機械学習やテクノロジーの進歩によって『レコメンドメール』というマーケティング手法に、近年あらためて注目が集まっています。『レコメンドメール』は、データを駆使して顧客に最適な商品を提案できるため、オンラインストアにとって強力なツールです。今回はこの『レコメンドメール』とは何か、どういった効果が期待されるのか、具体的にどういう構成なのかを説明いたします。
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『レコメンドメール』とは、『レコメンド』と『メールマーケティング』という2つを組み合わせたウェブ・マーケティング手法・技術を指します。『レコメンドエンジン』によって蓄積された読者の属性(男性・女性など)や行動履歴(サイトに訪問した/商品を見た/商品をカートに入れた など)に基づいて、ひとりひとりに最適な内容のメルマガを配信することで、収益アップを図ります。よって『レコメンドメール』は、主に大量の商品を扱うECサイトが利用する手法です。
『レコメンド』とは、行動履歴や購入履歴、好みが近しい他のユーザー情報を元に最適な商品・サービスを絞り込んで、訪問者にお薦め商品・サービスを提示する手法です。
ユーザーごとの『レコメンド』情報を生成するためには、様々なアルゴリズムが用いられています。下記が代表的なレコメンドのアルゴリズムです。
『ユーザーの購買・行動履歴』をもとにしたアルゴリズムです。例えば、AというTシャツを買った人は、Bという靴を買うケースが多い傾向の場合、A購入者にBを勧めるといった具合です。
『ユーザーの興味』と『商品などのコンテンツの属性(タグ、カテゴリ、価格設定など)』を関連づけるアルゴリズムです。例えば、映画Aには、続編映画Bがあるので、Aを観たユーザーにBを勧める、といった具合です。
『協調フィルタリング』と『コンテンツ・フィルタリング』をマージする、もしくは複数のレコメンデーション方法を組み合わせたものです。両方を組み合わせることで、お互いのメリットをうまく活かし、デメリットを克服するために使用されます。
あるウェブサイトへ訪問した後、そのウェブサイトの広告が表示されることを経験した方は多いはずです。こうした『リターゲティング』といわれる広告手法も『レコメンド』の一種で、同じ仕組みで設計されています。
このように、近年『レコメンドエンジン』がかなり賢くなり、それを用いたメルマガ配信も『パーソナライズド・レコメンド・メール』ともいわれ、ニーズがますます高まっています。
前項で述べた通り、『レコメンドメール』とは、レコメンド機能を用いてパーソナライズしたメール配信を指します。では実際に『レコメンドメール』はどのくらいニーズがあり、どのくらいの効果があるのでしょうか? いくつかの調査結果をご紹介しながら説明します。
AmazonやNetflixといった大量のコンテンツを抱えるサービスを利用することで、消費者はパーソナライゼーション(個人最適化)やレコメンドについて理解できるようになってきました。大量のコンテンツの中から自分たちの購入履歴に基づいてお薦めサービスが表示されていることを知っているのです。上述のリターゲティング広告も同様です。
そして消費者はそういった『自分と関連するコンテンツ』を受け取りたいと望むように次第に変わっていきました。以下はそれを証明する米国のListrak社と Harris Poll社の調査結果の一部です。
・メルマガ購読者の80%は、自分の過去の購入履歴に基づいて商品をお薦めしてくれることが役立つと感じている
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このように、情報の取り扱いが適切に行われているのであれば、メルマガ購読者やユーザーはより多くのデータを共有しても良いと考えているようです。
読者のニーズが高まっていることはわかりました。では実際の効果の面ではどうでしょうか。米国のアバディーングループによると、パーソナライズされたレコメンドメールは通常のメールに比べて、あらゆる点において効果が高いことが判明しました。
・開封率:26%向上
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また、2013年12月に実施されたHarris Interactive社の調査によると、過去の購入履歴に基づいたレコメンドメールを受信したオンラインショップの消費者の81%が「少なくともウェブサイトに戻って購入する可能性がある」と考えていたことがわかりました。
対照的に、レコメンドによってパーソナライズ化されていないメールの場合、開封率、クリック率、コンバージョン率以外にも悪影響があるという調査結果もあるようです。 2015年に実施されたSilverpop社の調査によれば、メルマガ登録を解除する人のおよそ50%は、『コンテンツに関連性がなかったこと、あまりにも送る頻度が高かったこと、またはその両方』を理由としてあげています。
2014年に実施されたEconsultancy社とAdestra社の調査によれば、マーケティング担当者の78%が「5年以内にすべてのメール配信をパーソナライズする予定」と回答しています。同調査では「3社のうちの1社は既にコンテンツ・パーソナライゼーションに取り組んでおり、これは2013年より27%増加した」ということもわかっています。
『レコメンドメール』の定義、必要性について説明しました。では実際に『レコメンドメール』はどのような構成になっているのでしょうか。ユーザーの行動履歴別に、基本的な5パターンをご紹介します。
セグメント:
・ウェブ閲覧のみのユーザー
レコメンドアルゴリズム:
・サイト全体のベストセラー商品と、最近のトップセラー商品の組み合わせを表示
セグメント:
・商品カテゴリ閲覧のみのユーザー(まだ個別の製品まで表示していないユーザー)
レコメンドアルゴリズム:
・ユーザーが閲覧したカテゴリ内のベストセラーを考慮しておすすめ商品を表示
セグメント:
・サイト内の特定の商品を閲覧したが、カートには追加していないユーザー
レコメンドアルゴリズム:
・ユーザーが閲覧した商品に加えて、その商品に関連するベストセラーとカテゴリ関連のベストセラーも併せて表示
セグメント:
・サイトの検索に語句を入力したが、カテゴリや商品ページへは到達しなかったユーザー
レコメンドアルゴリズム:
・ユーザーの検索語句に関連するカテゴリのトップセラー商品を表示
セグメント:
・商品をカートに追加したまま放置したユーザー。いわゆるカゴ落ちユーザー
レコメンドアルゴリズム:
・ユーザーが商品を追加した状態のカートを必ず表示。さらにアップセル・クロスセルを図るためにカートに入った商品もしくはカテゴリに関連するベストセラーも表示
このように、保持しているユーザーデータの種類別に、ユーザーに最もふさわしい内容のレコメンドメールを作ることができます。
2016年に発表されたCriteo社の調査によると、日本ではECサイトの売上の大部分をモバイルデバイスが占めていることがわかっています。そして『レコメンドメール』は大量の商品を扱うECサイトで高い効果を発揮するため、当然『モバイルフレンドリー(モバイル最適化)』は必須対応となります。
『モバイルフレンドリー』とは上のイメージような振る舞いを指します。PC閲覧時に3つの製品が1つの行に表示される場合、スマートフォンではそのレイアウトを単純に縮小するのではなく、各製品を縦型に表示し直します。これにより、商品画像が目立つようになり、クリックされやすくなります。
デバイスごとのレイアウトの可変を自動的に行なってくれる『レスポンシブ・デザイン』を採用すれば、こうした対応の手間を省くことができます。
『レコメンドメール』とは何か、なぜ必要か、具体的にはどういったものかお分かりいただけたでしょうか。 最後に、当社のメール配信システム『WiLL Mail』でパーソナライズド・レコメンド・メールを配信する方法をご紹介します。
WiLL Mailの場合、あらかじめ使いたいユーザーデータやそれに基づくレコメンド商品データがあれば、レコメンドメールの配信が可能です。1つのデータベースに最大85項目作成できるため、メルマガに掲載したい商品数が多くても大丈夫です。
レイアウト作成は、用意した項目をHTMLメールエディタ上で差し込むだけです。コーディングの知識不要で好きな場所に好きなように配置できます。
HTMLメールエディタは『レスポンシブ・デザイン』を採用しているため、PC閲覧時に並列表示でも、モバイル閲覧時には縦列表示に自動で切り替わります。
メルマガ配信は、いまや世界の80%以上の企業が行なっており、企業のウェブ・マーケティングの基本とも言える存在になりました。一方で「届いたコンテンツが自分と関連がない」と判断したときに読者はメルマガ購読が解除します。
そしてリターンパス社は、2012年の調査において「消費者の63%は、モバイル用に最適化されていないとすぐにメールを削除する」と指摘しています。
つまり今後、特にECサイトのメルマガに求められることは『モバイルに最適化した、自分と関連性のあるコンテンツ』であるともいえるでしょう。
WiLL Mailのレコメンドメールはこれらのポイントを押さえた仕様になっています。ご興味があればぜひお声がけください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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