メール到達率だけでは見えない、“本当に読まれる”メルマガ運用のヒント

メール到達率だけではわからない、”読まれる”メルマガを届けるためのヒント

 「最近エラーメールが多い」「届いているはずなのに反応がない」そんな悩みを抱えて、このページにたどり着いた方も多いのではないでしょうか。

 メールマーケティングにおいて「送ったメールが読者にきちんと届いているかどうか」は、成果に直結する重要なポイントです。

 とはいえ、「メール到達率」や「配信成功率」といった数字だけを見ていても、本当にメールが読者に届き、読まれているかどうかまでは判断が難しいのが実情です。

 実際には、メールは「配信された」だけでは不十分で、読者の受信フォルダに届き、開封され、反応されてこそ”届いた”と言えるのです。

 そこで本記事では、混同されやすい「メール到達率」「配信成功率」「配信性」の違いを整理しながら、数字だけでは見えてこない、”読まれる”メルマガを届けるためのヒントをわかりやすく解説していきます。

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メール到達率とは?配信成功率・配信性との違いを解説

 「メール到達率」「配信成功率」「配信性」は、いずれも”メールが届いたかどうか”に関する用語ですが、それぞれが指す意味や範囲には違いがあります。

 まずは、これら3つの用語の違いを整理しておきましょう。

配信成功率

 配信されたメールのうち、エラーにならずに送信が完了したメールの割合を示す指標です。

 例えば、100件のメールを配信して10件がエラーだった場合、90件が「配信成功」と見なされ、その割合が配信成功率です。

◎配信成功率の計算式
(配信総数 – エラーメール数) ÷ 配信総数 × 100

 配信成功率は、配信総数とエラーメール数が分かれば算出可能なため、運用上はこの指標が最も現実的な「到達の目安」として広く活用されています。

メール到達率

 配信に成功したメールのうち、受信者の「受信フォルダ」や「プロモーションタブ」など、実際にユーザーが目にする受信ボックスに届いた割合を示す指標です。

 迷惑メールフォルダやゴミ箱に自動で振り分けられたメールは「到達した」とはみなしません。

◎メール到達率の計算式
(配信成功数 – 迷惑メールフォルダ等に入った数) ÷ 配信総数 × 100

 ただし、どのメールが迷惑メールフォルダに入ったかを、送信者側から確認する手段はありません。

 そのため、メール到達率は配信成功率のように正確な数値として測定することができず、実質的には「測定不能」な指標です。

※メール到達率は、あくまで推定・感覚値でしか把握できないため、日々の開封率や反応率を通じて間接的に判断する必要があります。

※一部のツールや記事では「配信成功率」を「到達率」として扱っている場合もありますが、厳密には別の概念です。

配信性

 配信性とは、メールがエラーや迷惑メール判定を受けずに、受信者の「受信フォルダ」に正しく届く可能性や、送信者としての信頼性を示す概念です。

 メール到達率が正確に測定できない以上、メールの成果を上げるためには、受信フォルダに届くメールを1通でも多く増やす努力が必要になります。

 そのためには、見えない「到達率」の代わりに、「配信性の向上」を意識することが重要になります。

 配信性も数値として可視化できるものではありませんが、配信環境の整備や日々の運用改善によって、迷惑メールフォルダに入るリスクを下げ、ユーザーに届くメールの割合を高めることが可能です。

◎配信性を向上させる主なポイント

  • メール認証(SPF、DKIM、DMARC)を正しく設定する
  • 不要なアドレスを除外し、配信リストの品質を維持する
  • エラーメールの原因を確認し適切に対処する
  • 開封率、クリック率を高く保つコンテンツ作成する
  • 配信頻度やタイミングに一貫性を持たせる

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メール到達率の見えない部分を補う3つの重要指標

 前述のとおり、メール配信において正確な「メール到達率」を正確に把握することは困難です。

 しかし、到達率の見えない部分を間接的に把握し、配信の質を評価するために、次の3つの指標は必ず確認するようにしましょう。

1. エラーメール率とエラー原因

 エラーメール率は、配信したメールのうち、送信が完了しなかったメールの割合を示す指標です。

 この指標は、アドレスの間違い、受信サーバーの問題、メールコンテンツの影響など、配信に失敗した原因を特定するための重要な手掛かりとなります。

◎ポイント

  • 継続的エラーか一時的エラーかを確認する
  • 継続的エラーを起こすアドレスはリストから除外する
  • 一時的なエラーは原因を調査して、再送するかどうか判断する
  • PCと携帯アドレスのエラー率の違いを確認する

 エラーメール率とエラー原因を注視し、適切に対応することで、無駄な配信を減らし、配信性の向上につなげることができます。

2. 開封率

 開封率は、受信者がメールを開いた割合を示す指標です。メールが「受信フォルダに届き」、かつ「受信者が興味を持って開封した」可能性を示しています。

◎ポイント

  • 開封率は配信リストの質を測る目安になる
  • 開封率は差出人名や件名の信頼性や魅力を測る指標になる
  • 開封率は配信頻度や送信タイミングの適正度を測る参考になる

 一般的に、配信性が良好であれば開封率は高くなる傾向にあります。一方で、メールが迷惑メールフォルダに振り分けられたり、差出人の信頼が低い場合は、開封率は低くなる傾向にあります。

※開封率は、メールクライアントやデバイスの仕様によって計測精度にばらつきが出るため、単独で過信せずに、クリック率など他の指標とあわせて確認しましょう。

3. クリック率

 クリック率は、開封されたメールのうち、メール内のリンクがクリックされた割合を示す指標です。つまり、受信者が開封後に何らかの具体的なアクションを起こしたことを意味します。

◎ポイント

  • クリック率は、コンテンツや導線の適切さを測る目安になる
  • メールの種類や目的によって、クリック率の基準値は異なる
  • 開封率もクリック率も低い場合は、配信性に問題がある可能性がある

 クリック率は、主にコンテンツ改善の指標として活用されますが、その変化の傾向を開封率と合わせて分析することで、配信性に関する問題点に気がつけることがあります。

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”読まれる”メルマガを届けるための5つのポイント

 ここまでご紹介してきたように、メールが本当に「届いた」と言えるためには、単に配信成功率が高い(=配信エラーが少ない)だけでは不十分です。

 メールは、受信者の受信フォルダに届き、さらに開封されてはじめて、「届いた」と言えるでしょう。

 しかし前述のとおり、メールの到達率は正確に測定できないため、メール送信者には、配信性を向上させるための継続的な工夫と改善が求められます。

 そこで本章では、配信性を向上させ、”読まれる”メルマガを届けるために意識したい5つの重要なポイントをご紹介します。

1. メール認証(SPF/DKIM/DMARC)を正しく設定する

 配信性を向上させるために、まず徹底すべきなのが送信元の正当性を証明する「メール認証」の設定です。

 SPF、DKIM、DMARCは、いずれもメールが正規の送信元から送信されたものであることを、受信サーバーに伝える仕組みです。これらの設定が正しく行われていない場合、メールが迷惑メール扱いになったり、ブロックされてしまうことがあります。

 配信性は、こうした受信サーバー側の判断に大きく左右されるため、メール認証の設定は最優先かつ正確に行う必要があります。

メール認証がpassしているイメージ

※参考:上記はGmailで受信したメールのヘッダー情報を表示したものです。SPF・DKIM・DMARCが「PASS」となっていれば、メール認証が成功していることを示しています。

2. 配信リストの品質を高める

 メールを確実に届けるための土台となるのが、配信リストの品質です。

 配信リストに、存在しないアドレスや、繰り返しエラーが発生しているアドレスが多く含まれていると、受信サーバーからの評価が下がり、迷惑メール判定を受ける可能性が高まります。

◎配信リストの品質を高めるポイント

  • メール受信の承諾を得たアドレスのみをリストに追加する
  • ダブルオプトインを採用する
  • 定期的にリストをクリーニングする

 高品質な配信リストは、配信性を向上させるとともに、開封率やクリック率の向上にもつながります。つまり、「読まれるメルマガ」を実現する第一歩と言えるでしょう。

3. 読者にとって価値のあるコンテンツを届ける

 どれだけメールの配信環境を整えても、メールの内容自体が読者にとって魅力的でなければ、配信性の維持は難しくなります。

 なぜなら、読者が「このメールは不要だ」と感じれば、配信停止されたり、迷惑メールとして報告されたり、開封されずに無視されたりといった行動が起きやすくなるからです。

 こうした読者のネガティブな反応は、送信者のドメイン評価を下げ、今後のメールが迷惑メールフォルダに振り分けられる原因となります。

 一方で、読者にとって有益で、開封・クリックされやすいメールは、受信サーバーからの信頼を高め、配信性の改善・維持につながります。

4. 配信頻度とタイミングを最適化する

 過剰な配信頻度や、不自然なタイミングでの配信は、受信者の不満を招き、配信停止や迷惑メール報告の原因になります。

 こうしたネガティブな反応が蓄積すると、送信者の評価が下がり、配信性を損なうリスクが高まります。

 一方で、配信頻度が少なすぎる場合も注意が必要です。存在を忘れられてしまい、「知らない送信元」として迷惑メール扱いされる可能性もあります。

 読者にとってメールを読む行動が習慣化しやすくするには、一定のリズムでの配信が効果的です。

 適切な頻度とタイミングは、業種やメール用途、読者のライフスタイルや使用デバイスの傾向などによっても異なります。開封率やクリック率の推移を分析し、反応の良い曜日や時間帯を継続的に検証・改善していくことが重要です。

5. 配信後に指標を確認し改善につなげる

 メール配信後の効果測定は、配信性の問題にいち早く気づき、適切に対処するための重要なプロセスです。

 メールを送りっぱなしで放置していると、配信性の問題に気づくのが遅れ、気づいた時には配信リストの品質や、送信者としての評価が大きく低下しているという事態にもなりかねません。

 エラーメール率、開封率、クリック率などの指標を定期的に確認し、配信内容やリスト運用に改善を重ねることで、長期的に高い配信性を維持することができます。

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こんなサインに要注意!配信性の低下が疑われる兆候とは?

 メールの配信性は、明確な数値として可視化することが難しいため、メール担当者には、「その兆候をいち早く察知し、適切に対応する力」が求められます。

 ここでは、日々の効果測定で見逃してはならない「配信性低下のサイン」をいくつかご紹介します。該当するものがあれば、原因の仮説を立てて、適切な対応を講じる必要があります。

エラーメール率が急に高くなった

◎なぜ注意が必要か

 突然エラーメールの数が増えた場合、受信側のメールサーバーでメールがブロックされている可能性があります。

◎想定される原因の一例

  • 配信リストの多くが迷惑メール判定を受けている
  • 送信者ドメインの評価が低下している
  • 送信ドメインがブラックリストに登録されている

◎チェックすべきポイント

  • エラーメールの原因を確認する
  • メール認証の設定状況を再確認する
  • エラーの発生が集中しているドメインを特定する

エラーメール率は低いが、開封率も極端に低い

◎なぜ注意が必要か

 配信自体には成功しているが、メールが迷惑メールフォルダに振り分けられている、あるいは無視されている可能性が高いと考えられます。

◎想定される原因の一例

  • 件名や差出人の信頼性が低下している
  • メール本文に迷惑メールと疑われる表現が含まれている
  • 受信サーバーにより迷惑メールフォルダに自動振り分けされている

◎チェックすべきポイント

  • 件名、差出人名の内容や表現を見直す
  • 直近の配信内容に迷惑メールに見える要素がないかチェックする
  • GmailやYahooなど主要ドメインの開封率だけを個別分析してみる

継続的なエラーメールの割合が高くなった

◎なぜ注意が必要か

 配信リストに無効なアドレスが多数含まれている可能性があります。これを放置すると、送信ドメインの評価が著しく低下し、配信性に悪影響を及ぼす可能性があります。

◎想定される原因の一例

  • 配信リストを長期間メンテナンスしていない
  • 未承諾のアドレスが含まれる配信リストをインポートしている
  • 間違ったアドレスでも登録できてしまうフォーム設計になっている

◎チェックすべきポイント

  • 継続的なエラーを起こしているアドレスを速やかに配信リストから除外する
  • 定期的に配信リストをクリーニングする
  • ダブルオプトインを採用し、新規アドレスの有用性を確保する

モバイルアドレスのエラーメール率が高くなった

◎なぜ注意が必要か

 特定のキャリアメールアドレスやモバイル端末で、メールの受信が拒否されている可能性があります。この状況を放置すると、送信者としての評価が下がり、今後ますますメールが届きにくくなる恐れがあります。

◎想定される原因の一例

  • キャリアメール特有の迷惑メールフィルタに引っ掛かっている
  • メールの添付ファイルや画像容量が大き過ぎる
  • レイアウトがモバイル表示に最適化されていない

◎チェックすべきポイント

  • キャリア別(docomo / au / SoftBank)のエラー率を比較する
  • モバイル表示を意識したメール構成を再検討する
  • マルチパート配信(HTML + TEXT)の利用を検討する

Gmail宛のエラーメール率が急に高くなった

◎なぜ注意が必要か

 Gmailは迷惑メール対策が非常に厳格で、利用者数も圧倒的に多いため、配信性の低下が最も顕著に現れやすいドメインです。また、Gmail宛のエラー率が上昇した場合、それは他のドメインにも影響が波及する可能性があります。

◎想定される原因の一例

  • メール認証(SPF/DKIM/DMARC)の設定に不備がある
  • Gmailの送信者ガイドラインに違反している
  • 送信者ドメインの評価が低下している

◎チェックすべきポイント

  • Gmailのガイドラインに沿っているか一つずつ検証する
  • Gmail宛のエラー率と原因を個別に分析する
  • Gmail宛の配信を一時的に別リストに分けて様子を見る

開封率もクリック率も低下傾向にある

◎なぜ注意が必要か

 ユーザーとの関係性が弱まっている、あるいはメールが迷惑メールとして扱われている可能性があります。このような状態が続くと、配信停止や迷惑メール報告が増加し、配信性の低下につながります。

◎想定される原因の一例

  • 配信リストの品質が低下している
  • 配信リストの属性とメール内容がマッチしていない
  • 受信サーバーにより迷惑メールフォルダに自動振り分けされている

◎チェックすべきポイント

  • 配信リストのセグメントを見直す
  • 一定期間反応のないユーザーを配信リストから除外する
  • 配信頻度とタイミングを見直す

特定の配信だけエラー率や開封率が悪化した

◎なぜ注意が必要か

 配信設定のミスやコンテンツ内容の問題など、配信単位のエラーが発生している可能性があります。このまま放置すると次回以降の配信でも同様の問題が発生するリスクがあります。

◎想定される原因の一例

  • 間違った配信リストをインポートしている
  • 件名や本文に迷惑メール判定されやすい表現が含まれている
  • メールの添付ファイルや画像容量が大き過ぎる

◎チェックすべきポイント

  • 該当メールのエラー詳細を確認する
  • 使用した配信リストに誤りや不正確なアドレスが含まれていないか精査する
  • 件名、本文、URL、画像など、迷惑メール判定される可能性がある要素を洗い出す

配信総数が減っている

◎なぜ注意が必要か

 配信リストは日々劣化していくものであり、エラーや配信停止の影響によって、気づかないうちに配信総数が減少している可能性があります。

 この現象自体は、配信性の低下を直接示すものではありませんが、リストの管理や新規アドレスの獲得施策の問題を示すサインである可能性があります。放置していると将来的に到達率の悪化や開封率の低下につながる恐れがあるため注意が必要です。

◎想定される原因の一例

  • 配信リストの自然劣化
  • エラーアドレスや配信停止ユーザーの自動除外
  • 新規アドレスの獲得施策が停滞している

◎チェックすべきポイント

  • 配信総数の推移を定期的に記録・確認する
  • エラー原因や配信停止件数を継続的にモニタリングする
  • 新規アドレスの獲得施策を見直す

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指標の“変化の兆し”をどう読み取るか?

 メールの配信性は、ある日突然低下することもありますが、多くの場合、何かしらの”変化の兆し”が数値として表れたあと、徐々に悪化していくという流れを辿ります。

 だからこそ、日々の効果測定の中で「いつもと違う」「何かおかしいかも」と気づける観察力が求められます。

 ”変化の兆し”を見逃さないために、次の3つの視点を持っておきましょう。

  1. 前回と比較してどうか?
  2. 平均値から大きくズレていないか?
  3. 複数の指標を組み合わせて判断する

 たとえ小さな変化でも、それが大きな問題の入口である可能性があります。

 通常の効果測定に加え、「配信性の変化」という観点でも指標を確認する習慣を持つことで、深刻なトラブルを未然に防いで、安定した配信環境を維持することができます。

まとめ

 いかがでしたか?メール到達率を高めるためには、単なる配信成功率だけでなく、配信性の向上を意識した運用が鍵になります。

 そのためにメール担当者に求められるのは、日々の指標の変化に敏感であること。どんなに小さな兆候も見逃さず、早めに対処することで配信性の低下を防ぐことができます。

 本記事でご紹介したポイントを、自社のメール運用に少しずつ取り入れ、より安定した配信環境を整えて、“読まれる”メルマガを実現していきましょう。

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