初心者向け|GA4でメルマガの効果測定を行うための手順と注意点

初心者向け|GA4でメルマガの効果測定を行うための手順と注意点(Vectors by Vecteezy)

 企業のメルマガ担当者の皆様、「開封率やクリック率は測定しているけれど、その後のWebサイトでのユーザーの行動までは追えていない…」と感じていませんか?

 本記事では、初心者向けにGoogleアナリティクス4(GA4)を活用してメルマガ経由のアクセスを効果的に測定する手順と注意点をわかりやすく解説します。

 メール配信システムだけでは見えないユーザーの行動を把握し、より精度の高いメールマーケティング戦略を実現するためのポイントをお届けします。

GA4連携でメルマガの効果測定がもっとスムーズに!
メールマーケティングの新たなステップを体験しよう!

WiLL Mailの14日間無料トライアルを始める »

メルマガの効果を測るための2つの重要な視点

 メルマガの効果を正確に評価するためには、次の2つの視点からの分析が重要です。

1. メール配信システムの指標を活用した分析

 メール配信システムが提供する開封率やクリック率、配信エラー、CV率などを活用し、配信したメルマガ自体の効果を評価します。

 これらの指標は、メルマガコンテンツの改善点の発見や、ターゲティングの精度向上に役立ち、メールマーケティング戦略を改善するための指針となります。

2. GA4を使ったユーザー行動分析

 メルマガを経由して、Webサイトを訪れたユーザーの行動を分析するためには、GA4を使用します。

 GA4では、ユーザーが閲覧したページや滞在時間、ユーザー属性、エンゲージメント率、コンバージョン率など、詳細なデータが取得できます。

 メール配信システム側の指標と、GA4の指標を組み合わせることで、メルマガの効果を多角的に分析し、総合的に評価することができます。

GA4でメルマガ経由のアクセスを測定するための手順

 GA4を使ってメルマガ経由のアクセスを追跡するには、メルマガのリンクに「UTMパラメーター」を追加する必要があります。その設定手順について解説していきます。

手順1. UTMパラメーターを設定する

 まず、UTMパラメーターとは、WebサイトのURLに付け加えるタグのようなものです。このタグを追加することによって、GA4はメルマガ経由のWebサイト流入であることを正しく認識することができます。

URLパラメーターの説明画像

 メルマガで使用する基本的なパラメーターは以下の3つです。

1. utm_source

 ユーザーが「どこから来たのか」を示すパラメーターです。utm_sourceは、メールのタイプや目的に応じて使い分けるとより詳細な効果測定が可能になります。

utm_sourceの設定例

  • utm_source=newslatter(一般的なニュースレター)
  • utm_source=new_product(新商品の発売告知)
  • utm_source=promotion_email(セールやキャンペーンのお知らせ)
  • utm_source=blog_update(ブログ記事の更新通知)
  • utm_source=system_update(定期アップデート情報) など

◎ヒント:utm_sourceに設定する値は任意で設定できますが、あまりにも細分化してしまうと、逆に分析が複雑になる可能性があります。1つの値に固定するか、適度な範囲で区分けして使用しましょう。

2. utm_medium

 ユーザーが「どのチャネル」から来たのかを示すパラメーターです。メルマガでは通常「utm_medium=email」と設定します。

 「utm_medium=email」と設定することによって、SNSや広告など他のチャネルと区別され、GA4で「メール」経由のアクセスとして正しく分類される可能性が高くなります。

◎ヒント:utm_mediumに設定する値は、「email」以外の文字列も任意で設定できますが、すべてのメールキャンペーンで一貫性のある文字列を使用しましょう。

3. utm_campaign

 ユーザーが「どのキャンペーン」から来たのかを示すパラメーターです。utm_campaignには、日付など特定のメールを識別するための固有の値を付けるようにするのがポイントです。

設定例

  • utm_campaign=mail_20240811(2024年08月11日配信分)
  • utm_campaign=summer_sale_mail_20240811(サマーセールの8/11配信分)

◎ヒント:UTMパラメーターに設定する値は、大文字と小文字が区別されます。また、スペースや特殊文字は使用しないようにしましょう。

パラメーターは3つとも設定する必要がありますか?

 メルマガ経由のアクセスを正確に追跡し、効果測定を行うためには、3つのパラメーター(utm_source、utm_medium、utm_campaign)をすべて設定することを強くお勧めします。これにより、メルマガ経由のユーザーの行動データがGA4に正確に記録され、分析の基盤が整います。

 utm_source、utm_mediumのいづれかの設定が欠けている場合、GA4はメルマガ経由のアクセスを正しく識別できず、「参照元なし」として扱われたり、他のチャネルからアクセスと混同される可能性があります。

 また、utm_campaignが未設定の場合、どのメールからのアクセスかを特定できず、効果的なメルマガの分析が難しくなります。

 UTMパラメーターの作成は、Googleが提供している「キャンペーンURLビルダー」などのツールを活用すると簡単に設定できます

キャンペーンURLビルダーの画面イメージ

▼キャンペーンURLビルダー(外部サイトへ遷移)

手順2. メルマガのリンクにUTMパラメーターを追加する

 次に、メルマガ内の各リンクに、手順1で作成したUTMパラメーターを追加します。

 テキストメールやHTMLメールのリンクが設定されている部分に、UTMパラメーターを追記していきましょう。

UTMパラメーターの追記ルールは以下の2点です

  1. 通常のリンクの末尾に「?」を付けて追記する
  2. 各パラメーターは「&」でつなげる

UTMパラメーターの追記例

▼通常のリンク
https://willcloud.jp/

↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓

▼UTMパラメーターを追記したリンク
https://willcloud.jp/?utm_source=newslatter&utm_medium=email&
utm_campaign=20240811

◎ヒント:UTMパラメーターは、テキストメールでもHTMLメールでも利用可能です。

手順3. テストメールを送信しパラメーターを確認する

 最後に、テストメールを送信し、正しくUTMパラメーターが設定されているかどうかを確認します。

 具体的な確認手順は、受信したメールのリンクをクリックし、Webブラウザのアドレス欄に表示されたURLを確認しましょう。

ブラウザのURLを確認するイメージ

 リンクに設定したUTMパラメーターが正しく追加されていれば、GA4でメルマガ経由のアクセスを測定できるようになります。

 GA4の管理画面でUTMパラメーターを確認する方法については、次の章で解説します。

【重要】GA4側のイベント設定・コンバージョン設定は完了していますか?

 GA4でメルマガの効果測定を行う前に、GA4側のイベント・コンバージョン(キーイベント)設定が正しく行われているかどうかを再度確認しておきましょう。

 GA4にはデフォルトで設定されているイベントがあり、すでにコンバージョン設定が完了している場合も多いと思います。しかし、メルマガ経由のアクセスについては、新たなカスタムイベントを作成し、コンバージョンとして設定することで、効果測定の精度が上がる場合があります。

 例えば、メルマガ限定の資料をダウンロードした場合などです。このアクションをGA4でカスタムイベントとして登録し、コンバージョンとして設定すれば、メルマガからの成果をより明確に把握することができます。

 GA4で新しいイベント・コンバージョンを追加する手順はシンプルで簡単なので、必要に応じてメルマガ専用のイベントを設定し、効果測定の精度を高められるようにしましょう。

GA4連携でメルマガの効果測定がもっとスムーズに!
メールマーケティングの新たなステップを体験しよう!

WiLL Mailの14日間無料トライアルを始める »

GA4でUTMパラメーターを確認する方法

 GA4で設定したUTMパラメーターが正しく機能しているかを確認するには、GA4の管理画面から「レポート > ライフサイクル > 集客 > トラフィック獲得」の順にクリックしてください。

GA4の管理画面上でのUTMパラメーター確認イメージ

 セッションの種類の選択肢から、「参照元(utm_source)」「メディア(utm_medium)」「キャンペーン(utm_campaign)」などに表示を切り替えることで、それぞれの指標を確認することができます。

セッションの種類を切り替えるイメージ

 デフォルトでは、以下の主要な指標がレポートに表示されます。

指標 説明
セッション 1ユーザーあたりのWebサイトへの訪問回数
エンゲージのあったセッション数 ユーザーが積極的に活動した回数
エンゲージメント率 ユーザーが積極的に活動した割合
セッションあたりの平均エンゲージメント時間 ユーザーが積極的に活動した時間の平均
セッションあたりのイベント数 1セッションあたりの平均イベント発生数
イベント数 全セッションの合計イベント数
キーイベント コンバージョンが発生した回数
セッションキーイベントレート セッション中にコンバージョンが発生した割合
合計収入 合計収益額(eコマース設定が必要)

 必要に応じて表示する指標や期間をカスタマイズし、メルマガ経由のアクセスがどれだけ効果を発揮しているかを測定しましょう。

GA4でUTMパラメーターが表示されない場合

 GA4で設定したUTMパラメーターが表示されない場合は、以下の点をチェックしてください。

1. メルマガのリンクURL

 メルマガ内のリンクに正しいUTMパラメーターが設定されているか確認してください。パラメーターの途中にスペースや改行が含まれていると、正しく認識されない場合があります。

 また、短縮URLを使用している場合も、正しく認識されないことがあります。

2. GA4の表示設定

 GA4のレポートのカスタマイズやフィルタ設定を見直しましょう。これらの設定がUTMパラメーターの表示を非表示にしてしまっている可能性が考えれます。

3. メールクライアント等の影響

 ユーザーの使用しているメールクライアントやセキュリティソフト、Webブラウザ等の影響によって、リンクに設定したUTMパラメーターを自動的に削除・変換する場合があります。

 その場合、メルマガ経由のアクセスは、ノーリファラー(参照元なし)として計測される可能性があります。

GA4でメルマガ効果測定を行う際の注意点

 UTMパラメーター付きのリンクを経由して、GA4でアクセスを追跡する際には、ユーザーの使用しているメールクライアント、セキュリティソフト、Webブラウザなどの影響で、正確にデータが集計されない場合があります。

 そのため、集計データに多少の誤差や遅延が生じることを考慮しておく必要があります。この問題を補うには、メール配信システム側で提供される分析データも併用するのが有効です。

 例えば、メール配信システムで取得できるクリック数と、GA4のセッション数を比較することで、より正確で多角的な効果測定が可能になります。

GA4とメール配信システムを連携するメリットと活用方法

 一部のメール配信システムは、Googleアナリティクス(GA4)との連携機能を提供しています。この機能を使うと、UTMパラメーターの設定が自動化され、メルマガ内のリンクに手作業でパラメーターを追加する手間が不要になり、設定ミスも防ぐことができます。

 また、メール配信システムで設定したメルマガごとのキャンペーン名(utm_campaign)がGA4に反映されるため、各キャンペーンの配信結果を簡単に比較・分析することができます。

▼メール配信システム側でキャンペーン名を設定する

メール配信システムのGA連携機能の設定画面イメージ

▼設定したキャンペーン名がGA4側に反映される

GA側で設定したキャンペーンが表示されるイメージ

 メール配信システムとGA4を連携させることによって、メール配信業務が効率化されるとともに、精度の高い効果測定を行うための環境を整えることができます。

まとめ

 メルマガにUTMパラメーターを設定することで、メルマガ経由のアクセスからWebサイト上のユーザー行動までを追跡し、メルマガの効果をより正確に評価できるようになります。

 さらに、メール配信システムとGA4を連携させれば、UTMパラメーターの手動設定が不要になり、メルマガの効果測定の効率化と精度向上が期待できます。

 まだUTMパラメーターを設定していない方は、ぜひ試してみてください。メールマーケティングの成果を高めるための重要なステップになるはずです。

GA4連携でメルマガの効果測定がもっとスムーズに!
メールマーケティングの新たなステップを体験しよう!

WiLL Mailの14日間無料トライアルを始める »

著者
WiLL Cloudマーケティングチームのロゴ
WiLL Cloud マーケティングチーム ウェブマーケティングに関する情報をお届けするブログです。皆様に役に立つ情報、アップデート、イベントなど、様々なことを発信します。

メルマガ登録 »