「開封率」は、メルマガの効果を測定するための重要な指標のひとつです。そして、開封率を上げることは、メールマーケティングの成功には欠かせません。しかし、どうすればメールを開封してもらい、高い開封率を維持できるのでしょうか?
そこで本記事では、当社が配信する開封率50%以上のメルマガを事例としながら、開封率を向上させるための基礎知識と、実践的な改善方法やコツをご紹介します。
【目次】
メルマガは効果測定が重要! |
開封率は、皆さんが配信したメルマガを実際に受け取った読者のうち、そのメールを開いた読者の割合です。開封して本文を読んでもらわなければ、本来の目的を達成できません。そのため開封率はメルマガの効果の測定するための重要な指標のひとつです。
開封率の算出方法は以下のようになります。
開封率 = 開封した読者数 / 有効送信件数 |
「開封した読者数」を「配信した数からバウンス数(宛先不明で届かなかった数)を差し引いた数」で割ることで導きだします。
ではどうやって「開封した」とみなすのでしょう。これはメルマガの本文に含まれる目視できない透過画像ファイル『トラッキング・ピクセル』によってわかります。読者がメルマガを開いた際にこの画像ファイルがWebサーバからダウンロードされた=開かれたと見なされます。
※メールプライバシー保護(MPP)機能によって、ユーザーがメールを実際に開封していなくても、トラッキング・ピクセルが読み込まれることがあります。
メールプライバシー保護(MPP)機能による開封率の正確性について Apple社がiOS15から導入したメールプライバシー保護(MPP)機能は、メール開封率の計測に影響を与える可能性があります。この機能によって、ユーザーが実際にメールを開封していなくても、開封されたと記録されることがあります。 その結果、実際よりも高い開封率が記録される可能性があるため、メール開封率のデータを分析する際には、MPPの影響を考慮する必要があります。 MPPによってメール開封率の正確性は確かに低下しましたが、開封率が全く役に立たないわけではありません。クリック率、CV率、配信停止率など、他の指標と組み合わせて分析することで、メールキャンペーン全体の評価や改善に引き続き役立てることができます。 また、MPPの影響はAppleのデバイスやアプリに限定されているため、他のデバイスやメールアプリを使用しているユーザーに対しては、開封率は依然として信頼できる指標だと言えます。 |
平均的なメルマガ開封率は、多くの方が知りたい数値だと思います。全業界でおよそ35%だという調査結果もありますが、この数値はあまり意味を持ちません。なぜならより正確な値は各業界に依存するからです。
米国の配信ツールは、各業種の開封率の平均値を定期的に公表しています。この調査結果を見ても、趣味・娯楽産業の平均開封率は40.55%であるのに対し、マーケティング/広告業界の平均値は29.71%であると報告されており、かなり大きな違いがあることが伺えます。
※上記に開封率の平均値は、2023年12月時点の統計データに基づいています。現時点の統計値とは異なる場合があります。
前述した通り、メール開封率は、MPPの影響を考慮して、他の指標と組み合わせて分析することが推奨されています。以下、他の指標との組み合わせ例と、それによってどんな分析ができるかをご紹介します。
件名やメールコンテンツの内容が、どれだけ効果的かを測定することができます。
<分析例>
開封率が高く、クリック率が低い場合、メールの件名はユーザーの興味を引いているが、メールコンテンツの内容や、CTAがユーザーの興味を引きつけられていない可能性があります。逆に、クリック率が高い場合は、メールコンテンツやCTAが効果的であったと分析できます。
メールの開封、メール内のリンククリックから、コンバージョンするまでの流れがスムーズであったかどうかを測定することができます。
<分析例>
開封率とクリック率は高いが、コンバージョン率が低い場合、メールのリンクから遷移させるランディングページの内容や、購入や問い合わせフォームの設計に問題がある可能性があります。逆にコンバージョン率が高ければ、メールキャンペーン全体が効果的であったと分析できます。
メールの件名、内容、送信頻度などが適切であったかどうかを測定することができます。
<分析例>
開封率が高いが、配信停止率も高い場合、件名はユーザーの興味を引いているが、メールコンテンツの内容がユーザーの期待に応えられていない可能性があります。また、メールの送信頻度やタイミングが不適切であった可能性も考えられます。逆に開封率も配信停止率も低い場合、メール自体に興味を持たれていない可能性があります。
メルマガは効果測定が重要! |
ここからは、高い開封率を得るためのヒントを、実際にわたしたちが配信しているメルマガの結果や施策と合わせてご紹介していきます。
私たちが運用しているメルマガのひとつは、開封率が50%を超えています。概要は以下になります。
(2018年8月3日時点) |
上述した調査結果におけるマーケティング・広告業界の平均値の3倍以上の数値です。クリック率も約2.6倍です。
高いメルマガ開封率を出すにはいくつかの要素が必要です。今回は代表的な6つのポイントをご紹介します。
メルマガの購読を募る時点で開封率の善し悪しは決まります。配信する内容と関連性の高いリード・マグネット(アドレス収集の代わりに相手に渡すインセンティブ)のみを使いましょう。やみくもに多くの人を惹きつけてしまうと、結果的に開封率は低くなるでしょう。
たとえば、iPadのプレゼントなど、一般的に多数の人が望むようなインセンティブを用いてリスト登録を促すのはよくありません。そうではなく、自社サービスの情報や無料サンプルなど、みなさんのターゲットとする顧客のみが望むものを用いて登録を促すべきです。
私たちは、自社サービスの資料や無料トライアルを要望した方々のみのリストを作成しています。その際にインセンティブは一切提供していません。
多くのマーケティング担当者は、リスト全員にメルマガを配信してしまいますが、これはメールマーケティングとしては賢いやり方とはいえません。
メルマガの開封率を高めるには、読者の関心、購入履歴、居住地などの情報に基づいてリストのセグメント(分割)が重要です。こうすることで、興味のある読者に興味のある情報が届くことになります。
実際、セグメント化された電子メールキャンペーンは、セグメント化されていないキャンペーンよりも14.37%高くなることも調査によってわかっています。
私たちのメルマガは、お問い合わせフォームから登録された中で、以下に該当する方々のみ送っています。
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迷惑メールに関連するキーワードやフレーズは避けてください。たとえば「お金を稼ぐ」といった言葉や、過度の!マークなどを使うと、インターネット・サービス・プロバイダによっては、迷惑メールと判断する可能性があると言われています。
私たちが送付しているメルマガの件名は以下です。
WiLL Mail ご利用企業様の満足度調査の結果をご紹介致します。 |
なんの変哲もない件名です。ですが前述した正しい方法で購読を募り、きちんとセグメントをして送れば、過激な表現を行わずとも読者はきちんと開封してくれることがわかりますね。
適切な時期にメールを送信することは、開封率を高めるためにとても重要です。日本では8時〜10時、17時〜19時にメルマガを配信するケースが多く見受けられます。この時間帯は就業時間の前後にあたるため、メールチェックを習慣化している人が多いと言われています。
当社メルマガの配信時刻は午前9時としています。この時間帯以外で配信したことはないのですが、高い数値を維持している限りはこの時間帯を続ける予定です。
また、私たちはステップメールを利用しているので、この時間帯に加えて「登録した1日後」という条件もあります。これがまさに最適なタイミングであり、高い数値を維持し続けている大きな要因だと考えています。
米国の調査会社Marketing Sherpaが行なったケーススタディは、メルマガのパーソナライズがうまくいくことを証明しました。同社は、以下のような普通の件名(A)とパーソナライズした件名(B)、2つの異なる件名を持つ7種類のメールキャンペーンをテストし、その結果パーソナライズされた件名のキャンペーンの平均開封率が5.13%、平均クリック率はなんと17.36%向上したと伝えています。
A:長期にわたるクライアント関係を構築するための6つのステップをご紹介します B:[名前]様、長期にわたるクライアント関係を構築するための6つのステップをご紹介します Email Marketing: 17.36% higher average clickthrough rate in 7 personalized subject line tests |
メルマガの件名におけるパーソナライズとは、このように名前の差し込みをおこなうことが一般的です。
当社もパーソナライズした件名とそうでないパターンで比較を行いました。その結果、上記同様にパーソナライズしたメルマガの方がそうでない場合よりも16.6%高い開封率となりました。
たったこれだけで開封率に大きな違いが出るのですから、関連する情報を取得している場合はパーソナライズは行うべきといえるでしょう。
読者がメールの送信者を認識しない場合は、そのメールは削除される可能性が非常に高くなりますし、最悪の場合「迷惑メールとして報告してしまうかもしれません。そのため、メルマガの[From]フィールドには、メールアドレスだけでなく、送信元を示す自分の名前またはブランド名をきちんと記載することを強くお勧めします。
以下のような送信元名を用いています。誰が送ったものかがわかるように努めています。
“WiLL Mail運営事務局” |
また、一部のメールクライアントでは、受信トレイのメール一覧に、「送信元名」「件名」に続いて、「プリヘッダーテキスト」が表示されます。プリヘッダーテキストは、メールの内容を簡潔に伝え、受信者の興味を引く要因となります。メール開封率を高める施策として、プリヘッダーテキストもぜひ活用しましょう。
当社の開封率50%超のメルマガは、特別なことを行なっているわけではありません。最適な人が登録するような導線を設け、配信時にさらにセグメント化し、最適な時間帯にパーソナライズした件名で送る。基本に忠実になることで、ここまで数値を高めることができます。
もちろん、セグメントをかけない大量一斉配信にも以下のようなブランディングにおいて大事な役割をもっています。なお当社の一斉配信のメルマガ開封率は平均26.8%で、業界平均+10%でした。
当社の『WiLL Mail』では、セグメント配信やステップメールなど多様な配信形態に対応し、メルマガ開封率やクリック率なども簡単に把握できる分析機能を搭載しています。ご興味があればぜひお問い合わせください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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