく、最終的に読者に価値をもたらすメッセージを何度か送るような設計をした方が理想的です。
『ステップメール』を活用するメリットは、自動化による業務効率化だけではありません。以下のようなメリットも存在します。
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『ステップメール』で具体的にどういった内容を送るべきなのでしょうか。いくつかの例をご紹介します。
皆さんの会社は何をしているのか、サービスを始めたきっかけは何か、あなたが提供するサービスによってユーザーは何を得ることができるか。こういったあなた自身について時間をかけて、順を追って紹介することで、購読者と信頼関係を築きます。
読者に5分くらいで実施できる簡単なヒントを与えることも、最終的なゴール(初回購入や新規登録)へ導くのに効果的です。例えばマーケティング・ツールを提供する企業の場合は「初心者でもわかるグーグルアナリティクスの使い方」、ペット向け製品を扱っている企業の場合は「ペットのしつけ方」など。こうした読者に関連する物事のヒントを与えることは、読者に対して「ステップメールを受け取ること=自分に関わる便利な情報を得ること」として関連付けを行えます。
皆さんが提供する製品やサービスによって、素晴らしい効果を得たユーザー、顧客の成功事例を紹介してみましょう。数値でどのくらい改善されたかが示されていれば、説得力がより高まります。こうしたケーススタディには、読者がよりイメージしやすいように、皆さんのサービスや製品を使用する際のアドバイスも含めましょう。
読者にメールの中で質問をし、答えを返信してもらうように依頼することもひとつの手です。普段から苦労していることは何か、または今直面している課題は何か、どうやって自分のサイトを見つけたかなどを尋ねます。こうしたやりとりによって得られた情報は、みなさんにとってとても貴重な情報になります。ステップメールの改善案やブログやコラム、他のコンテンツのためのアイデアとしても役立てることができるでしょう。
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ここからは『ステップメール』の具体的な作成手順についてご紹介します。
ステップメールは様々な目的で利用されています。目的は大きく4つに分けられます。具体的なシナリオを作成する前に、以下の目標の1つ(またはその組み合わせ)を定めましょう。
初めて皆さんと接触したユーザーを歓迎することを目的にステップメールを送ります。「ウェルカム・メール」とも言われます。「購読いただきありがとうございます」というお礼のメッセージのほか、ホワイトペーパーや会員限定のビデオなど、購読してくれた代わりに提供するインセンティブがある場合、それらをダウンロードできるリンクを設置します。最も人気のあるコラム・ブログ記事への誘導リンクを含むこともあります。
こうしたメールを送ることは、新しく加入した購読者をもれなく同じクオリティでもてなせるため、皆さんのサービスや事業のファンに変えられる、つまり顧客化させる重要な機会となります。
例えば、仮にあなたがECサイト構築システムの無料トライアルに登録したとします。登録と同時に、あなたはECサイトを構築する方法に関する一連のステップメールを受信し始めます。
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こうした一連の「ウェルカム・メール」によって、顧客にECサイトの成功例とそれを実現するツールの使い方を教え、本契約へのコンバージョン数を増加させる戦略です。
ダイエットや英会話など、顧客にとって一定の継続性が必要な関連したサービスや製品を販売している場合、『ステップメール』を通じて、提供しているサービスに関する無料の短いレッスンやチャレンジを提供するケースがあります。
こうした短いレッスンやチャレンジは、数日間または数週間にわたって、学習内容を含んだ複数のメールを配信することを購読前にユーザーに約束します。
具体的な事例を紹介します。米国でグリーンスムージーを流行らせたコミュニティサイトでもあり、レシピアプリやレシピ本の販売元でもある『Simple Green Smoothies』の場合、Green Smoothie Challengeという7日間のショートチャレンジが用意されています。これにメールアドレスを登録すると、レシピや買い物リスト、関連するヒントを毎日メールで受け取ることができます。読者は7日間を通じて、グリーンスムージーがいかに健康に効果的かをチャレンジを通じて実感できるというわけです。
こうしたコンテンツは「知覚価値」が高くファン育成に非常に効果的な戦略といえます。
『ステップメール』を使ってセールスファネルを作成することは、マーケティング担当者が採用している一般的な戦略です。セールスファネルとは、皆さんの製品・サービスを認識されてから購入に至るまでに顧客が絞り込まれる様を漏斗(funnel:ファネル)で表現したものです。
例えば、ECサイトの場合、『ステップメール』を用いて、購読者がウェブで閲覧したことのある商品訴求を行う場合もあります。たとえば「商品カテゴリページを訪問した◯日後に、該当カテゴリの人気3商品を案内する」といった具合です。
ステップメールを用いた販売の可能性は無限に広がります。
購入済みの既存顧客をリピート顧客にするために『ステップメール』を利用するケースもあります。扱っている製品・サービスによっては、アップセルまたはクロスセルにつながる関連製品を提案できるということです。
たとえば、デジタルカメラを購入した後に、出荷前の何日か前にレンズ、三脚、その他の付属品を提案するといった利用方法も可能になります。
頻繁に購入される商品(おむつや食べ物、使い切りの製品など)を販売している場合、注文の時期がわかれば、自動的に新しいアイテムの訴求を送信することもできます。
ステップメールの目標・ゴールが定まったら、次にシナリオのアウトラインを作成します。何日間に渡って送るのか?そしてその間いくつのステップメールを送るのか?こういったことを決めてシナリオ全体を把握する必要があります。
ステップメールの数には、厳格なルールは存在しません。また、最適な方法というものも明確には存在しません。皆さんが定めた目標を達成するために必要な長さが最適なのです。目的、セグメント、購読者の好みなどによっておのずと長さが決まるはずです。
簡単な「ウェルカム・メール」であれば3ステップ程度のシナリオでも良いでしょう。 もし「無料お試しサービス」にきちんとログインさせることを目的とした場合、育成用のメールを10ステップ以上用意する必要があるかもしれません。
このようにサービスや目的によってステップ数は大きく異なるため、当社が提供する「WiLL Mail」のステップメールにもステップ数に制限は設けていません。
ステップ数とあわせて、各ステップの送信間隔を検討しなければなりません。これも標準的な間隔は存在せず、目的に応じて変わってきます。
例として「無料お試しサービス」に登録した人たち(見込み客)の育成を目的としたメールを送る場合の配信間隔について考えてみましょう。この場合、見込み客がそのサービスを実装するタイミングと、メールに記載されたチュートリアルの内容を理解する時間を考慮しなければなりません。つまり間隔が短すぎると見込み客がコンテンツについていけなくなってしまうことも考えられます。もし1か月に1回レベルの間隔にしてしまったら、無料サービスを利用していることを忘れてしまう可能性があります。これでは優良顧客にさせることは難しくなります。
「ウェルカム・メール」なら2日に1回でも良いでしょう。購読者が意図的に受け取ったクーポンが期限切れに近づいた場合、リマインドのようなメールを1日に1回程度送信しても、読者にとって違和感はありません。
『ステップメール』は大きく「価値を与えるステップ」と「収益を生むステップ」に分けられます。つまり「価値を与えるステップ」で顧客に有益な情報をもたらし、「収益をつくるステップ」で売上げに結びつけるということです。
これまで説明したことを踏まえて、パターン例をご紹介します。
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『ステップメール』には80対20の法則が適用されると言われることがあります。つまり「価値を与えるステップ」の割合の方が「収益を生むステップ」の割合よりも多い方が理想的なバランスということです。
目的、ステップ数や間隔が決まったら、いよいよ実際のコンテンツを作成します。これにはそれなりの時間が必要になるでしょう。「ウェルカム・メール」のような短いステップであっても苦戦するかもしれません。ですが、一度しっかり作ってしまえば、あとは自動的にメールが配信されることが大きなメリットですので、初期投資と考えて集中できる時間を設けましょう。
前の手順とも重複しますが、コンテンツ作成や各ステップの間隔設定は「ステップメール」機能を搭載したメール配信システムで行います。コンテンツ作成が完了したら、購読希望完了日の◯日後の◯時に配信・・・と順番に設定を行いましょう。
すべてのステップを設定したら、テストを行いましょう。誤字脱字、リンク先の確認はもちろんあらゆるデバイスでちゃんと受け取れるかどうかも確認しましょう。できればご自身のアドレスを用いて実際の日にち通りに一連のステップメールを受け取ることが理想です。
高い効果を得るためには、ステップメールのパフォーマンスをチェックして、改善点を特定する必要があります。
ステップメールの効果検証で注意を払う必要がある指標は主に次のとおりです。
メールは開かれなければ意味がありません。ステップメールの場合は、最初のメールが開かれなければ次のステップも開かれない可能性が高まります。
開封率が低い場合は、次の点を確認してください。
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全業種におけるメルマガの平均開封率は22.87%といわれています。
読者がメールを開いた後、皆さんが期待する行動を取ってくれているでしょうか?クリック率が低いと思われる場合は、本文の見出しや文章が効果的でない可能性があります。次の点を考慮してみましょう。
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全業種におけるメルマガの平均クリック率は3.26%といわれています。
配信停止希望者がゼロというメルマガはありえませんので、配信停止する読者がいること自体は問題ありません。興味が顕在化する前に、あまり高いモチベーションでない状態でなんとなく登録してしまう人も当然いるものです。
ただし、あまりに高い配信停止率は、潜在的な顧客が失われていることを示している可能性もあります。
全業界における平均配信停止率は0.53%です。パーセンテージが高い場合は、次の点を確認してみましょう。
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最後に、より効果的なステップメールを作るにあたって、心がけたほうが良いポイント、なるべく避けたほうが良いポイントをご紹介します。
たとえば登録者に無料の資料や事例集を提供すると訴求している場合、初回のメールでダウンロードリンクを案内して、すぐに欲しいものが手に入るようにしましょう。
繰り返しになりますが、ステップメールは、読者に価値を与える役割が重要です。読者にとって便利な情報を提供する必要があります。読者は専門的な情報が得られると期待しています。可能であれば、すべてのステップメールで何かしら読者が学びになるものがあることが望ましいです。
読者は、自分がよく活用するソーシャルメディア上でのやりとりを望んでいるかもしれません。もし運用しているのであれば、facebookやtwitterなどのアカウントのリンクも設置しておきましょう。
価値があるコンテンツを提供するということは、コンテンツが最新の情報である必要があります。よって、時間の経過とともにレビュー、編集、追加を検討しましょう。皆さんが送っているステップメールが読者と関連性があり有用であることを定期的に確認してください。
ここまで記述したように、ステップメールをうまく活用すれば読者との信頼関係を築き、ひいては収益への貢献も期待できます。少なくとも3つ程度のステップメールを送信しましょう。競合との差別化も行えます。
強い印象を与える場合でも、1日に1回のメールで十分でしょう。特に深い理由がなければ、1日に複数のステップメールを送るべきではありません。
ステップメールのシナリオと同じタイミングで一斉配信のメルマガを送ると、効果が鈍ったり、くどいと思われる可能性があります。ステップメールで設定した時間帯と一斉配信メルマガを送る時間帯が重複することは避けましょう。
シナリオの中で、読者の関心に関わるサービスの訴求を行うことは大丈夫ですが、すべてのステップで売り込みをしてしまうと、信頼関係を構築することはできないでしょう。
ステップメールは、読者へメールを自動的に送る以上の価値を持っています。しかし実施にあたってはやるべきことや考えるべきことがたくさんあります。加えて技術的な設定やHTMLメールの作成などを行うことを考えると不安になってしまうかもしれません。
そういった技術的な部分は、当社の『WiLL Mail』のようなメール配信システムによって簡易化が可能です。『WiLL Mail』には、誰でも簡単にステップメールを作成し、効果検証が行える機能を用意しています。ご興味があればぜひお問い合わせくださいね。
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最後までお読みいただきありがとうございました。