企業が抱えるステップメールの課題と解決策|業種別シナリオパターン10選

企業が抱えるステップメールの課題と解決策|業種別シナリオパターン10選

 ステップメールは、見込み顧客や既存顧客に対して、段階的にメールを自動配信し、関係を深めながら購買や成約につなげる効果的なメールマーケティング手法です。

 しかし、「シナリオ設計が難しい」「開封率やクリック率が伸びない」などの課題に直面し、思うように成果を出せていない企業も多いのではないでしょうか?

 そこで本記事では、ステップメール運用でよくある課題とその解決策を解説するとともに、BtoC・BtoBの業種別に具体的なシナリオパターンの例もご紹介します。

 「自社に合ったステップメールの活用方法を知りたい!」という方は、ぜひ最後までご覧ください。

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ステップメールとは?

 ステップメールとは、あらかじめ設定しておいたメールとシナリオに沿って、段階的にメールを自動配信する仕組みです。

 例えば、新規会員登録したユーザーに対して「1通目:ウェルカムメール」→「2通目:基本機能の活用ガイド」→「3通目:成功事例の紹介」…といった流れで、メールを自動配信することができます。

ステップメールのシナリオパターン例

 ステップメールを活用することによって、見込み顧客を育成したり、興味を高めたりして、購入や成約へとつなげて行くことが可能です。

ステップメールとメルマガの違い

 一般的なメルマガは、企業が設定した日時に一斉送信されるのに対し、ステップメールはユーザーの行動(新規会員登録など)を起点に、個別のタイミングで送信されるという大きな違いがあります。

◎メルマガとステップメールの比較

メルマガ ステップメール
配信タイミング 企業が設定した日時に一斉配信 ユーザー行動に応じて個別のタイミングで配信
目的 一斉に情報を届ける 段階的なアプローチで関係を構築する
配信例 ECサイト会員に向けた、新商品の入荷情報 新規会員登録者に向けた、3日ごとにお役立ち情報

 このように、ステップメールはユーザーごとに最適なタイミングで情報を届けられるため、関係性を深めやすく、購買やコンバージョンにつながりやすいというメリットがあります。

ステップメールの役割

 ステップメールには主に「業務の効率化」「リード育成」「最適なタイミングでのアプローチ」という3つの重要な役割があります。

業務効率化

 ユーザーごとに手動でメールを送る場合、担当者の作業負担が大きくなり、メールの送り忘れや誤送信のリスクも高まります。特に顧客やリードの規模が大きくなると、管理が煩雑になり、対応が追いつかなくなることは少なくありません。

 ステップメールを活用すれば、あらかじめ設定したシナリオに沿って、自動的にメールを配信できるため、担当者の負担を大幅に軽減することができます。

 さらに、すべてのユーザーに対して統一された内容でメールを送信できるため、ユーザーごとに対応のバラつきを防ぎ、ブランドの一貫性が保たれます。施策後のデータ分析もしやすくなり、シナリオの改善点を特定しながら、より効果的なアプローチへと最適化できます。

リード育成

 見込み客(リード)は、必ずしもすぐに商品を購入したり、契約したりするわけではありません。そのため、検討段階の見込み客に対して、いきなり営業部門がアプローチをかけても、成約につながりにくいのが実情です。

 ステップメールを活用すれば、見込み客の関心度や検討状況に応じて、有益な情報を段階的に提供することができます。例えば、製品の導入事例や活用アイデアなどを段階的に届けることで、理解を深めてもらい、信頼関係を構築することが可能です。

 特に、BtoBビジネスでは、成約までのプロセスが長く、複数の決裁者が関与するケースが多いため、一度限りの営業提案では成果を上げるのが難しい場合があります。ステップメールを活用したリード育成を行うことで、見込み客の関心を維持しながら、購買意欲を徐々に高め、商談につながる可能性を広げられます。

 その結果、営業部門がアプローチをかける際のハードルが下がり、スムーズなクロージングへとつなげることができます。

最適なタイミングでのアプローチ

 一斉送信メールとは異なり、ステップメールはユーザーの行動を起点に配信されるため、関心や興味が高いタイミングで適切な情報を届けることができます。

 例えば、新規会員登録から数日後のタイミングで、「初回割引クーポンはご利用になりましたか?」といったフォローアップメールを送ることで、ユーザーの購買行動を後押しすることができます。

 このように、担当者が一人ひとりのフォローアップのタイミングを管理する手間を省きつつ、ステップメールが適切なタイミングで自動的にアプローチすることで、チャンスを逃さず成果につなげることが可能になります。

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よくあるステップメールの課題と解決策

 ここでは、ステップメールの運用でよく直面する課題と、その解決策をご紹介します。各課題を一つずつクリアしながら、より効果的なステップメールを構築していきましょう。

1. 効果的なシナリオが設計できない

◎課題
 顧客の行動に基づいた適切なシナリオを設計するのが難しく、どのタイミングでどんな内容のメールを送ればよいか分からない。

◎解決策
 まずは、カスタマージャーニーマップなどを活用して、顧客の購買プロセスを整理しましょう。会員登録、資料請求、サンプル請求、問い合わせなど、重要な接点を明確にした上で、それぞれの段階に応じた情報提供のシナリオを設計します。

 また、シナリオは一度作成して終わりではなく、定期的に効果測定を行いながら改善を重ねていくことが重要です。

2. 適切なセグメント分けができていない

◎課題
 ステップメールの配信リストをどのようにセグメント分けすればよいか分からず、適切なターゲットに適切な内容を届けられていない。

◎解決策
 ステップメールのセグメント分けは、作成したシナリオに基づいて行います。例えば、新規会員登録者や新規購入者など、顧客の行動に基づいた分け方になります。さらに必要に応じて、ユーザー属性(性別、年齢、地域など)を組み合わせて、より細かなセグメントを作成しましょう。

3. メールコンテンツが上手く作れない

◎課題
 メールで伝えたい情報が多すぎる、または情報が不足していて、伝えたい内容を上手くメールコンテンツにまとめることができない。

◎解決策
 1通のメールで伝えたいことは、できるだけ1つに絞るようにしましょう。もし伝えたい情報が複数ある場合は、メールを分けて送ることを検討しましょう。また、どんな情報を伝えるべきか迷ってしまう場合は、自社のWebサイト、ブログ、社内資料などを参照し、どの情報が読者にとって有益かを考えながら、コンテンツを作成しましょう。

4. 開封率・クリック率が低い

◎課題
 ステップメールを送っているが、開封率やクリック率が低く、どのように改善したら良いか分からない。

◎解決策
 まずは、件名、差出人名、配信時間帯が適切かどうかを確認しましょう。これらは、開封率に大きく影響するため、効果測定をしながら最適な組み合わせを見つけることが重要です。

 クリック率が低い場合は、メール内のCTAが明確で魅力的かどうかを見直します。読者が興味を持ちやすい見出しや画像、CTAボタンのデザインなどを工夫することでクリック率の向上が期待できます。

 さらに、ステップメールのシナリオ、セグメント、配信コンテンツ、配信タイミングを見直し、読者の関心に合う情報が最適なタイミングで届くように最適化しましょう。

5. 効果測定が難しい

◎課題
 どのメールが成果につながっているのか分からず、施策の効果を正しく評価できない。

◎解決策
 まずは、メール配信システムの分析機能を活用して、開封率、クリック率、コンバージョン率、配信停止率などの指標を確認しましょう。

 さらにメール内のリンクに、UTMパランメータを追加することで、Googleアナリティクスなどのアクセス解析ツールを使って、メール経由の流入を追跡することができます。これにより、どのメールがWebサイトへの訪問や購入などにつながったのかを明確に把握できるようになります。

 メール配信システムとGoogleアナリティクスを連携させることで、ステップメールの効果を可視化し、データに基づいた改善を行うことができます。

6. 配信エラーで届かないメールが多い

◎課題
 ステップメールを送っても、配信エラーで届かない、または迷惑メールフォルダに入ってしまうことが多い。

◎解決策
 配信エラーを減らして、メールの到達率を高めるために、以下の点をチェックしましょう。

  • 配信リストを定期的にクリーニングし、無効なアドレスはリストから削除する。
  • SPF、DKIM、DMARCの送信ドメイン認証を確実に設定する。
  • 件名や本文に、迷惑メールと疑われる表現が使われていないか確認する。

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業種別ステップメールのシナリオパターン10選

 ここからは、業種ごとに効果的なステップメールのシナリオパターン例やポイントをご紹介します。

 「どんな内容を、どの順番で送ればいいのか分からない…」そんな方は、ぜひ自社の業種に近い事例を参考にしてみてください。

 また、他の業界の活用例からも、新しいアイデアや工夫を見つけられるかもしれません。

BtoC業界のステップメール活用例

1. EC・小売業

◎業種のポイント

  • 初回購入者と既存顧客のリピートを促す施策が重要
  • レビュー収集やSNSでの拡散を促す施策も重要
  • カゴ落ち対策やクーポン活用が効果的

◎ステップメールのシナリオパターン例

【セグメント】:初回購入者

通数 配信日 配信内容
1通目 購入直後 初回購入のお礼
2通目 7日後 商品到着後のフォロー + レビュー依頼
3通目 14日後 製品の活用アイデア + SNSハッシュタグキャンペーン紹介
4通目 30日後 関連商品 + 期間限定クーポンの案内

2. 教育・スクール

◎業種のポイント

  • 受講生のやる気を継続させることが重要
  • 無料体験から本契約へスムーズに移行してもらう施策が必要
  • 保護者の安心感や信頼感を高める情報提供が効果的

◎ステップメールのシナリオパターン例

【セグメント】:無料体験申込者

通数 配信日 配信内容
1通目 申込直後 無料体験へのお礼 + 今後の流れを案内
2通目 2日後 受講生の成功事例 + 体験時のポイント紹介
3通目 5日後 よくある質問 + サポート体制の案内
4通目 無料体験終了後 無料体験終了後:本契約の案内 + 限定特典の案内

3. フィットネス・ジム

◎業種のポイント

  • 会員の継続率を向上させることが課題
  • 運動を習慣化できるようサポートすることが重要
  • 見学・体験から入会に繋げる施策が求められる

◎ステップメールのシナリオパターン例

【セグメント】:新規入会会員

通数 配信日 配信内容
1通目 入会直後 入会のお礼 + ジムのご利用ガイド
2通目 3日後 初心者向けおすすめトレーニングメニューの案内
3通目 7日後 目標設定のコツ、会員の成功事例紹介
4通目 14日後 2週間経過した人が感じやすい変化の紹介
5通目 30日後 もっと効果を高める追加サポート(個人メニュー作成、パーソナルトレーニングなど)の案内

4. 旅行・ホテル

◎業種のポイント

  • 予約完了率を高める施策が必要(カゴ落ち対策など)
  • 予約後に旅行当日までの期待感を高める演出
  • 旅行・宿泊後の口コミやリピートを促す施策が重要

◎ステップメールのシナリオパターン例

【セグメント】:ホテル予約者

通数 配信日 配信内容
1通目 予約直後 予約完了のお礼 + 宿泊情報
2通目 チェックイン7日前 滞在をより楽しむためのおすすめ情報案内(スパ・レストラン、周辺スポット等)
3通目 チェックイン3日前 宿泊日の最終確認 + 特別リクエスト受付の案内(誕生日サプライズ、食事のアレルギー等)
4通目 チェックアウト3日後 アンケート・レビュー依頼 + SNS投稿キャンペーンの案内 + 次回予約特典の案内

5. サブスクリプションサービス

◎業種のポイント

  • 無料トライアルから有料会員へスムーズに移行してもらう施策が必要
  • サービスの利用継続率を高める必要がある
  • 解約率を下げるための対策が必要

◎ステップメールのシナリオパターン例

【セグメント】:無料トライアル利用者

通数 配信日 配信内容
1通目 トライアル申込直後 申込のお礼 + 初回ログインの案内 + 初めに試して欲しい機能紹介
2通目 3日後 主要機能、便利な使い方の紹介 + よくある質問への回答
3通目 7日後 有料プランの特典・メリット紹介 + 他のユーザーの活用事例紹介
4通目 トライアル終了3日前 有料プランへの切り替え案内 + 限定割引の案内

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BtoB業界のステップメール活用例

6. SaaS・IT企業

◎業種のポイント

  • リード獲得からトライアル申込やデモ実施へ移行してもらう施策が必要
  • トライアル申込から本契約にスムーズに移行してもらうための施策が必要
  • 長期的な契約を維持し、解約を防ぐための施策が必要

◎ステップメールのシナリオパターン例

【セグメント】:資料請求者(リード)

通数 配信日 配信内容
1通目 資料請求直後 資料請求のお礼 + 資料ダウンロードリンクの案内
2通目 2日後 資料の補足説明 + ケーススタディ(◯◯の課題の解決法など)
3通目 5日後 導入前のよくある質問
4通目 7日後 成功企業の導入事例
5通目 10日後 無料ウェビナーの案内 + 過去のアーカイブセミナー視聴
6通目 14日後 無料トライアル・個別相談の案内

7. 製造業・メーカー

◎業種のポイント

  • リード獲得から商談や見積もり依頼に結びつける施策が必要
  • 技術的なハードルや導入リスクを払拭する情報提供が重要
  • 長期検討が多いため、定期的なアプローチで関係を維持する施策が必要

◎ステップメールのシナリオパターン例

【セグメント】:休眠顧客(一定期間注文がない顧客)

通数 配信日 配信内容
1通目 最終注文日から90日後 過去の購入のお礼 + 最新の導入事例
2通目 3日後 最新のトレンド紹介 + 成功企業の導入事例
3通目 7日後 最新技術を取り入れた新商品・新機能の案内
4通目 14日後 無料サンプル・トライアル製品の案内
5通目 21日後 他社の導入効果、活用方法の紹介
6通目 30日後 個別相談・オンラインMTGの提案

8. コンサルティング・士業

◎業種のポイント

  • 顧客(見込み客含む)との信頼関係の構築が重要
  • 無料相談やスポット契約から本契約へつなげる施策が必要
  • 長期的なフォローで顧客のタイミングを逃さないことが重要

◎ステップメールのシナリオパターン例

【セグメント】:無料相談者(無料相談を実施したが、本契約には至っていない顧客)

通数 配信日 配信内容
1通目 無料相談終了時 無料相談のお礼 + 追加の質問受付
2通目 3日後 他社の解決事例の紹介
3通目 6日後 サービスの強み、アフターフォローの紹介
4通目 9日後 本契約後の具体的な進め方の紹介
5通目 12日後 特典(無料相談延長など)や優待条件の案内
6通目 15日後 個別相談受付 + オンラインMTGの案内

9. 人材紹介・採用支援

◎業種のポイント

  • 企業側の採用課題やニーズを喚起する施策が重要
  • 人材紹介サービスを活用する価値を伝えることが必要
  • 求人への応募者を増やすためのサポートが重要

◎ステップメールのシナリオパターン例

【セグメント】:求人掲載を開始した企業

通数 配信日 配信内容
1通目 求人掲載日 求人掲載のお礼 + 募集要項チェックリストの配布
2通目 7日後 成功事例紹介(応募数が増えた企業の事例)
3通目 14日後 求人ページの改善ポイントの解説
4通目 21日後 求人競合との差別化ポイントを考えるワークシート配布
5通目 28日後 有料オプション(上位掲載、バナー広告など)サービスの案内
6通目 35日後 求人ページ改善に向けた個別相談受付の案内

10. 広告・マーケティング支援

◎業種のポイント

  • 企業のマーケティング施策の意思決定を支援することが重要
  • 企業によってマーケティングリテラシーが異なることを考慮した情報提供が必要
  • ツールの利用を支援し、成果につなげることで継続利用を促すことが重要

◎ステップメールのシナリオパターン例

【セグメント】:新規導入ユーザー

通数 配信日 配信内容
1通目 導入直後 ウェルカムメール + 基本設定ガイド
2通目 7日後 よくある質問への回答 + おすすめ機能の紹介
3通目 14日後 他の導入企業の成功事例紹介 + おすすめブログ記事
4通目 21日後 ツール活用度チェックリスト + 高度な活用法の案内
5通目 28日後 ツール活用における個別相談・ウェビナーの案内
6通目 35日後 さらに成果を上げるための活用術 + 上位プラン・オプション機能の案内

まとめ

 ステップメールは、適切なシナリオ設計とターゲットに合った内容を届けることで、業務の効率化やリード育成、成果の最大化につなげることができます。

 しかし、効果的に運用するためには「シナリオ設計」「セグメント分け」「コンテンツ作成」など、いくつかの課題をクリアする必要があります。今回ご紹介したポイントやシナリオ例を参考に、自社に合ったステップメールを設計してみてください。

 もし、「どうやって始めればいいのか分からない」「まずは試してみたい」という方は、WiLL Mailの無料トライアルで使い勝手を試してみてください。

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