CSSとは?基本的な書き方を詳しく解説【初心者向け】

 HTMLメールを作成するためには、CSSの使い方が重要であることは「HTMLメールはどうやって作成するの?基本と特徴を徹底解説!【保存版】」で解説しました。

 今回は、CSS初心者向けに、Webサイト制作で実際に使われているCSSの基本的な書き方を詳しく解説します。

 CSSの基本をマスターしておけば、WebサイトやHTMLメールの簡単なデザイン変更は自分でできるようになります。また、デザイナーやプログラマーに制作依頼をする際にも的確な指示が出せるようになるでしょう。

CSSでできること

 CSSとは、HTMLで書かれたページをWebブラウザやメーラーにどのように表示するかを定義するためのプログラミング言語です。

 例えばCSSでは、以下のようなことを定義することができます。

  • 文字の色、サイズ、行間、行揃えなどの指定
  • 背景色、背景画像、ボーダー、角丸などの指定
  • レイアウト、余白の調整

 CSSは、主に見た目の装飾に関することを定義します。一方、HTMLはページの構造や要素を定義します。そのためCSSとHTMLは常にセットで使用されます。CSSを記述するためには、まず構造化されたツリー構造のHTMLを作成し、そのHTMLに対してCSSのスタイルを実装していきます。

CSS実装前のHTMLプレビュー

CSS実装前のHTMLプレビュー画像

 上記は、まだCSSを実装していないHTMLをプレビューしたものです。まだ文章構造のみでWEBページとしては見難いデザインになっています。

CSS実装後のHTMLプレビュー

CSS実装後のHTMLプレビュー画像

 同じHTMLに対してCSSを実装したプレビューです。レイアウトや見た目の装飾が整い、見やすいデザインになりました。

CSSの基本書式

CSSの基本書式の画像

 この基本書式を使って、HTMLの中の、「どの部分の(セレクタ)」、「何を(プロパティ)」、「どのように変更する(値)」かを指定していきます。

セレクタ

 セレクタとは、セレクト(選択する)という名前の通り、どの部分にCSSを適用させるかを選択する役割を果たします。例えば、「h1、h2、p、img」などの要素や、「id=”属性名” class=”属性名”」などのidやclassに指定した属性名のことを指します。

プロパティ

 プロパティとは、適用するCSSのスタイルの種類のことです。例えば、文字サイズを変更したい場合の「font-size」や、背景色を変更したい場合の「background-color」などのことを指します。

 CSSには、様々なプロパティが用意されており、実現したいデザインに応じてプロパティを使い分けます。

 値とは、セレクタに適用するプロパティを「どのように変更するのか」の具体的な数値のことです。例えば、プロパティに文字サイズを変更する「font-size」が指定されている場合の「24px」「1.5em」「100%」などを指します。

具体的な記述手順

h1 {
	font-size: 24px;
}

 上記は、「h1(見出し)」の、「font-size(フォントサイズ)」を、「24px」に指定するためのCSSの記述になります。

 記述の手順は、まずh1のセレクタを先頭に記述し、プロパティと値は、{ }(波括弧)で囲います。プロパティと値は、:(コロン)でつなぎます。

 複数のプロパティを同時に指定することもできます。以下のように、;(セミコロン)で区切って記述します。最後の行のセミコロンは省略することもできます。

h1 {
	font-size: 24px;
	font-weight: bold;
	color: #ff7800
}

よく使う単位

 CSSでは、フォントサイズや、幅や高さの値を指定するために様々な単位を使用します。

 CSSでよく使う単位は、「px」「%」「em」「rem」の4つがほとんどです。まずはこの4つの単位を覚えておきましょう。

単位 解説
px(ピクセル) モニタの1ピクセルを1pxとする絶対値の単位。
%(パーセント) ブラウザのデフォルトフォントサイズを100%、またパーセントによる幅や高さの割合指定。
em(エム) 適用する要素の大文字のMのフォントサイズを1とする相対値の単位。
rem(ルートエム) ルート要素(html)の大文字のMのフォントサイズを1とする相対値の単位。

色指定の方法

 CSSでよく使われる色指定の方法は、「カラーコード指定」「RGB指定」「RGBA指定」の3つです。主に、文字色、背景色、ボーダー色などのカラープロパティに対して指定します。

カラーコード指定

 #から始まる16進数(00〜FF)のRGB値(赤・緑・青の値)による色の指定方法。

カラーコード指定記述例

※小文字でも大文字でも可。
※RGBそれぞれの値がゾロ目の場合は、3桁に省略可。(例:#FF0088→#F08)

RGB指定

 10進数(0〜255)のRGB値(赤・緑・青の値)による色の指定方法。

RGB指定記述例

※0が薄く、255が濃い値を示します。

RGBA指定

 上記のRGB値(赤・緑・青の値)に、透明度(A:0.0〜1.0)を加えた色の指定方法。

RGBA指定記述例

※0.0が透明、1.0が不透明。0.1〜0.9の小数点の値を使って、透明度の割合を指定します。

RGB値の確認方法
 具体的なカラーコードや、RGB値の確認方法は、Photoshopなどの画像編集ソフトを利用すると調べられます。ソフトが無い場合は、Google検索で「カラーピッカー」と検索すると、Googleの提供するカラーピッカーで簡単に調べられます。

Google検索カラーピッカーのイメージ画像

CSSのコメントの記述方法

 /* 〜 */で囲った部分は、ブラウザの表示には影響しないコメント記述部分になります。何のスタイルを指定したCSSなのかをコメントで残しておくと、自分だけでなく他の制作者がCSSを更新する際に役立ちます。

 また、コメントアウト(/* 〜 */)は複数行にまたがっても機能します。

コメントの記述例

/* 大見出しの設定 */
h1 {
	font-size:2.4rem; /* 24px */
	font-weight: bold; /* 太字 */
	color: #ff7800; /* オレンジ色 */
}
/*
複数行にまたがっても
コメントアウトは機能する
*/

CSSの記述場所

 CSSを記述する場所は、3つのパターンがあります。

インライン形式

 HTMLのタグの中に、直接CSSのスタイルを記述していく方法です。

<h1 style="font-size:24px;">大見出し</h1>

 適用したい要素に直接スタイルを記述していくので、直感的で分かりやすい方法ですが、もしも全ページ共通のスタイルを追加・修正したい場合には、全てのタグのスタイルを更新しなければならないデメリットがあります。

 Web制作では、制作途中の一時的なテストとして利用されることはあります。また、HTMLメールの作成においては、インライン形式で記述する方法が推奨されています。

ヘッダー埋め込み形式

 head要素内に、style要素を使って一括してCSSを記述する方法です。

<head>
<style>
h1 {
	font-size:24px;
	font-weight: bold;
	color: #ff7800;
}
</style>
</head>

 HTMLとCSSを分けて記述することができますが、適用されるスタイルはそのページのみとなるため、もしも全ページ共通のスタイルを追加・修正したい場合には、全てのページやテンプレートを更新しなければなりません。

 インライン形式と同様に、CSSの更新効率が悪いため、特定のページにだけ適用したいスタイルがある場合などの使用に留めておくと良いでしょう。

外部参照

 CSSを外部ファイルとして別に作成し、HTMLからlink要素でリンクを貼る方法です。

<head>
<link rel="stylesheet" href="style.css" >
</head>

 スタイルの追加・修正は、CSSファイルを更新するだけで、リンクしている全てのページに反映されるため、更新効率が良くなります。Webサイト制作では、最も使用頻度の高い記述方法です。

 ただし、外部参照によるCSSの読込は、ブラウザのレンダリングブロックの原因となります。大きなCSSファイルを読み込む場合は、ページの表示速度が遅くなる可能性があります。必要に応じて、ファーストビュー部分のスタイルを、埋め込み形式にするなどの工夫をすると良いでしょう。

外部参照CSSファイルの文字コード設定
style.cssなどの外部CSSファイルを作る際には、必ず先頭に、utf-8などの文字コードを記述しましょう。文字コードを指定しないと、ファイルの中に日本語を記述した場合に文字化けを起こす場合があります。

[記述例]
@charset “utf-8”;
html {
 font-family:”ヒラギノ角ゴ Pro W3″,”MS Pゴシック”,sans-serif;
}

基本的なCSSプロパティ

 文字の装飾や背景色の指定など、まずはじめに覚えておきたい基本的なCSSプロパティの記述方法を解説していきます。

 ここで解説するプロパティを覚えるだけでも、かなりの修正ができるようになります。

color

 文字色を指定するためのプロパティです。カラーコード、またはRGB値で色を指定します。

h1 {
	color: #ff0000;
	rgb(255,0,0);
}

font-size

 文字サイズを指定するためのプロパティです。

 px、em、rem、%などで文字のサイズを指定します。

h1 {
	font-size: 24px;
	font-size: 1.5em;
	font-size: 1.5rem;
	font-size: 150%;
}

font-weight

 文字の太さを指定するためのプロパティです。

 100〜900の値で文字の太さを指定します。400が標準の太さです。

 その他、normal(標準)、bold(太字)、lighter(今より1段細く)、bolder(今より1段太く)という値でも太さを指定できます。

h1 {
	font-weight: 800;
	font-weight: bold;
	font-weight: bolder;
}

font-family

 文字に適用するフォント(書体)を指定するためのプロパティです。

 フォントは、複数のフォント名をカンマ(,)で区切って指定します。

h1 {
	font-family:Helvetica,Arial,"ヒラギノ角ゴ Pro W3",
	"Hiragino Kaku Gothic Pro","MS Pゴシック","MS PGothic",sans-serif;
}

 font-familyの指定方法については、以下の記事で詳しく解説しています。

text-align

 文字の行揃え、均等割付を指定するためのプロパティです。

 left(左揃え)、center(中央揃え)、right(右揃え)、justify(均等割付)で行揃えの形式を指定します。

h1 {
	text-align: left;
	text-align: center;
	text-align: right;
	text-align: justify;
}

text-decoration

 文字の装飾方法を指定するためのプロパティです。

 none(装飾無し)、underline(下線)、overline(上線)、line-through(取り消し線)、blink(点滅)の値を指定できます。

 値を半角スペース区切りで複数指定することもできます。

h1 {
	text-decoration: none;
	text-decoration: underline;
	text-decoration: overline;
	text-decoration: line-through blink;
}

line-height

 文字の行の高さ(行間の設定)を指定するためのプロパティです。

 px、em、rem、%などの単位で行の高さを指定します。単位無しで指定する方法もあります。

 line-heightを指定しない場合は、ブラウザのデフォルト値で自動調整されます。

h1 {
	line-height: 36px;
	line-height: 1.5em;
	line-height: 3.6rem;
	line-height: 150%;
	line-height: 1.5;	
}

 例えば、フォントサイズが24pxで、line-heightを36pxに設定した場合、36pxから24pxを引いた、12px(上に6px、下に6px)の行間ができます。

line-heightの図説画像

※文字に関するCSSのスタイルは、子要素、孫要素に継承されるため、line-heightは値無しの指定が推奨されています。値無しで指定すると子要素、孫要素のフォントサイズに合わせて、行間が上手く調整されます。

background-color

 背景色を指定するためのプロパティです。カラーコード、またはRGB値で色を指定します。

h1 {
	background-color: #000000;
	background-color: rgb(0,0,0)
}

background-image

 背景画像を指定するためのプロパティです。背景に使用する画像URLを指定します。

 必要に応じて背景画像の繰り返し設定のプロパティ「background-repeat」を合わせて指定します。指定しない場合、背景画像は縦横方向に繰り返されます。

h1 {
	background-image: url("https://sapana.co.jp/img/sample.png");
	background-image: url('/img/sample.png');
	background-repeat: no-repeat; /* 背景画像を繰り返さない */
	background-repeat: repeat-y; /* 背景画像を縦方向のみに繰り返す */
	background-repeat: repeat-x; /* 背景画像を横方向のみに繰り返す */
}

※画像のパスは、絶対パス、もしくはCSSを記述したファイルから見た相対パスで指定します。
※画像のパスは、ダブルクォーテーション(”)、またはシングルクオーテーション(‘)で囲います。省略も可能です。

border

 上下左右のボーダーラインの太さ、スタイル、色をまとめて指定するためのプロパティです。

h1 {
	border: 1px solid #333333;
}

 ボーダースタイルは、solid(実線)、dotted(点線)、dashed(破線)、double(二重線)などが指定できます。

 上下左右のボーダーを別々に指定する場合は、border-top(上ボーダー)、border-bottom(下ボーダー)、border-left(左ボーダー)、border-right(右ボーダー)プロパティを使用します。

margin

 上下左右のマージン(外側の余白)をまとめて指定するためのプロパティです。

 px、em、rem、%などの単位でマージンの値を指定します。値にautoを指定すると自動でマージンが計算されます。負の値を指定することもできます。

 上下左右のマージンを別々に指定する場合は、margin-top(上マージン)、margin-bottom(下マージン)、margin-left(左マージン)、margin-right(右マージン)プロパティを使用します。値をスペース区切りで記述するショートハンドで指定することもできます。

h1 {
	margin: 25px; /* 上下左右の一括指定 */
	margin: 25px 25px; /* 「上下」と「左右」の指定 */
	margin: 25px 25px 25px; /* 「上」「左右」「下」の指定 */
	margin: 25px 25px 25px 25px; /* 「上」「右」「下」「左」の指定 */	
}

padding

 上下左右のパディング(内側の余白)をまとめて指定するためのプロパティです。

 px、em、rem、%などの単位でパディングの値を指定します。paddingにはautoや負の値を指定することはできません。

 上下左右のパディングを別々に指定する場合は、padding-top(上パディング)、padding-bottom(下パディング)、padding-left(左パディング)、padding-right(右パディング)プロパティを使用します。値をスペース区切りで記述するショートハンドで指定することもできます。

h1 {
	padding: 10px; /* 上下左右の一括指定 */
	padding: 10px 10px; /* 「上下」と「左右」の指定 */
	padding: 10px 10px 10px; /* 「上」「左右」「下」の指定 */
	padding: 10px 10px 10px 10px; /* 「上」「右」「下」「左」の指定 */	
}

width

 ブロック要素(div、h1、ul、pなど)の横幅を指定するためのプロパティです。

 px、em、rem、%などの単位でwidthの値を指定します。

h1 {
	width: 100%;
}

 widthプロパティは、インライン要素(a、b、spanなど)には指定できません。例外としてimg、input、button要素など、widthを指定できるインライン要素も存在します。

height

 ブロック要素(div、h1、ul、pなど)の高さを指定するためのプロパティです。

 px、em、rem、%などの単位でheightの値を指定します。

h1 {
	height: 180px;
}

 heightプロパティは、インライン要素(a、b、spanなど)には指定できません。例外としてimg、input、button要素など、heightを指定できるインライン要素も存在します。

基本的なCSSセレクタ

 CSSセレクタとは、どの部分にCSSを適用するかを指定するパスのようなものです。CSSを使いこなすためには、意図した通りのセレクタ指定ができることがとても重要です。

 ここでは、まずはじめに覚えておくべき、利用頻度の高い5つの基本的なセレクタについて解説します。

タグ名のセレクタ指定

 html、body、h1、p、a、img、table、ul、li、など、HTMLのタグ名を直接セレクタに指定する方法です。CSSにはタグ名をそのまま記述します。先頭にシャープ(#)やドット(.)は付けません。

[HTML]
<h1>大見出し</h1>


[CSS]
h1 {
	color: #000000;
}

 HTMLの構造に大幅な変更があった場合などに更新性が悪いため、タグ名のセレクタ指定は極力使わないことが推奨されています。

#id名によるセレクタ指定

 HTMLソース内のid名をセレクタに指定する方法です。CSSのid名の先頭にはシャープ(#)を付けて記述します。

 以下の記述例は、HTML内のh1タグの「id=”heading”」に対して、CSSを指定しています。

[HTML]
<h1 id="heading">大見出し</h1>


[CSS]
#heading {
	font-size:24px;
}

.class名によるセレクタ指定

 HTMLソース内のclass名をセレクタに指定する方法です。CSSのclass名の先頭にはドット(.)を付けて記述します。

 以下の記述例は、HTML内のh1タグの「class=”heading”」に対して、CSSを指定しています。

[HTML]
<h1 class="heading">大見出し</h1>


[CSS]
.heading {
	font-size:24px;	
}

子孫セレクタ指定

 CSSを適用する対象を絞り込んで指定する方法です。セレクタを半角スペースで区切って、複数のセレクタを繋げて記述します。

 以下の記述例は、HTML内のspanタグで囲まれた「太字」部分を絞り込んでCSSを指定しています。

[HTML]
<div id="main">
	<p class="lead">テキスト<span>太字</span>です。</p>
</div>


[CSS]
#main .lead span {
	font-weight: bold;
}

 セレクタは、いくつでも繋げて指定することができます。また、タグ名、id名、class名を混ぜて繋げても構いません。

※子孫セレクタの場合、「#A.B」のようにスペース無しでセレクタを繋げてしまうと、「AかつB」となり意味が変わってしまいますので注意してください。

複数のセレクタに同じCSSを指定する方法

 複数のセレクタをカンマ(,)で区切って記述することにより、異なるセレクタにまとめて同じCSSスタイルを指定することができます。

 以下の記述例は、h1、h2、h3、pタグに共通するCSSスタイルはまとめて指定し、共通でないCSSスタイルは、別々に指定しています。

h1, h2, h3, p {
	color: #666;
	font-weight: normal;
	line-height: 1.5;
}
h1 {font-size: 24px;}
h2 {font-size: 20px;}
h3 {font-size: 18px;}
p {font-size: 14px;}

 上記のようにCSSスタイルの内容が重複している部分をまとめることで、すっきりしたシンプルなソースになります。

 複数セレクタの場合、カンマ区切りの後の半角スペースは、有っても無くてもどちらでも意味は同じです。子孫セレクタと複数セレクタの指定を混同しやすいので注意しましょう。

その他のセレクタ

 このページでは詳しい解説はしませんが、他にも様々なセレクタがあります。一部ご紹介しておきます。

ユニバーサルセレクタ
 全称セレクタとも呼ばれ、すべての要素を対象にCSSを適用するセレクタです。セレクタにアスタリスク(*)をつけて指定します。

擬似クラスセレクタ
 ある条件の時にだけCSSを適用するセレクタです。「:hover(マウスオーバー時)」などが有名です。

擬似要素セレクタ
 要素の特定部分に対してCSSを適用するセレクタです。「::after(要素の後にコンテンツ追加)」「::before(要素の前にコンテンツを追加)」などが有名です。

CSSが適用される優先順位

 CSSの特徴として、同じ要素に異なるCSSスタイルを何度でも上書きすることができます。同じ要素の同じプロパティに値が重複指定されることは珍しいことではありません。

 CSSには、Webブラウザがどのスタイルを適用するのか(上書きするのか)を判断するための明確な優先順位のつけ方が定められています。

CSSの読込み順

 CSSスタイルの重複があった場合、基本的には後から読み込まれたスタイルが優先的に適用されます。

 例えば、以下の記述例の場合は、3つのフォントサイズが重複指定されていますが、適用されるのは一番最後に読み込まれた「font-size:18px」になります。後ろに書かれたスタイルに上書きされると覚えておけば良いでしょう。

h1 {
	font-size:24px;		
	font-size:20px;		
	font-size:18px;		
}

 しかし、この上書きルールには例外があります。それは次に解説する「CSSの記述場所」と「詳細度」による優先順位です。CSSを後に書いてもスタイルが上書きされない場合、CSSの記述場所と詳細度が関係している可能性があります。

CSSの記述場所

 先に説明した通り、CSSを記述する場所は、インライン形式、ヘッダー埋め込み形式、外部参照の3つのパターンがあります。

 CSSスタイルの重複があった場合、このCSSの記述場所によっても、優先的に適用されるCSSが変わってきます。

 最も優先されるCSSは、インライン形式で記述したCSSスタイルです。ヘッダー埋め込み形式と外部参照については同等の優先順位で、後から読み込まれたスタイルが適用されます。

外部参照、ヘッダー埋め込み形式、インライン形式の図説画像

 以下の記述例では、h1タグの「大見出し」に対して、「インライン形式」「ヘッダー埋め込み形式」「外部参照1」「外部参照2」の異なる4つCSSを重複指定しました。どの順番でCSSのスタイルが優先適用されるかを考えてみてください。

[HTML]
<head>
	<link rel="stylesheet" href="style1.css"><!-- 外部参照1 -->
	<!-- ヘッダー埋め込み形式 -->
	<style>
	h1 {
		font-size: 24px;
	}
	</style>
	<link rel="stylesheet" href="style2.css"><!-- 外部参照2 -->
</head>
<body>
	<h1 style="font-size:18px;">大見出し</h1><!-- インライン形式 -->



[CSS:外部参照1]
h1 {
	font-size: 22px;
}


[CSS:外部参照2]
h1 {
	font-size: 20px;
}

 上記の例の場合、CSSは「インライン形式」>「外部参照2」>「ヘッダー埋め込み形式」>「外部参照1」の順番で優先適用されますので、「font-size:18px」が適用されます。

※外部参照よりヘッダー埋め込み形式が後に書かれることが多いため、ヘッダー埋め込み形式が優先だと説明されている場合がありますが、あくまで2つの優先順位は同等で、後から読み込まれた方が適用されます。

CSSの詳細度

 CSSはセレクタの書き方によって、詳細度という概念で評価され、適用される優先順位を決定します。

 詳細度は、以下のようなバージョン番号のような形で表されます。

セレクタ 詳細度
id名セレクタ/1個 1.0.0
class名セレクタ/1個 0.1.0
タグ名セレクタ/1個 0.0.1

 覚え方としては、「最新のバージョン番号が付いたセレクタが優先適用される」と覚えておきましょう。

 初心者の方は、もっとざっくりと、「id名セレクタ > class名セレクタ > タグ名セレクタ」の順番で優先順位が高いと覚えておいても良いと思います。

 以下の記述例では、「大見出し」に対して、異なる7つのセレクタでCSSを重複指定しました。セレクタに指定された#id、.class、タグの数によってどのように詳細度が付くのかを見てみましょう。

[HTML]
<div id="main">
 <h1 id="heading" class="heading c1 c2 c3 c4 c5 c6 c7 c8 c9 c10">大見出し</h1>
</div>


[CSS]
#main #heading { /* 詳細度:2.0.0 */
		font-size:24px;		
}
#main .heading { /* 詳細度:1.1.0 */
		font-size:23px;		
}
#main h1 { /* 詳細度:1.0.1 */
		font-size:22px;		
}
#heading { /* 詳細度1.0.0 */
		font-size:21px;
}
.heading { /* 詳細度0.1.0 */
		font-size:20px;		
}
h1 { /* 詳細度:0.0.1 */
		font-size:19px;		
}
#heading.c1.c2.c3.c4.c5.c6.c7.c8.c9.c10 { /* 詳細度:1.10.0 */
		font-size:18px;		
}

 詳細度で最も優先順位の高いセレクタは、IDセレクタを2つ繋げた「#main #heading」になります。よってフォントサイズは「24px」が適用されます。

※classセレクタが10個繋がっても、位が繰り上がるわけではないので注意してください。詳細度は、「0.10.0」になります。
※詳細度による優先順位が高ければ、CSSの読み込み順に関係なく、優先して適用されます。
※詳細度が同じだった場合は、後から書かれたスタイルが適用されます。

詳細度を計算してくれるサイト
 セレクタを入力すると自動で詳細度を計算してくれる便利なサイトもあります。

Specificity Calculator画面イメージ

引用元:https://specificity.keegan.st

!important指定

 ここまで、CSSの読み込み順、記述場所、詳細度による優先順位について説明して来ましたが、これらすべての優先順位を覆して強制的にスタイルを適用させる「!important指定」という優先順位の変更方法があります。

 記述方法は、CSSの値の後ろに半角スペースを入れ、「!important」の記述を追加します。

h1 {
	font-size: 18px !important;
}

 「!important指定」を多用し過ぎると、優先順位のルールが崩れ、CSSの更新やメンテナンスが難しくなる場合がありますので注意しましょう。

 HTMLメールを作成する場合は、メーラー固有のCSSスタイルを打ち消す目的で、意図的に「!important指定」を多用する場合もあります。

まとめ

 いかがでしたか。今回はCSSの基本書式、基本的なCSSプロパティ、CSSセレクタの使い方を中心に解説しました。

 初心者の方にはちょっと難しい部分もあったと思いますが、CSSは基本がとても大切です。しっかり基本をマスターしておくか、なんとなく曖昧なままで制作を進めるかで、制作物の質や制作スピードに大きな差が出てきます。

 基本をマスターしたら、あとは使えるCSSプロパティの種類を少しずつ増やしていきましょう。CSSプロパティの種類は何百種類もありますが、すべて覚える必要はありません。やりたいことが出てきた段階で、一つずつ覚えて行けば問題ありません。

 HTMLメールを作成する場合については、使用が推奨されるCSSプロパティの種類が限られています。より多くのメールクライアントがサポートしているプロパティのみを使用するようにしましょう。

著者
WiLL Cloudマーケティングチームのロゴ
WiLL Cloud マーケティングチーム

ウェブマーケティングに関する情報をお届けするブログです。皆様に役に立つ情報、アップデート、イベントなど、様々なことを発信します。

メルマガ登録 »