2022年 | ウェブデザインのトレンドはどうなるの?

 最新のWebデザインのトレンドとは一体何でしょうか?Webデザインのトレンドは、世界全体の状況、テクノロジーの変化、ユーザーの希望などによって、毎年更新されています。2022年も様々なトレンドが生まれるでしょう。

 そこで本記事では、2022年に流行する可能性の高い、Webデザインのトレンドをいくつかご紹介します。新しいものもあれば、以前からあるものもありますが、いずれも皆さまのWebサイトを最新のデザインに保つことができるものばかりです。

 もちろん、全てのトレンドをWebサイトに取り入れる必要はありませんが、競合他社に差をつけて、企業のさらなる成長と長期的な発展を実現するためには、常に最新のトレンドについて把握し、必要なものを取り入れて行く必要があります。

 それでは、2022年のWebデザインのトレンドについて見ていきましょう。

1. ダークモード

 ダークモードは、数年前から存在し、Slack、Twitter、Instagramなどのモバイルアプリ、Windows、macOS、Android、iOSにも搭載されるなど、徐々に定着しつつあります。

 2022年以降は、デバイスのダークモード設定に合わせて、個々のWebサイトも自動的にダークモードに切り替わるダークモード対応が求められるようになるでしょう。また、ユーザーがWebサイトの背景を明るいものから暗いものへと任意で切り替えられる機能を搭載したWebサイトも登場して来るでしょう。

ダークモード参考イメージ

引用元:google.com

 Webサイトのダークモード対応は、メディア属性「prefers-color-scheme」を使って実装することが可能です。以下の記述例のようにダークモード設定時に適用するCSSを記述します。

@media (prefers-color-scheme: dark) {
 body {
  background-color: #1d1e20;
  color: #fff;
 }
}

ダークモードのメリット

  • 写真や文字が強調される
  • モダンでクールな印象を与える
  • 眼精疲労を軽減する
  • バッテリーの持ちを良くする
  • 暗い場所でも見やすい

 ダークモードには、多くのメリットがある反面で設定が難しいため注意点もあります。安易に「黒背景(#000)・白文字(#fff)」に設定しただけではコントラストが強過ぎるため、逆に目が疲れたり、怖い印象を与えてしまう可能性があります。写真についても黒背景に彩度が高い写真は眩しく見えてしまいます。Webサイトにダークモードを採用する場合は、十分なデザインの検証が必要です。

2. ホワイトスペース

 ホワイトスペースとは、テキストや画像など何も要素が表示されていない余白スペースのことです。何も表示されていなければ、白背景である必要はなく、どんな色でも構いません。

 ホワイトスペースがあることによって、ユーザーはコンテンツを見る際に目を休めることができます。戦略的にホワイトスペースを設けることによって、ページをシンプルで美しく保ち、コンテンツの読みやすさを向上させることができます。ユーザーは重要な情報やCTAに集中することできるため、コンバージョンにも影響を及ぼします。

ホワイトスペース参考イメージ

引用元:thepisaccochronicle.com

2つのホワイトスペース

マクロホワイトスペース
画像や見出しテキストなど、要素間のスペースを指します。

ミクロホワイトスペース
テキストの行間や文字間を指します。

 マクロとミクロのホワイトスペースを適切に設定して、絶妙なバランスを取るセンスが必要です。間の抜けたただの空白に感じられるようでは意味がありません。2022年以降、より大胆にホワイトスペースを設けて、シンプルさやミニマリズムを追求する傾向が見られるでしょう。

3. 落ち着いたアースカラー

 Webデザインの配色トレンドの一つとして「落ち着いたアースカラー」が挙げられます。PCやスマートフォンの画面を見る時間がますます長くなっている今、目に優しいアースカラーを積極的に取り入れる傾向があるためです。

アースカラーを使ったWebサイト事例

引用元:wolfandson.net

 また、パンデミックの発生以降、多くの人々が閉鎖された屋内空間でのストレスを感じ、自然や癒しを求めて、大自然の中に足を踏み出しました。このような環境との新たな関係性は、2022年のWebデザインにも大きな影響を与えるでしょう。

 アースカラーをWebデザインに取り入れることは、Webサイトの居心地を良くすることにつながるため、結果としてWebサイト訪問者の滞在時間を長くするという効果も期待できます。

アースカラー配色例

アースカラー配色例

4. 大胆な色使い

 2022年以降、大胆な色使いのWebデザインも多く見られるでしょう。それぞれの企業やブランドの価値をユーザーに伝えるための色をWebデザインに大胆に取り入れることで、ユーザーの潜在意識にメッセージを送り、消費者心理に訴えかける効果があります。

大胆な色使いのWebサイト事例

引用元:takeboost.com

 例えば、ある企業が、人生にポジティブさ、喜び、楽しみを必要としているユーザーをターゲットにした商品サービスを提供している場合、Webサイトやランディングページに「オレンジ」「黄」「黄緑」を意識的に使ったクリエイティブの制作を検討してみると良いでしょう。

 色彩心理学において、色をどのように解釈するかは、その人が持っている文化、経験、趣味などに大きく左右されますが、色が大半の人に与える心理的なイメージは存在します。以下、代表的な色の心理的なイメージを掲載しておきます。

ポジティブイメージ ネガティブイメージ
情熱、アクティブ、生命力、愛情、勇気、ポジティブ 怒り、派手、危険、争い、緊張
明るい、楽しい、親しみやすい、健康的、家庭的、食欲増進 安っぽい、下品、わがまま、
明るい、元気、楽しい、楽観的、活動的、喜び、ポジティブ 安っぽい、派手、軽率、危険
黄緑 若々しい、フレッシュ、爽やか、リラックス 未熟、軽薄、奇抜
癒し、安全、安定、若さ、エコロジー、安らぎ、希望、回復 保守的、未熟、受動的
水色 爽やか、清潔、繊細、クリア 冷たい、安っぽい、子供っぽい
自立、自由、知的、冷静、集中、シャープ、クール 冷たい、悲しみ、孤独、事務的、人工的
知的、男性的、凛々しい、誠実、フォーマル、堅実、厳格、高級感 硬い、緊張感、フォーマル過ぎ
高貴、優雅、気品、神秘的、神聖、ゴージャス 下品、陰気、不安定、孤独
ピンク 優しい、女性的、幸福、愛情、可愛い、ロマンティック 幼稚、甘え、優柔不断、子供っぽい
赤紫 愛情、女性的、大人っぽい、成熟、華やか、プライド 派手、不安定、下品
温和、安定、伝統、堅実、クラシック 地味、田舎っぽい、保守的、退屈、頑固
グレー シック、渋い、穏やか、落ち着き、中立 地味、迷い、陰気
モダン、シャープ、フォーマル、高級感、重厚感 暗い、怖い、重い、悲しい、排他的
清潔、平和、神聖、モダン、シンプル、クリア 味気ない、頼りない、冷たい、寂しい、厳しい

5. 非対称レイアウト

 Webページは、グリッドでレイアウトされた左右対称レイアウトが定番とされてきましたが、今後は左右非対称のレイアウトも多く見られるようになるでしょう。非対称レイアウトは、ユーザーの視線をページ内の特定の要素に集める効果があります。また、ページに躍動感や流動性を与える効果もあります。

非対称レイアウトのWebサイト事例1

引用元:newflight.co

 非対称なものは、不完全な印象も与えますが、人はその違和感を無視することができません。ページ内の特定の要素(例えば、読ませたいキャッチコピー)にユーザーの注目を集めたい場合には、意図的に非対称のレイアウトや、非対称なグラフィックを配置することで、ユーザーの視線を誘導することができます。

非対称レイアウトWebサイト事例2

引用元:enginethemes.com

6. ミニマリズム

 Webデザインにおいてミニマリズムは新しいものではありませんが、シンプルさを追求したミニマルなデザインは、2022年以降も健在です。ミニマルなWebデザインは、ページ表示速度が速いという実用面でも優れているため、今後このトレンドは主流になっていくと思われます。

ミニマリズムWebサイト事例

引用元:supercrowds.co

 2022年には、Webデザイナーたちはミニマリズムに新たなコンセプトを追加するでしょう。ミニマル=白黒、ミニマル=フラットという時代は終わり、もっと実験的なデザインが試みられるでしょう。

 例えば、以下のような他のトレンドとミニマリズを組み合わせた新しいデザインが試されることになるでしょう。

  • ミニマリズム × 落ち着いたアースカラー
  • ミニマリズム × グラデーション
  • ミニマリズム × 非対称レイアウト
  • ミニマリズム × 3Dグラフィック
  • ミニマリズム × 大胆なタイポグラフィ
  • ミニマリズム × マテリアルデザイン

7. 大胆なタイポグラフィ

 多くの企業Webサイトを見ると、大胆なタイポグラフィが流行していることが分かります。太くて大きなサイズのフォントを大胆に使用することで、ユーザーにイメージではなく、メッセージを瞬時に認識させることができます。

大胆なタイポグラフィを使ったWebサイト事例

引用元:thibaudallie.com

 大胆なタイポグラフィは、文字自体が写真などのイメージと同等のインパクトを持ちます。2022年のトレンドととして、Webサイトのヒーローイメージから、写真イメージを取り除き、文字だけでデザインされたヒーローセクションも多く登場するでしょう。

文字だけのヒーローイメージWebサイト事例

引用元:shystudios.co.uk

8. マイクロアニメーション

 ヒーローセクションに動きを加える方法として、数年前までは動画の背景が流行していました。しかしながら、ページ表示速度を最優先に考えた場合、動画の背景はページがかなり重くなるため、採用するWebサイトは減って来ています。

 そこで、2022年以降は、ヒーローセクションにマイクロアニメーションが多く登場するでしょう。マイクロアニメーションとは、GIFアニメ、CSS3、HTML5 Canvasを使って、Webサイトの特定の部分(小さな範囲)に表示する、5秒以下の短い長さのアニメーションのことです。マイクロアニメーションなら、ページ表示速度を犠牲にすることもありません。

引用元:sennep.com

 人がWebサイトの印象を決定するのに必要な時間はわずか0.05秒だと言われています。マイクロアニメーションは、画面に動きを与え、一瞬でユーザーの心を掴む魅力的な動きや、ユーモアをWebサイトにプラスすることができます。

 但し、単に「どこかを少し動かせば良い」という訳ではありません。ユーザーに注目してもらいたい要素への視線誘導を促すアニメーションや、企業やブランドの価値を表すアニメーションとして、最適なものをしっかり検討する必要があります。

9. スマートビデオ

 Webサイトでの動画の使用は、2022年以降も主要トレンドの1つですが、ただ単にYouTubeの動画を埋め込んでおく時代は終わりました。動画はWebサイト掲載用に考え抜かれたものでなければなりません。それがスマートビデオです。

 動画の長さには制約を決め(例えば2分以内など)、必要最低限の短い時間に収めるべきです。そして再生から30秒以内に最も高いエンゲージメントが得られるような構成にすると良いでしょう。Webサイト掲載用に考え抜かれたスマートビデオは、適当に作られた10本の動画を掲載するよりも遥かに優れています。

10. スクロール・テリング

 マウスホイールをスクロールすることによって、ダイナミックに画面を切り替えるスクロールエフェクト(パララックス・スクロール、水平スクロールなど)のトレンドは、2022年以降も続きそうですが、その中で注目が高まっている考え方が、スクロール・テリングです。

 スクロール・テリングは、製品の特集ページやランディングページなどの長編記事にスクロールエフェクトを適用し、ユーザーにストーリー仕立てでコンテンツを読ませるという考え方です。

 軽快に動くスクロールエフェクトは、ユーザーがWebサイトを閲覧する際に感じる摩擦を最小限に抑えることができます。ユーザーはマウスのスクロール操作をするだけで、ストーリーに触れることができるため、自然とコンテンツへの興味を高めることができます。

 このトレンドを理解するには、実際にスクロール・テリングを使ったWebサイトを見てみるのが一番です。良例として、AppleのAirPods Proの製品サイトを見てみてください。次々に画面が展開し、非常にドラマチックで引き込まれます。

AppleのAirPods Proの製品サイトキャプチャーイメージ

引用元:apple.com/jp/airpods-pro/

11. データビジュアライゼーション

 データに勝るものはありません。しかし、データは正しく理解されなければ意味がありません。ビックデータの活用が叫ばれる今日、膨大なデータを瞬時に見て理解するためには、データを上手くビジュアル化する必要があります。

 データビジュアライゼーションとは、データの視覚化のことです。Webサイトでも、商品やサービスの価値を提示する方法として、様々なデータが使用されていると思いますが、ただ数字のみを記載したデータより、美しく分かりやすいグラフデータを使って、データを視覚化した方が、ユーザーの印象に残りやすく、理解や説得力も増します。

 複雑なデータを1つにまとめて視覚化するには、情報を整理・分析し、グラフや図形などのデザインを決める必要があります。制作に多くの時間が掛かりますが、その労力を費やす価値は十分にあります。

12. インタラクティブ・コンテンツ

 最近では、多くのWebサイトがパーソナライズされたユーザー体験の提供に力を入れています。ユーザーは自分のニーズに合った体験ができなければ、競合他社に目を向けてしまします。

 2022年以降、従来の静的なWebコンテンツに加えて、ユーザーごとに異なったコンテンツを表示するインタラクティブ・コンテンツ(双方向型の動的Webコンテンツ、パーソナライズ・コンテンツ)を積極的に取り入れたWebサイトが増えることが予想されます。

 ユーザーのアクションやニーズに応じて、表示するコンテンツを動的に変化させることで、ユーザーは能動的にコンテンツを読み進めてくれるため、より商品やサービスに興味を持ってもらい、エンゲージメントを高めることができます。

 具体的なインタラクティブ・コンテンツとしては、計算機(見積もり計算など)、診断テスト、アンケート投票、チャットボット、VR・3Dコンテンツ、レコメンド表示など数多く挙げられます。いづれも従来から存在するものですが、近年の人工知能や機械学習の進歩によって、今後インタラクティブ・コンテンツの精度はさらに向上し、ユーザーにとってより価値の高いコンテンツを提供できるようになるでしょう。

13. 音声検索インターフェース

 Siriに代表される音声検索インターフェースは、世界中で当たり前になってきています。多くの人がGoogleの検索フォームにキーワードを入力する代わりに、質問をしたり要求をしたりするようになりました。これに合わせて、Webサイトも音声検索で使われる口語のキーワードで最適化する必要が出てくるでしょう。

 企業のWebサイトについては、まだ音声検索インターフェースの実装は進んでいませんが、近い将来、音声検索の普及に伴って、音声検索機能を組み込んだWebサイトが増えて行くことも予想されます。このトレンドをいち早く取り入れることは、競合他社に差を付けるチャンスになるでしょう。

14. サムフレンドリー

 Webサイトをモバイルフレンドリーにすることは、今や必須の要件となっていますが、2022年以降は、サムフレンドリーな(親指に優しい)Webデザインが重要視されるでしょう。スマートフォンを片手で操作する際、ほぼ全ての人が親指を使って操作しているはずです。両手で操作する場合もあると思いますが、片手に荷物や飲み物を持っている場合などは片手操作になるため、サムフレンドリーに最適化しておくことが求められます。

 モバイルサイトは、親指でスクロールしやすいシングルカラムレイアウトにし、ナビゲーションメニュー、CTAボタン、リンクなどのタップ要素は、親指が届く範囲(画面の中央部)に配置することで、無理のない快適な操作性を保つことができます。スマートフォンの画面で、親指が届きやすい範囲を示したイメージ図を掲載しておきます。レイアウトする際の参考にしてみてください。

親指が届きやすい範囲を示したイメージ図

まとめ

 以上、2022年に世界中で多く見られるであろうWebデザインのトレンドをご紹介しました。もちろん、これらのトレンドが全てではありませんが、皆さまのWebサイトと相性の良いものがあれば、積極的に導入を検討してみてください。

2022年Webデザイントレンド
1. ダークモード
2. ホワイトスペース
3. 落ち着いたアースカラー
4. 大胆な色使い
5. 非対称レイアウト
6. ミニマリズム
7. 大胆なタイポグラフィ
8. マイクロアニメーション
9. スマートビデオ
10. スクロール・テリング
11. データビジュアライゼーション
12. インタラクティブ・コンテンツ
13. 音声検索インターフェース
14. サムフレンドリー

 最後までお読みいただきありがとうございました。

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