マルチパートメール配信は、テキスト形式とHTML形式のメールを同時に送信し、受信者の環境に合わせて最適な形式でメールを表示する技術です。
本記事では、マルチパートメール配信の概要、メリット、具体的な作成方法について詳しく解説します。
これらを学ぶことで、効果的なメールマーケティングを実現し、より多くの受信者にアプローチできるようになります。
マルチパートメールを簡単作成 |
【目次】
マルチパートメール配信とは、1つのメール内にテキスト形式とHTML形式の2つのメールコンテンツを作成して同時に送信し、受信者のメールクライアントやデバイスの環境に応じて、最適な形式(テキストメール または HTMLメール)を表示する技術です。
一般的なメールクライアントやデバイスは、テキスト形式とHTML形式の両方のメールをサポートしていますが、どちらの形式でメールを表示するかは、メールクライアントやデバイスの設定、受信者の好みなどに依存します。
例えば、Outlook、Gmailなどの主要なメールクライアントでは、デフォルトではHTML形式のメールを表示しますが、受信者がセキュリティ設定を変更して、テキスト形式のメールを表示するように変更している場合もあります。
また、携帯キャリアメールアドレス(@docomo.ne.jp、@au.com、@softbank.ne.jpなど)に送信されたメールは、一般的にはデフォルトではテキストメールが優先して表示されます。
さらに、セキュリティを重視する企業では、企業ドメイン宛のメールは、デフォルトではテキスト形式のメールを表示する設定になっている場合もあります。
このように、メールクライアントやデバイスの設定などによって、どちらの形式のメールを表示するかが決まります。したがって、マルチパートメール配信を活用して、受信者ごとに最適な形式のメールを届けることが重要になります。
マルチパートメール配信の仕組みは、MIME(Multipurpose Internet Mail Extensions)という規格を使用して実現されます。MIMEは、メールをテキストだけでなく、HTMLや画像など様々な形式で送信するための標準的な規格です。
具体的には、Content-Typeヘッダーに「multipart/alternative」という値を指定することで、1つのメール内に複数の異なる形式のメールコンテンツを含めることができるようになります。
例えば、次のようにメールヘッダーを設定します。
Content-Type: multipart/alternative; boundary="boundary_line"
このヘッダーは、メールがマルチパートメールであることを示し、「boundary_line」という境界線を使って、メールを複数のパートに区切ることを宣言しています。
この設定によって、メールのボディにテキスト形式とHTML形式の2つのメールコンテンツを含めることが可能になります。
実際のボディ部分のコードは、以下のように境界線でパート分けされ、Content-Typeでそれぞれのパートのメール形式が宣言されます。
--boundary_line Content-Type: text/plain; charset=UTF-8 これはテキスト形式のメールです。 --boundary_line Content-Type: text/html; charset=UTF-8 <p>これはHTML形式のメールです。</p> --boundary_line--
メールを受信するメールクライアント側は、メールクライアントやデバイスの設定に基づいて、Content-Typeの種類と境界線を解析し、2つの形式のうちどちらかを選択して表示します。
※MIMEは、主要なメールクライアントやメールサーバーで広くサポートされている標準的な規格です。そのため、マルチパートメール配信は信頼性が高く、幅広い環境で適切に動作します。
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Q. マルチパートメール配信では、2通のメールが送られるの? A. 送信されるメールは、1通です。 マルチパートメール配信の説明を聞くと、「テキストメールとHTMLメールの2通のメールが送られるの?」と誤解をしてしまう方がいるかもしれませんが、2通のメールを送信しているわけではありません。 マルチパートメールは、1つのメール内にテキスト形式とHTML形式の2つのメールコンテンツを含む特殊な構造を持っており、送信されるメール自体は1通です。 |
マルチパートメール配信を活用するメリットや重要性についてご説明します。
前述した通り、HTMLメールは、受信者側の環境やセキュリティ設定によっては表示されないことがあります。
マルチパートメールは、HTMLメールがブロックされた場合に、自動的にテキストメールが代わりに表示されるため、メールが完全に届かないというリスクを回避することができます。
その結果として、メールの到達率を大幅に向上させることができます。
HTMLメールを送信する際、マルチパートメールとしてテキストメールも同時に送信することで、迷惑メールフィルタに引っ掛かるリスクを低減することができます。
これは、ISPの迷惑メールフィルタが、過去に大量送信された迷惑メールの多くがHTML形式のみであることを学習しているため、類似のパターンを持つメールを迷惑メールとして判定しやすいためです。
そのため、マルチパートメールにテキスト形式のメールを含めることで、メールの信頼性が高まり、メールの到達率を向上させる効果があります。
近年、HTMLメールが主流になりつつありますが、セキュリティ、受信者の好み、データ使用量の削減、アクセシビリティへの配慮などの理由により、HTMLメールではなくテキストメールを受信する設定にしているユーザーも多くいることを忘れてはいけません。
マルチパートメール配信で、テキストメールも同時に提供することで、より多くの受信者が快適にメールを利用できるようになり、ユーザーエクスペリエンスの向上につながります。
テキストメールの受信を好むユーザー例
・視覚障害者
・セキュリティを重視するユーザー
・古いメールソフトを使用しているユーザー
・古い携帯デバイスを使用しているユーザー
・スマホのデータ量を節約したいユーザー など
送信者ドメイン認証の設定も重要です マルチパートメール配信でメール到達率の向上させるためには、メールの送信者ドメイン認証の設定も不可欠です。 SPF、DKIM、DMARK等の送信者ドメイン認証は、メール送信元の正当性を証明し、迷惑メール判定を回避する方法として有効です。 適切な送信者ドメイン認証を設定することで、マルチパートメール配信の効果を最大化することができます。 |
マルチパートメールを作成する主な方法としては、「1. 手動でMIME形式のメールを作成する方法」と、「2. メール配信システムを利用する方法」の2つの方法があります。
MIME形式でメールを作成するには、メールのヘッダーとボディを手動で設定する必要があります。具体的には、PythonやPHPなどのプログラミング言語やライブラリを使用して、ヘッダーや境界線の設定を行う必要があるため、専門的な知識が必要になります。
一般的なメールソフト(OutlookやGmailなど)には、ユーザーが直接メールのヘッダーを編集する機能は付いていないため、プログラミングの知識や経験がない人にとっては、MIME形式のメール作成は難易度が高く感じられるでしょう。
マルチパートメール配信に対応しているメール配信システムを利用すれば、専門的な知識がなくても、簡単にマルチパートメールを作成することが可能です。
ユーザーは、システムが提供するインターフェース上で、テキストメールとHTMLメールのコンテンツをそれぞれ作成するだけで、マルチパートメールが自動的に生成されます。これにより、手動での設定ミスを防ぎ、正確なメール配信が可能になります。
さらに、メール配信システムには、迷惑メールフィルタに対応する機能、モバイル閲覧に最適化する機能、メール配信後の分析機能など、メール到達率を高める機能が充実しているため、マルチパートメール配信の効果を最大化することができます。
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Webブラウザ表示用のHTMLメールも準備しましょう マルチパートメール配信でHTMLメールを送る際には、HTMLメールが表示崩れなどで正しく表示されない可能性があることを考慮し、別途Webブラウザ表示用のHTMLメールを準備しておきましょう。 HTMLメールの上部に「メールが正しく表示されない場合はこちら」というリンクを設置することで、WebブラウザでもHTMLメールの内容を確認することができます。メールの内容を確実に届けることができるため、ユーザーの利便性も向上します。 当社提供のWiLL Mailは、「スマートリンク」という機能を搭載しており、HTMLメールを作成することで、Webブラウザ表示用のHTMLメールを自動的に作成することができます。 |
マルチパートメール配信は、より多くの受信者にメールを届けることができる有効な手段です。まだこの手法を試していない方は、今すぐマルチパートメール配信を活用して、効果的なメールマーケティングを実現しましょう。
マルチパートメール配信のメリット ・メール到達率の向上 |
当社提供のWiLL Mailは、「テキストメール」、「HTMLメール」、「携帯向けテキストメール」、「携帯向けHTMLメール(デコメ)」の4つのパターンに対応した、マルチパートメール配信機能を搭載しています。
専門知識や特別な設定は不要で、簡単にマルチパートメールを配信することができますので、まずはお気軽に無料トライアルからお試しになってみてください。
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