デコメールとは、携帯版のHTMLメールのことです。実際は、キャリア各社によって正式呼称が異なりますが、ここではデコメールとして統一表記します。
このデコメールですが、HTMLメールとはいうものの、通常のHTMLメールとはかなり違いがあります。たとえば、docomo、au、softbankの3キャリアのほとんどの端末で使用できますが、softbank版iphoneが対応していないなど、端末やキャリアに依存する制限があるのです。(au版iphoneはデコメール対応をしています。)
デコメールは、docomoが仕様を公開しており、2014年の時点で、バージョンが1から4まであります。デコメールのメルマガ作成を行う際は、普及率を考慮しバージョン4の制限事項を参考にすれば問題ないと思います。au、softbankはdocomoより制限が緩いため、docomoの仕様に合わせておけば問題ありません。
以下は、デコメールのVersion4.0の主な仕様です。
デコメールのVersion 4.0の制限 |
・インライン画像の最大数:20個まで |
ここからは、具体的にデコメールを送信する方法をお伝えします。
PCやメール配信システムからデコメールを配信する場合、テキストパートとHTMLパートの両方(マルチパート機能)を送る必要があります。なぜなら、デコメールに対応していない端末の場合、HTMLパートが削除され、テキストパートのみが届く仕様になっているためです。対象の受信者のメールには、テキスト上部にはHTMLパートが削除された旨が記載されます。
また、デコメールに対応している携帯端末の場合も、容量制限を超えたデコメールが届いた場合は、非対応端末と同様にHTMLパートが削除されます。「最大ファイルサイズについては、100KBまで自由に使えるわけではなくて、テキスト10KB+画像90KB」という点に注意する必要があるのです。
ここで陥りやすい落とし穴があるのですが、「最大ファイルサイズについては、100KBまで自由に使えるわけではなくて、テキスト10KB+画像90KB」という点に注意が必要です。テキスト10KBの内訳は、テキスト本文+HTMLパートのソース、となるので、HTMLソースが10KB以内だったとしてもテキスト本文を加えたときに10KBを超えるとHTMLパートは削除されます。
デコメールの容量が制限まで余裕があってもテキストで書きすぎてオーバーしてしまう、という事態が発生するわけです。実際に配信するときは別の要素としてメールヘッダの容量も加味する必要があるのであまりギリギリまで容量を使用しないようにしましょう。
また、受け取る側の端末によっても挙動が様々で、多少オーバーしてもHTMLパートを削除しない端末もあれば、シビアに判定する端末もあります。そのため制限の緩い端末を知らずに使っていると、テストで大丈夫だと思っていたものが他の端末ではHTMLパートが削除される、といったケースもありますので、できるだけ多くの種類の端末でテストしましょう。
画像についてもいくつかポイントがあります。サイズが90KBまでと決まっていて、メールに表示する画像はメールに添付する仕様です。基本的に画像の外部参照は読み込まない前提です。
(一部の端末は外部の画像を読み込みますがサポート外という認識です。)
影響する点はメールの開封率チェックです。HTMLの開封率を取得する仕組みは画像の外部参照を使用しているのでデコメールでは取得できません。これは一般的によく言われている内容なのでご存知の方も多いと思います。
画像の幅については仕様では特に基準はないのですが、端末ごとに表示できる画像幅の上限がありますので、フィーチャーフォンなども考慮して送信する場合は幅の大きすぎる画像を使わないように注意が必要です。